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短編集

月の裏

作者: 豆苗4

悪魔が赤い血啜ったら

俵が珊瑚を恨み出し

ネズミに大蛇の行進曲

進めど進めど凍った泉の

逆巻くヤドカリたまたま落ちて

ナメクジ悠々つなわたり

壁の傷はひび割れ裂けて

覗くは青いカラスの尻尾

ビー玉ぽちゃんと落としたら

脳に沢庵すげ代わり

緑の鉛は燃やせ焚べろ

先っぽ蜘蛛に届かんために

口から足を引きずり出して

厠に画鋲が重たく詰まり

どんどん馬は名前を忘れ

残すは亀の頬杖ばかり

お空にお日様昇ったら

魚の尻尾が削げて割れる

包丁片手に奥戸へ田んぼへ

近所の火災に轟々照らされ

顔に浮かぶは歪んだ刺繍

花びら千切って酒盛り始め

向かうは昨日の片時雨

眠れぬ宵にトンネル叩いて

割れんばかりの拍手万雷

ちらりとナズナを見やるとすぐに

笑っているのは福の神

紅色の花に淀んだ泉

淡い斑点節々散らして

唄っているのは枯れた柳につむじ風

提灯下げて待てど暮らせど

道の老婆は隅に佇み

めだかは家の在処を忘れて嘆き

ぐずる赤ちゃん手にはおもちゃ

サイはいつもお腹を空かせ

ブレーキ壊れた車で二匹

欠けた額縁蹴散らして

鍋には魔女のグラスとレコード

湯気は真っ直ぐ影を取り込み

然れど肉は月夜を眺めてばかり

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