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戦う司書さんと勇者と魔王  作者: 星砂糖
山村と 爆裂王女と 冒険者
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Page49「お風呂の準備」

明けましておめでとうございます。

今年もマイペースに更新していきますので、どうぞよろしくお願いします。

ティアとリッカがクレア達に遅れて異空間に入ると、周囲を警戒するクレア達が目の前にいた。

クレアは2本とも抜剣、チャコは指の間に針を挟んでいつでも投げれるように、カコは手を突き出しいつでも魔法が放てるように、シュトは重心を低くして警戒していた。


「あの、どうしましたか?」

「どうしましたか?じゃないニャ!ここはどこニャ!」

「お風呂はどこかな?」

「ウチはようわからんけど、いきなり草原に出されたらなぁ〜」

「……警戒…当然……」

「草原ですか?」


周囲を見回し、それでやっと気づいた。

石畳だった床は細身の草が生えており、所々に小さな丘ができていた。

ティアが寝るために出した家まで続く道には草が生えておらず、逆側には同じ道が続いているが、その先は丘の陰で見えなくなっている。

家の向こうにもキラキラと輝く水面が見えるので湖ができているようだ。

その湖の向こうには山がそびえ立っており、星空が見えた。

天井の石壁が無くなっているのである。


「えっと…最後に見た時は草原も湖も山も空もありませんでした」

「え?!逆にどういう感じだったのか気になるニャ!」

「床と天井は石で、湖には水が入っていませんでした。あと、山もありませんでした」

「じゃあ何があったのニャ…」

「あそこに見える家と、その裏にあるお風呂ですね」

「お風呂!みんな行くよ!」


ティアが指差す家を見たクレアは、武器を納めて駆け出した。


「あ、ちょっと待つニャ!」

「とりあえず何も聞こえへんし、気配もないから大丈夫やろ〜」


クレアを止めようと手を出したまま固まるチャコを他所に、狐耳をピクピクさせながら周囲を伺うカコ。

シュトも同じようにした後、警戒を解き歩き出す。


「……広すぎ……」

「マリアリーゼさんが異空間から馬車を出したりしてたから、ある程度の広さはあると思ってたニャ。でも、こんなに広いとは思ってなかったニャ…」

「せやな〜。マリアリーゼさんが言ってた異空間に城を建てた司書みたいな感じなんやろ〜」


どうやらティアの母親から異空間で好き放題した司書の話を聞いているようだ。

ティアが好き放題意見したので、ペンシィが有り余るティアの魔力を使った結果こうなったのである。


「遅い!」


家の前に着くと腰に手を当てて仁王立ちするクレアが立っていた。

クレアの剣は両腰にあるので、いつでも抜剣可能なように見えるので、少し怖く感じる佇まいだ。

もちろん柄に手を当てていないので抜剣難しいが、逆手であれば抜ける。


「止めたのに走って行くのが悪いニャ」

「気持ちはわかるけどな〜」


チャコとカコが言うも、それを無視して裏に進むクレア。

その姿は王女足り得るほど堂々としていた。


「行くのじゃー!」


クレアを追いかけてリッカが走る。

残ったメンバーも後を追って家の裏にある温泉を目指す。


「ここで服を脱んだよね?」

「はい。脱いだ服を籠に入れて、この棚に入れます」


クレアは脱衣所で待っていた。

設備から想像はついていたが、念のため確認したようだ。

確認が終わったクレアは、2本の剣を棚に立てかけ、マントと赤い手甲を外し、胸当てと肩当ても外し始めた。

金具を外し、パーツごとに綺麗に整理して籠に入れる。

鎧の下に着ていた赤い服を一息で脱ぐと白い肌と肌着が露わになる。

もちろん肌着も赤い。

肌着を脱ぐと成長途中の小ぶりな胸が出てくる。

12歳なので小さいが、見て胸と分かるほどにはある。

上半身裸になると赤いブーツと赤い靴下を脱いで、赤いズボンも脱ぐ。

もちろん下着は赤く、それも一息で脱いで全裸になると、どこがとは言わないが、薄っすらと赤い毛が生えていることが分かる。

クレアはその状態でゆっくりと脱いでいるティアを手伝う。


「ありがとうございます。クレアお姉ちゃん」

「いいのよ別に」


チャコはそんなクレアを見ながら脱いでいる。

皮鎧を脱ぎ棚に置いた後、ポケットから針を取り出して籠に入れる。

ポケットの中に何も残っていないことを確認してから白い服を脱ぐ。

肌着も白いが体毛も十字の模様以外が白いので、前から見ると全身真っ白だ。

肌着を脱ぐとクレアより少し大きいぐらいの乳房が露わになる。

12歳なので年相応の大きさである。

黒いブーツと靴下を脱ぎ、一息に灰色のズボンを脱ぐ。

お尻の上に生えている長い尻尾を左右にフリフリしてから、白いパンツを脱ぐ。

獣人なので全身体毛だらけではあるが、脱いでいる過程で毛が抜け落ちることはない。

全裸になったらクレアと同じようにティアの脱衣を手伝う。

クレアが後ろから抱き上げ、チャコがニーソックスを引き抜いていく。


「スポッと抜けるのが気持ちいいニャ!」

「履かせるのは私がやるからね!」

「えっと、自分でできますよ?」

「お姉ちゃん達に任せて」

「そうニャ!しっかりと助けるニャ!」


ティアの意見を無視して脱がしていく2人。

瞬く間に素っ裸に剥かれたティアだったが、1人で脱ぐより断然早かった。


「あっちは楽しそうやな〜」


カコはティアを楽しそうに脱がしているクレアとチャコを尻目に1人寂しく脱いでいる。

リッカはシュトが脱がしているので。


カコはクリーム色のローブの裾を掴んで捲り上げるように脱ぐ。

一息で脱げるこの方法がお気に入りらしい。

まだ子供である。

下着は黄色で胸はクレアより小さいが無いわけではない。

横から見れば。

尻尾の具合を確認した後ブーツを脱いで、下着も脱ぐ。

何がとは言わないがまだ生えていない。

シュトの様子を見るとリッカを脱がしきったところだった。


「脱げたのじゃー!ティアー!」


リッカの着ていたコートや服を畳んでカゴに入れた後、シュトが脱ぎ始める。

リッカはティアの元に向かった。

リッカを見送ったシュトは満足げに頷いた後、皮厚手の緑の服を脱ぎ始める。

弓を扱うので皮鎧を着ていてもおかしくないのだが、シュトは足を止めて弓を打つことが少ないので動きやすさを重視した結果、厚手の服になっている。

その服の下からはピンクの下着と、クレアよりもとても大きな胸が現れた。

12歳とは思えないほどの大きさだが、本人は特に気にしていない。

勝手に大きくなるだけなので。

そして、ブーツと下着を脱いでいくと、どこがとは言わないが、髪と同じ色の毛が生えているのが分かる。


「……準備できた……」

「相変わらず大きいわ〜」


シュトの胸を掴もうとするカコだが、最小限の動きで避けられる。


「ぐぬぬ〜」

「ほら!早く行くよ!」

「そうニャ!」


カコの腕を掴んで湯船の方に進むクレアとチャコ。

その後をティアとリッカの手を掴んだシュトが付いていく。

念願のお風呂はすぐそこだ。


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