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俺と私と三人目の僕  作者: 海産物Ver.2.5
第二章 不思議な力の話
6/11

第Ⅴ話

投稿が遅くてすいません。

できれば感想やアドバイス等、お願いします。

 教室につくとクラスメイトはほとんど席についていた。

 幸い、先生はまだきておらず、時間もぎりぎりだったので遅刻は免れたようだ。

 席につくと早速、隣の席の敏が話し掛けてきた。

 「よう。今日はえらく遅かったな。なんかあったのか?」

 「いや、あったにはあったんだけど........ははは、現実味が無くてね」

 「よく分からんのだが」

 「まあ、気にするなって。それよりさ、なんか先生遅いくないか?」

 「言われてみれば.......確かに遅いな」

 みんな席を立って騒いでいる。

 この時間は先生が来ていて、みんなシンとしているのに。

 「転入生がついてないからって......まだ待ってるらしいよ...先生」

 敏の後ろ、僕からして斜め後ろの菅谷美紀すがやみきさんがそう言ってきた。

 菅谷さんは髪をツインテールに結んでいて、眼鏡がよく似合っている。

 この間、眼鏡をはずしているのを偶然見たのだがかなり美人だった。

 菅谷さんを一言で表すならおっとりメガネっ子というところだろうか。

 「菅谷さん。あの、転入生って?」

 「聞いてなかったの.......寺岡君?」

 「先生の話ぐらいちゃんと聞いとけよな」

 「じゃあ敏が説明してくれよ」

 敏は腕を組みながら遠い目をしながら話だした。

 「.....あれは去年の五月頃だろうか.....って聞けよ!」

 敏がボケ始めたので僕は菅谷さんにもう一度尋ねた。

 「んで、転入生って?」

 「あ、うん。昨日ホームルームの時にね......今日来る転入生について先生が話したの。なんでも......帰国子女なんだって。だから自己紹介とか.....質問とかいろいろ考えてこいって」

 「ふーん、帰国子女ね.......」

 「どうしたんだよ」

 「いや、こう....寒気がね」

 帰国子女と聞いた瞬間、とある人物が頭の隅をよぎったのだが、まあそれは勘違いだろうと僕は思っていた。

 「静かにしなさい!」

 最近、彼氏に振られてしまったと噂の二十九歳独身、武智久美子(たけちくみこ)先生が八つ当たりするようないきよいでドアを開け放った。

 生徒たちは一瞬で黙り、それぞれの席についく。

 そして今か今かと転入生が登場してくるのを待っている。

 そしてこの妙な緊張感の中、先生は告げた。

 「中城さん、入ってきていいわよ」

 僕にとって聞き覚えのある名前が呼ばれる。

 き、きっと苗字が同じだけで違うよな。

 大丈夫、大丈夫のはず.....

 「はい」

 まるでアニメの声優のような返事が聞こえくる。

 入ってきたのはショートヘアで、すごく活発そうな女の子だった。

 そして僕はこの女子生徒を知っていた。

 「じゃあ、自己紹介して」

 「はい、わかりました。私の名前は中城千夏(なかしろちなつ)です。親の都合により、アメリカからこの日本に帰って来ました。好きなた.....」

 というように簡単に自己紹介をしていく千夏。

 僕はというと、小説を読むふりをして顔を下に向けていた。

 「......です」

 おい、趣味に僕とケンカすることことが入ってないぞ。

 千夏がよく自己紹介する時によく僕とケンカすることと言っていてことを思い出した。

 「ん、あれって.....」

 不意に自己紹介をとめる。

 「もしかして.....唯?」

 しまった、見つかったようだ。

 千夏が昔のことを暴露しそうなのであいつには気づかれたくなかったのだが.......

 「.........返事がない。ただの屍のようだ」

 「おもいっきりしてるじゃん!というか、やっぱり唯だよね」

 ちっ、誤魔化せなかったようだ。

 何がうれしいか分からんが、とてつもなく笑顔でこちらを見てくる。

 「中城さん、寺岡とはどういったご関係ですか?まさか付き合ってたりとか?」

 クラスメイトの誰かが質問した。

 あれは窓際の斎藤か。

 後で一発殴ってやらないとな。

 「残念ながらただの幼なじみだよ。すごく残念だけど」

 何が残念なんだろうか。

 男子のとてつもない殺気を感じた。

 千夏とはそんな関係じゃないのに.......

 ほんのり頬を染めているように見えたがたぶん気のせいだろう。

 今、千夏が言った通り、僕たちは幼なじみである。

 しかも家が隣だったこともあり、家族ぐるみの付き合いだった。

 まあ、小学生の時に千夏がアメリカに引っ越したからそれっきりなんだけど。

 「んじゃあ寺岡君、案内よろしくね」

 「え、ちょっとなんで?」

 「幼なじみと再会なんて、それなんのギャルゲーだよ」

 先生が恨みのこもった瞳で一瞬僕を睨む。

 しかし次の瞬間には笑顔に戻っていた。

 「いや、先生。それどう考えてもおかしいって.....」

 「おかしいと思う人は手を挙げてちょうだい」

 そう言うとクラスのほとんどが一斉に手を挙げる。

 敏もニヤニヤしながら手を挙げていた。

 なんてサイヤクな奴だ。

 今度、仕返ししてやる。

 「というわけです。よろしく」

 「よろしくね」

 「えー」

 面倒くさくなりそうな予感が........かなりした。

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