第17話 二人の気持ち
数カ月経つとお腹も目立つようになるもので、傘下の組長からも何かと言われるようになった。
「姐さんがこの組に来て、もう5年近くですか?変な膿のようなものも出して頂き嬉しい限りですな」
と言うのは赤川組長。
変な膿は赤川組長自身なんだけど、証拠がないから処分できないんだよね。赤川のところにある帳簿に書いてあるだろうけど、私には見る権限がない。
「いやぁ、早く四代目を産んでほしいものですな」
赤川が言うには、「5年も子供産んでなかったのか?産むなら跡継ぎである男の子に限る」という事を暗に言ってるんだけど、地味に攻撃的だなぁ。と思う。こういうのってマタハラってやつなのかな?
「あたしは元気な子を産むことにしてるんだよ。赤川が気に病むことじゃないさ」
で追い返す。帰ってほしい。赤川リコが産んだ子と私が産んだ子を結婚させる計画もあるらしい。そんなものは知らない。糞狸。親戚になりたくないからお断り。
「姐さん、今日はもう体調の具合からお休みになられないと…」
「わかったよ。そういうわけだ。用もないだろ?赤川はお帰りになって下さいな。それじゃ、先生行こうか」
私は蘭さんと屋敷の奥の方へと行った。
「はぁ~、あの禿おやじはしつこいなぁ」
「ユキさんにアタックしてくるんですか?」
「違う違う!あいつはこの組の実権を握ろうとしてるの。かつては娘をどうにか姐にしようと画策してた。今は娘が産んだ子と私が産んだ子を結婚させて組を乗っ取ろうとしてる」
「あの人…、多分長生きしないですよ?肝臓がやられてますね、確実に。飲み過ぎじゃないですか?」
「実権を握る前に死んじゃうんじゃあなぁ。それより!新橋とうまくいってるの?」
私は結い上げた髪をほどきながら、蘭さんに質問した。蘭さんは頬を染めて、自身の髪を弄りながら、「ええ、まあ」って答えた。
うーん、二人の関係はどんなもんなんだろう?
「単刀直入に聞くんだけど、二人の関係はどこまで進んだの?体の関係になった?」
「私は龍二さんとこのまま生きて行ってもいいなぁって思います。だから……」
「つまり、新橋の方が渋ってるわけだね?」
「そうなんですかね?」
「そうだよ!」
「ユキさん、あまり興奮しないできちんと休んでください‼」
私は横になったまま考えた。
大雄さんが言うよりも、元・カタギの私が新橋に言った方がいいかな?このことは。
そういうことで、帰宅後の大雄さんの許可も取り、新橋には私から話をすることにした。
「新橋、蘭さんのことだがねぇ。お前はどんな気持ちで付き合っているんだい?」
「できるなら添い遂げたいですよ。でも彼女はカタギですよ?」
「それがどうしたんだい?彼女の気持ちも聞かないで。ただ断られるのが怖いだけだろう?違うかい?」
新橋は俯いて黙って考え込んでしまった。
「話は以上だ。あんまり起きてると、私は蘭さんに怒られちまうんだ」
そう言って、私は自室へと戻りました。




