第6話 赤川は古狸①
さて、赤川の金の動きを見たいところだけど、赤川内部の帳簿ってないのよね。ここにある帳簿から推理するしか方法はないけど……。
「過去20年分の帳簿を持ってきてくれるかしら?」
「喜んで!」
若い衆って私に心酔してるから、操りやすくていいわぁ。
で、過去20年分の赤川の上納金をPCでグラフを作りましょうか。
ん?15年前に突然上納額が変化。一時上昇してる。その後も多めの金額をキープしてる。他の組とも比較してみよう。
他の組は上納金の金額に大きな変化は見られない。赤川だけが…。15年前と言うと…大雄さんが組を継いですぐかしら?上納金でアピール?その時は確か大雄さんが14才だったって聞いてるから。リコは4才?どう考えても恋愛感情とか特別な感情を持つことはないでしょう。持つとすれば妹?10才年下は14才的にナシでしょう?
でも、特定の傘下の組を可愛がることは良くないから、それもないかなぁ?
突然収入源ができるってのは考えにくいから、先代の頃から上納金にすべきものを懐に入れてたんだろうな。で、大雄さんが組を継いだのを機にちょい出しみたいに上納金を多く入れるようにしてると考えるのが無難かな。
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その頃の白虎商事
「CEO、お昼の時間です。休憩も大事です。少しは休んでください」
「お、おお」
新橋もいっぱしの口を利くようになったな。
赤川の調べる方はできているだろうか?まあ、俺のユキなら大丈夫か。
「昼食後の予定はどうなってる?」
「えー、14時からRR(red river(赤川) の頭文字)カンパニーと会食となっています」
そこに偶然赤川リコがいるって寸法か?古狸だな。
「まぁ、社食で美味いものでも食うか~!」
朝食をユキの手料理が食えない俺の唯一と言っていい楽しみだな。
その時、火災を知らせるサイレンが鳴った。
今朝、うちの屋敷の調理場で起きたことを考えると、あの小娘が単身でこの会社の社食に乗り込んできた可能性が高い。
調理場から話し声が聞こえる。
「なんだい?『料理が得意なので、一日だけでも雇って下さい!』とか言ってたのにこのザマかい?火災報知器まで鳴らせてしまって。あーあ、消防車まで出動させちゃったよ。本当に火事になった時に消防車がノロノロ来てしまうかもしれないねぇ」
「すいません、すいません。まさか、イカを油に入れるだけであんなに油がはねると思わなかったので」
「嘘だろ?常識だろう?本当に料理が得意なのかい?もう首だね。とっとと出ていっておくれ。あんたは調理場にいるだけで色々と厄災がやってくるよ」
流石に小娘も落ち込んでいたが俺を見つけると、「大雄さぁん!」と駆け寄ってきた。ここでは俺が極道だという事は極秘となっている。
したがって、この小娘の行動は迷惑以外の何物でもない。




