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第6話 買い物へ


そうして、妖杖を購入し俺たちは店を出た。

 店を出た途端また元気な商売人の声が聞こえてくる。


「刀剣セール中だよ!」

「姉ちゃん、買ってかない??」


 それをかき分けてヘルはどんどん進んで行く。


「ヘル!次はどこ行くんだ!」


 先程の杖を入れたカバンを無くさないように握りしめ、俺は叫ぶ。

 すると少し遅れてガヤガヤのなかからヘルの声が聞こえてきた。


「服を買いに行くんじゃ!」


 ヘルは服に無頓着だと思ってた。なんかずっと露出多めの格好だし。

 意外と感覚は女の人なんだな。


 5分くらいヘルを見失いかけながら進むとある服屋に着いた。そこには店頭に服が沢山並んでおり、そこの服をヘルは物色する。

 服を探している姿は元いた世界で見たJKそのものだ。


「ハルキ!これどうじゃ!」


 急にヘルは俺の方を向いて身体に服を当てて見してくる。薄いピンク色のヒラヒラの付いたドレスのような服だ。

 こんな服が好きなのか。思ったよりカワイイ系だぞ。


「あ、あぁいいんじゃねえか」


 その姿にみとれていた俺は返答を忘れてしまっていた。

 可愛いな、こいつ。


 俺の言葉を聞いたヘルは喜んで、それを即買った。


「ハルキの服も買うんじゃ」


 買ってからすぐ、ヘルはまた漁り始めた。


「妾が選んでやろう!」


「ありがとう」と言い、俺も服を探し始めた。

 ヘルの楽しそうな顔に俺は満足だ。こんな人が最強の魔王だなんて思えない、ただの普通の女の子に見える。

 すると、また急にヘルは俺の方に向いた。


「これどうじゃ!」


 そうしてヘルは服を俺の体に押付けてくる。

 サイズはぴったしそうだ。

 襟元には金色の刺繍。中世の商売人のような格好で動きやすそうだった。これから戦いがあることなども考えてるのだろう。


「おおカッコイイなこれ」

「そうじゃろ!買ってやる!」


 ヘルはまたその服を即買った。

 なんだこの可愛い生物は。


 そうして袋に入れてもらい、俺たちはその店から離れた。


「ヘル、今日はもう終わりか」

「そうじゃ、あとは帰るんじゃ」


 そういい、ヘルは腕を振る。


「ハルキ、どうじゃった?」


 正直、めちゃ楽しかった。初めてのことばっかりだしなによりヘルの意外な一面が見れたんだ。


「たのしかった!また来たいな」


 その言葉にヘルは喜んでいるようだった。

「また来るんじゃ」と小さく言って通りを歩き続ける。


 その様子を少し離れたところから銀色の腕章をつけた軍服の人物がじっと見ていた。

 

 

 


 

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