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ネットでバズるような場面に何度も出遭った無職が考える「そういう場所」

作者: 日野泰雅


 昔の人が言っていた。「水は低きに流れ、人は易きに流れる」と。

 さらには「流れる水は腐らない」という言葉も残している。

 そして出典は知らないが「淀む水には芥溜まる」ということわざがグーグル検索の関連に出ていた。

 つまりはそういうことである。


 水と同じように人間も腐っていくものだ。主に精神性が。


 無職を××年経験している僕だからこそそう言える。否定する人は最低でも無職10年やってこい。そうしたら耳を傾けてやる気にはなる。

 底辺の視界を見てない者や、社会からゴミのような扱いを体験したことのない者の言葉などすべて空言でしかない。勝ち組が「なんたら支援」を考えてもたいした意味や結果を出さないのはそういうことだ。いやあれはお金を色んなとこに流すための理由付けだろ、とかそういうことは別に今は考えなくていい。

 最底辺を経験して、それでも真っ当な状態でいられたらそいつは信用できる。これなんの話だよ。


 こんな余計な文章はタイトルから来た人には関係ないだろう。



 とはいえ、具体的な場所(施設名)が書くことは難しい。

 なぜかといえば、それは「地域にも依ること」だからだ。現実問題として地域・地方によっては差が出てしまう。


 僕は都心部のことしか知らない。なのでここで地方と事情が違う場所を書いてしまうと嘘になってしまうわけだ。加えて言えば時間帯すら関係がある。時間って結構重要なんよ。レアモンスターが深夜早朝にしか出ないみたいに。早朝(4~6時)は徹夜明けのテンションが醒めてないのとかいるけんの。


 なので、本質だけを書く。


 一言で言えば「精神性が底辺の人間を見つけ易い場所」である。

 察しの良い人や賢い人ならばこれで通じてしまうだろう。賢い人ならばバズる動画の1つや2つ簡単にもう撮っているかもしれないけれど。


 噛み砕いて書くと「他者にマウントを取りやすい場所」「欲望に流されやすい場所」だ。


 これはまともな精神性──他者(社会)から人間性が疑われるかどうかを自己に問える精神性──を持っていれば、まずしないであろう行動を見られる場所だ。ネットではよく見られるが。


 とりあえず出来るだけ具体的に書く。


 第一に「お金のかからない場所」か「安い金銭での場所」だ。

 ネット(主にtwitter)でよく見かける場所である「電車内」もこれにあたる。

 電車というのは万民に開かれた場所で、なおかつ誰にでも金銭を要求した閉鎖空間にあたる。

 不思議なことに、人は「お金を払う立場になった」と感じると、偉そうな態度に成り易いという。金額の大小に関係はない。精神性の低い者というのは、自分を律するという高度な精神的活動を行わないためにそうした心理的作用を受け易いようだ。

 これは電車に限らない。電車以外で言えばコンビニがあがる。ただ品物を買うだけのくせに、なぜか偉そうな態度を取る人間の炎上が度々あったのが思い出される。

 そして炎上ほどではないにしろ、わりと話題に出てくる「飲食店で店員・バイトに横柄な態度をとる」がここになる。



 第二に「相手が逆らい難い場所」だ。

 第一の条件と似たものではあるが、こちらはもう少し範囲が広がる。

 こちらにあたるのは税金で運営される、いわゆる「公共施設」だ。「役所」とか「図書館」とか。

 こうした場所で大声をあげる人間は、「絶対に相手が強く出られない立場だ」と勘違いしているものだ。問題を大事おおごとにしてほしくないだろ、と。ああした場所にいる人間がすべて「公務員」だとでも思っているのかもしれない。市から丸投げされた派遣が対処しているとか考えもしないのだろう。

 こうした施設で労働者(公務員や派遣社員)を攻める人間には何かしらバック(市や国が強く出られない組織)があるのかもしれないが、やたらと強気どころか喧嘩腰になる。どんな態度をしていても御咎めなしなら、そらね。

 これが一番地域差が出るかもしれない。



 第三は「インスタで盛り上がる場所」になる。別にインスタでなくてもいい。これは上記の2カ所と違い、思想や思考が単純なものだ。


 要は「ハメをはずしやすい場所」を考えればよい。


 一昔前であればタピオカが流行りその周辺では写真を撮られたタピオカが棄てられていた。いつ頃かは忘れたが、TDLの何かの場所が映えるとかで話題になっていた。

 あるいはイベント会場の周辺というのもある。ライブ会場の待機列が過ぎた後なんかは、ファンがどの程度のものかよくわかるかもしれない。酒の缶とかポイ捨てタバコとか、中にはアーティスト名の入ったファンアイテムすら捨てる輩もいる。それがファン全体の民度ではなくても、そういう層も抱えているんだという話。

 盛り上がる場所というのはそれだけで人を狂わせる。日常が常識的であっても、そのときのテンションで普段はしない行動をとらせてしまう。日本には古来より「ハレとケ」なんて言い方もあるくらいだ。祭りとはそういうものなのでおかしくはないことなのかもしれない。

 他者にとっては平時であっても、当事者はファナティックな精神状態になっているということだ。客観視できる程度に後になって思い返すと「なんでこんなことしたんやろ……」と思い返すアレである。後悔だから先にこないヤツ。



 上記3点を抑えて考えれば、ネットでバズるような場面に出遭えるのは明らかだ。

 そうした貴重な(?)体験をしたい人がいたら、そういう場所に行ってみるとよい。狙って行けば確率UPの状況で出遭えるであろう。それでどんな事になっても自業自得だが。



 ぶっちゃけ言うと、長い無職生活の中で「動画を撮っておけばメディアにたかられて再生数そこそこいったやろな」みたいな場面に過去幾度となく出遭ってきた。つべ(YouTube)の広告収入が減らされる前とかよりもっと前の、YouTubeが流行る前からである。所詮つべとか06年からだし。


 じゃあやっとけよと云う人がいるかもしれないが、僕はリスクというものを出来得る限り回避したい人間で、バズることに価値を持てない人間であって、重要なことを言えば咄嗟にスマホで撮影とかできないおっさんである。そんなわけでヤバい場面に遭遇しても一度も撮影なんてしたことはないし、ネットに漏らしたこともない。マジで現場に居合わせるとわかるが、価値観が(常識や法的なとこから)ズレまくった人を目の前にするとかなり怖い。おまいうではあるが。


 なんでそんな場面に、人生で何度も出遭わなければいけないのか。僕が最底辺の人間である限り避けられはしないのであるが。



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