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呼吸
すうっはぁっ
ピッピッ
「‥」
何度か誰か説明に来た。
「明日、気管挿管を外すから自力で呼吸して下さい。酸素はここから出ています。」
みたいな話だった
「すぐに声を出そうとしないように‥声帯がつぶれてしまいます。」
ヨダレを取っている管を外すから、ゴックンしてみて下さい。
(ゴックン‥?あぁ唾の事か。)
「苦しかったら、酸素の管から息を吸って下さいね。」
グボボッ
一瞬で管が抜かれた。
一瞬気を抜いた隙に喉から管を抜くなんて柔道の技みたいだ。
鼻に差し込まれた管から冷たい空気が出てくる。
(俺、自力で息してなかったのか‥)
ピッピッ
これが酸素ね。
息は出来る。
バナナは心電図をチェックして、また緑を見せてしばらくしたら去っていった。
「順番に管が抜けますよ」
どうやら俺は管まみれらしい。
ヨダレの管が取れて口は楽になった。
鼻に管が入ってるが。
バナナが謎のボタンを握らせて、何かあったらボタンを押せば来ると言う。
指しか動かせないから、握ったボタンを落としたら終わりだ
周りに人が居ても無人島にいる感じになってしまう。
形のわからないボタンを硬く握りしめた。