第四話 放課後①
〜放課後〜
放課後になり、莉絵は部活に行ってしまった。特にやることもないし、仲の良い他の友だちがいるわけでもないため、帰ることにした。ただ、私には一つの趣味がある。それは…
「ついた〜。丘虹図書館。」
私は、よく本を読むのである。特にすることもないため、高校生になってからは、テスト期間以外、ここに通い詰めである。(丘虹という地名は、小高い丘がこの街の端に存在し、そこに虹がよく掛かることから来てるんだとか。)
「今日は、何読もっかな〜。ん?あれは…」
そこにいたのは、実太のファンクラブの会長と言われている”朝雛奏音”さんだ。ただ、ファンクラブは実在するわけではなく、みんながファンクラブと読んでいるだけだが、その中でも中心に立っているのが、朝雛さんだ。
「!!」
朝雛さんは、私を見るなり怒ったような顔をして出ていってしまった。どうやら私は嫌われているらしい。
私なにかしたかなぁ〜…?
「まぁいいや。さて、何読もっかな〜。」
〜20:00過ぎ〜
「あちゃ〜思ったより時間立ってた〜。21:00には帰らないと怒られるんだよな〜。」
実はここから家に帰るには、30分以上かかるのである。こんなときは…
「もしもし?今から、丘虹図書館まで、迎えに来てくんない?近いでしょ〜?」
そう電話をかけるのは、幼馴染の実太だ。実太は運動部を少々兼部(助っ人的な立ち位置)していて、この時間まで学校にいることは珍しくない。学校からここまでは五分もかからない。ほら、リムジンが来た。こーゆーとき幼馴染は便利である。
この”朝雛”という名字は実在するらしく、全国でも10人ほどらしいです。作者も調べてびっくりしました。