第92話 外伝⑧ ケビンの早とちり
大成が生まれた時に喜んで実家に写メを送ったのが間違いだった。
大成に家業・マフィアを継いでほしいという話だった。一応ハーフだし、英語も堪能だけど。俺は家業とは縁を切るつもりで日本に来たんだ。いや、Smith・Anderson international companyは継いでほしいよ?マフィアは遠慮したい。だいたい大成はまだ16才でインターナショナルスクールの高等部に入ったばかりだ。
この分じゃあ、大悟や大恵の情報も向こうは持ってそうだな。
「どうしたの?ケビン」
「実家が家業のマフィアの方を大成に継いでほしいらしい」
「大成ならうまいことやりそうね」
「だから余計に嫌なんだ。Smith・Anderson international companyは継いでほしいよ?できれば、秘書は大悟で」
「いいわね」
完全に俺の早とちりだった。
母国へ久しぶりに戻り、Smith・Anderson international companyでのCEOとしての仕事もこなし、実家に行った。
「うちの大成にはSmith・Anderson international companyのCEOを継いでもらうつもりです。次男の大悟はその秘書をと考えています」
「いいじゃないか!」
はぁ?大成にマフィアの方を継がせる気でいたんじゃないのか?
「何を言っているんだ?お前は家出同然で出て行ったんだぞ?Smith・Anderson international companyのCEOという役職だけがお前の財産だったんだ。それが家族ができて、感激だ!マフィアの方はもちろんお前の兄の子が継ぐに決まっているだろう?」
膝から力が抜けて崩れ落ちるかと思った。良かった。俺の家族がマフィアになったらどうしようかと思った。あんな血生臭い世界…。
日本に戻って俺の早とちりで空回りをしたと大海と話した。
「手紙、よく読んだの?家業を継いでほしい。って書いてあるから、てっきりマフィアの方だと…。実際に実家で話したら、Smith・Anderson international companyの方で秘書を大悟に頼む予定っていう事も話した。なんか喜ばれた。俺に家族ができてたことも喜んでたよ」
「そうなの?それはよかったわ。貴方と結婚して、子供を産んで良かったわ」
「増やす?」
「もう十分でしょ」
アメリカンジョーク的なのか本気なのか知らないが、怖い。子供達はもう中高生だし、私の年齢的にももうアウトです。
のちにSmith・Anderson international companyは大成と大悟の二人で更なる大企業へと変貌を遂げる。




