第48話 大輝、カムバック
どうして大輝はあのけしからん胸を持って生まれたんだろう?
職場で結構比較されて私も結構迷惑被っている。セクハラなので、退職金を減額したうえで自主退職してもらった。
若いうちはいいかもしてないが、そのうち重力に負けてしまうだろう。筋トレを勧めよう。川野だって重力に負けることを望んでいないだろう。
所詮は脂肪の塊なんだけど、男は好きらしい。
何故だろう。ネットでの漫画ではヒロインだろうとサブキャラだろうと、女性キャラはみんなけしからん胸。
並みじゃいけないのか?私は貧乳ではないと思う。けど大輝と比較されるとなぁ。
イカンイカン、仕事中。大輝のけしからん胸の事を考えている場合じゃない。というか、大輝が在宅になってから仕事量が増えた。
「秘書長!何でこんなに仕事がある?」
「やはり、大輝さんが抜けた穴が大きいかと…。在宅で仕事をしてくださっているとはいえ、限りがありますからね」
大輝…カムバック!あー、大斗を保育園に入れれるようになるまで無理かぁ。ん?他の部署でも産後に在宅で仕事をしてもらってるけど…って苦情があったな。職場内に子供を預けることが出来る施設が出来たら?
よし、この事を今度の会議で話そう。
「何を提案なさるかと思ったら、そのような事。女性は結婚したら大人しく家庭に入ればいいんですよ」
時代錯誤の保守派。
「今どきそんなことを言う方がいるという事に驚きです。実際に秘書室に一人在宅で仕事をするようになったせいで、私の仕事が増えたんですよ。今までは余裕で定時帰宅が出来ていたのに、毎日残業。職場内に保育施設がある事で母親は安心して仕事が出来ます。世の中では待機児童などと騒がれていますが、そんな心配もありません。さらに、雇用の拡大。社が保育士を雇用することになります。社として免状も必要となってくると思いますので、その件の方は全面的に私が取り仕切ります。最初は赤字でしょう。新しく保育施設を作り、保育士を雇用するのですから。しかしながら長期的に見ると、産後も仕事ができるなら…という理由での新規の雇用も増えるでしょう。保育士の質も向上、そうすると黒字に転換するのです」
「そんなのは机上の推論だろう?」
どこまでも時代錯誤な頭の固い親父。
この親父はそのうち退職するから関係ないんだろう。どれどれ、大輝に何者なのかを調べてもらった。
「貴方はいいですよね。営業課の部長ですもの。外回りをしている社員を横目に夏場はエアコンの効いた社内で社員が持ってくるデータを精査することが仕事ですから」
会議の場がざわざわとし出した。
「私からの提案は以上です」
あの頭の固い親父もさっさと自主退職願おうか?もちろん退職金は減額して。
なんとか大輝が職場に戻ってきてくれたらいいなぁ?と思いながら家路につく。朔斗が恨めしい。




