第4話
(。・ω・)ノども。
感想、ブクマ及び評価を付けて下さってありがとうございます。
贅沢を言えば挿し絵を貰えるともっと嬉しいです!
‥‥はい、すいません。調子乗りました。
読んで貰ってるだけで充分嬉しいです!
今回の話は人によっては気分が悪くなるかも知れません。ご注意ください。
それでは、後書きで会いましょう。(・ω・)ノシ
光が収まるとそこは暗闇で蝋燭がぽつぽつと置いてあり、足下には魔法陣が怪しげに輝いていた。
「ようこそいらっしゃいました。勇者様。私の名前はフェール・アガナと申します」
声の方に目を向けると、そこには蝋燭を左手に、右手には身の丈ほどある大きな杖を持っている少女がいた。
そして椿はその声を無視し、少女の腹を殴った。
ボキッという骨が折れる音がして、少女は吹き飛び壁を砕きながら激突した。
「あれ?結構手加減したつもりだったんだけどな。一応、女だったから顔は辞めといたぜ、感謝しな。
柊、居るか?居たら返事しろ」
すると足下にあった古めかしい本が光だす。
そして光が人の形になり、黒髪紅眼のツインテール美少女が姿を現した。柊が《無貌顕現》を使ったのだ。
「おい、椿。いきなり殴るのは酷いんじゃないか?本当は良い奴かもしれないだろ」
「うお!その本が柊だったのかよ。魔道書か?なかなか面白いじゃねぇか」
「正解だ。それで、なんで殴った?」
「知ったこっちゃねぇよ。俺は神からこいつは悪い奴だから気を付けろって言われたから、洗脳される前に始末したんだぜ?お前も聞いたんだろ?」
「それもそうだな、やってしまったものは仕方が無い。とっとと逃げるぞ、まだ力の使い方も把握出来ていないからいきなり実戦は辛い」
「俺は完全な脳筋キャラだからな、魔法とかは使えんけどその分身体能力を上げてもらったから即実戦出来るぜ。護衛は任せな」
「今更だが椿、なんで女になってるんだ」
椿は何言ってんだ、こいつ。という顔をして。
「女に成りたかったから。ていうかお前だって女じゃねぇか。人のこと言えねぇぞ」
「悪いか?男なら誰しもが1度は夢見る事だぞ。やらんでどうする。因みに俺はどんな姿にでも成れるぞ」
「流石だな柊。真面目な顔して馬鹿丸出しな所が俺は好きだぜ。ん?それじゃあ竜とかにも成れるのか?」
「当たり前だ、空も飛べる筈だぞ。ああ、そうか。よし、こんな所さっさと出るぞ」
また柊は《無貌顕現》を使い、紅い目をした大きな鴉の姿になった。大きさは約3m位だろう。
「おい、なんで竜じゃなくて鳥なんだよ」
「竜は俺の好みじゃない。あとこれは鴉だ。空を飛べれば何でもいいだろ」
「それもそうだな。ていうかどうやって出るんだ?
窓所か扉一つないぞ」
「簡単な事だ、天井をブチ破る。さっさと乗れ」
ニヤニヤと椿は楽しそうに笑い、
「あいよ、安全運転で頼むぜ」
柊もニヤリと笑う。
「邪魔が入らなければな」
柊は息を吸い込み、天井に向かって炎の球を吐き出した。
「おいおい、何でもありだなお前」
椿が呆れ気味に呟いた。
炎の球は天井にぶつかり、吹き飛び、光が射し込んでくる。
「よし、行くぞ。しっかり掴まってろよ」
柊は大きく羽ばたき、落ちてくる瓦礫をものともせずに飛び出した。
「何だ!?何事だ!?」
飛び出した先には、とても広い部屋があり、突然の事に理解が追いつかず、慌てふためいている老人がいた。
老人は直ぐにこちらに気付くと落ち着きを取り戻し、椿を睨み付ける。
「貴様、勇者だな?洗脳魔法が効かなかったのか、それともその前に勘づいたか。まぁ、どちらでも良い。儂にこの様な無礼を働いてタダで済むと思うでないぞ」
「誰だお前。邪魔するんならお前も、うわっ!」
椿が驚いた声を上げる。
何故か柊が急に動き出したからだ。
〔 喋ってる暇はない、とっとと逃げるぞ〕
「なんだこれ!頭の中に直接聴こえるぞ!」
〔念話だ、鴉が喋ったらおかしいからな。それより顔を覚えられる前に逃げるぞ〕
「はいはい、分かったよ。じゃあなオッサン」
「待て、逃がさんぞ!魔法師団はまだなのか!」
2人が魔法師団とは何かと話していると扉が開き、ゾロゾロと杖を持った男たちが入ってくる。
