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第3話 魔王大戦


「まず俺ら、何するんだ」


 俺の言葉にヘルは考え込むそぶりを見せた。


「ううん、そうじゃのう。その服はここに合ってないから着替えるんじゃ」


 そういうとイヴに「案内してあげて」と小さく言うと、イヴはこちらに近づいてきた。

 俺の先導をして更衣室のようなところへ案内してくれるらしい。


 薄暗い廊下を歩きながら俺はイヴへ話しかける。


「そういえば、イヴ。なんでヘルは最強って呼ばれてんだ」


 そういうとイヴは微笑んだ。


「強いからですよ、誰よりも」


 その理由を聞きたいんだけどな。

 俺の思いを察したようにイヴは続きを話し始めた。


「2000年前に起こった魔王大戦をご存知ですか?その戦いは名前の通り全魔王同士で戦い合ったのです。そこにはヘル様ももちろん参加しました。しかし仲間だった者の裏切りにより一時はヘル様対他の全魔王という構図となりました」


 イヴが話している間も俺たちは歩き続ける。

 廊下は先が見えず、吸い込まれるような雰囲気だ。


「そして、窮地に追い込まれたヘル様は覚醒しました。一気に他の魔王を皆殺しにしたのです」


 あいつ、まじか。はじめに見してもらった魔術の時から思っていたが只者じゃない。


「皆殺しにしたってそのほかも全員強い魔王だったんだよな」


 俺の問いにイヴは静かに頷く。


「その通りです、その中には当時、世界最強と呼ばれていた魔王もいました。が、それも殺してしまったのです、1人で。その頃からいつしか最強、という言葉はヘル様のことを指し始めました」


 最強を倒して最強に、か。最高にかっこいいじゃねえか!いやあ、そんなやつだとは思わなかった。


「だけど、イヴ。そんなに皆殺しにしたらヘルのこと恨んでるやつも多いんじゃねえのか」

「はい、たくさんの人間、魔王がここを狙っています。人間がかけた懸賞金だと過去最高らしいとか。だから、ヘル様にはご友人がおられないのです」


 さっきの言葉の意味はそういうことだったのか。

 ん?みんなここを狙う?懸賞金?


「ちょっとまってくれ、ってことはここ、この世界で一番危ない場所なんじゃねえのか」


 そういうとイヴは笑みを浮かべた。


「そういうことになりますね、しかし心配はいりません。世界でいちばんの懸賞金の代わりにここは、世界でいちばん難しいダンジョンなのです。実際、ここまで辿りつけたのは2000年で1人もいません」


 はぁ、よかった。転生してすぐ死ぬとかはごめんだからな。

 

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