「お待たせしました、王様!皆の者構えろ!」
「遅いぞ!ふふふ、残念だったな勇者よ。これで貴様は終わりだ、大人しく死ね!」
「やっぱり魔法使いの集団か。柊、どうする?」
〔無視して、突っ切る〕
「大丈夫かよ」
〔問題ない。俺は〕
「おい!『俺は』ってなんだ!『俺は』って!俺は大丈夫じゃねぇのかよ!」
〔魔法障壁張っとくから問題ない。多分〕
「だから、その『多分』って何なんだよ!」
〔そろそろ攻撃して来そうだから行くぞ。しっかり掴まってろよ〕
「大丈夫だよな!?本当に大丈夫なんだよな!?」
〔椿、五月蝿い〕
椿の心配を他所に柊は窓に向かって再び、炎の球を吐き出し、それと同時に走り出す。
「させんぞ!皆の者、撃て!」
「「「「《炎の矢》!」」」」
「うお!マジで撃ってきやがった!」
しかし炎の矢が柊に当たる前に見えない壁に阻まれ、四散する。
〔魔法障壁張ってるから大丈夫って言ってるだろうが〕
「そう言われてもな、アレはビビるぜ」
〔漏らしたか?〕
等とからかうと椿の顔が急に真っ赤に染まり俯いてしまう。
そして小さな声で「ちょっとだけ」と呟いた。
その反応に柊は、精神が肉体に引っ張られるというのは本当だったのかと炎の矢を防ぎながら場違いな事を考えていた。
〔後で下着替えなきゃな〕
椿の反応に少なからず動揺していた柊は見当違いな受け答えをし、急いでここを出なければと保護欲に駆られていた。
そして柊は魔法師団の方を向き、初めて《幻想魔法》を意識的に使う。
「《眠れ》」
すると椿はスッと意識を失った。
更に、
「《凍れ》」
そう言うと柊を中心に床、壁、人、空気、全てのものが凍っていった。
「な、なんだこれは!?やめろ!やめてくれ!」
「椿を辱めた罰だ。王なら王らしく潔く死ね。だが、お前を殺すのは最後だ。国民共が死に逝く様をそこで眺めていろ」
物凄い速さで凍っていく城。そして城下の街までもが凍っていく。
街では阿鼻叫喚が聴こえ、地獄絵図となっている。
遂にはアガナ王国は完全に氷と同化していた。
王は泣き崩れながら、叫んだ。
「どうして、この様な事をする!国民が何をしたというのだ!」
柊は心底呆れた様に言い返す。
「言っただろう、椿を辱めた罰だと。」
「それなら儂1人が償えばよかろう!儂が聞いておるのは何故国民までもが罰を受けねばならんのかだ!」
「連帯責任だよ。ここはお前の国だ、つまりお前自身でもある。だから『アガナ』と名の付く『アガナ国民』を殺した。わかり易くていいだろ」
「巫山戯るな!何処に王が気に入らないからとその国を滅ぼす奴がいる!」
「ここに居るだろ、俺だ。ああ、この姿では格好がつかんな」
柊は三度《無貌顕現》を使い、人の姿になる。しかし今度は黒髪紅眼の身長180cm位の執事服を着た男だ。
椿をお姫様抱っこで落ちないよう抱え直す。
「俺の名は柊、椿姫の執事だ」
「ヒイラギ、憶えたぞ。貴様は死んでも恨んでやる。絶対に、絶対にだ!」
「フッ。気が変わった、お前は生かしておく」
「どうした、怖気付いたか」
「ほざけ、お前にはこの惨事を他国に伝えて貰う。良かったな、寿命が伸びるぞ」
「誰が、自分で召喚した勇者に国を滅ぼされた等という戯言を信じるか」
「知るか、そうな事。自分で何とかしろ。俺はもう行く、じゃあな。頑張れよ」
「魔物に食われて死んで仕舞え」
最後に王の罵倒を聞き流し、壊した窓から飛び降りた。
「《飛べ》」
《幻想魔法》を使い、空を飛ぶ。
眠っている椿を眺めながら呟く。
「まずは、定番のギルドでも探すかな。フフフ、可愛いぞ、椿」
柊はシスコンに目覚めていた。
(。・ω・)ノども。さっきぶりです。
柊くん性格変わり過ぎぃ!
当初考えてたクールキャラが裸足で逃げやがって!
椿ちゃんもそうだよ!
こんな可愛いキャラでは無かった筈だぞ!
まあ、椿ちゃんに関しては寧ろこっちの方が可愛いけども!
これは文句言われてもしょうがないな‥‥
反省はしてるが後悔はしてないぜ!( *`ω´)キリッ
次回はギルドに向かいます。(ギルドに着くとは言っていない)
それでは!以下待て次回、続け!(・ω・)ノシ