姉弟
翌日もシオンと2人で遊ぶことになった。
遊ぶと言っても使用人向けの口実で実際は
昨日思い出話に夢中になり時間が足りずに話せなかったゲームの話や今後のことについての話をするためだ。
「シオンよく聞くのよ。ここはねゲームの世界なの、、
私が愛してやまなかったユアプリの世界なのよ!」
「えっ急に何言うんだよ!!
ここがゲームの世界?結がめちゃくちゃ課金してた
あの乙女ゲームってこと?」
「そうなのよ!私今回はヒロインじゃなくて、
悪役令嬢になっちゃったのよ!どうしましょう、、
処刑されちゃうわー!!!」
「!?!?ッ ゲームっていうのはわかった!
でも、なんで乙女ゲームで処刑されるまでなるの?」
「それは私が1番聞きたいわ!
私の婚約者になる予定の第二皇子と
ヒロインがくっついたら悪役令嬢の私が
処刑されるエンドだったのよ!!」
「残酷な乙女ゲームだね(笑)」
「ちょっと!笑い事じゃないだから!!
私調べたいこともあるし書庫に行ってもいいかしら?」
「ごめんごめん(笑)
そーだね僕も一緒に調べるよ」
2人で書庫に移動してこの世界について書いてありそうな本は手当たり次第調べていった。
「うん。やっぱりどう考えてもゲームの世界ね。」
「結がキャーキャー言ってたキャラの家あるね。
ドルド家だったよね?」
「爽えらいわ!ハインツ・ドルド様!
よく覚えてたわね」
「あんだけキャーキャー言ってたら、
嫌でも覚えるわ(笑)」
「ハインツ様に会いたいわ!
今6歳のはずだから貴重な幼少期のはずよ!
めちゃくちゃ拝みたいわ!!!!」
「はいはい。思ったんだけどさ、
このゲーム日本とかアメリカとかイギリスとか
前世の世界の話出てくるんだね!」
「そうね。中世ヨーロッパをモデルにしたゲームで、
ゲームの中に出てくる国とか人物はオリジナルだったんだけど、それ以外は私達のいた所と何も変わらないっていうか、私達が前いた世界にジェフェリー王国もあるって考えた方が早いのかしら?
だから英語・フランス語とか物語にチョロって
出てたのよ。日本語もあるとは思うのよねー」
「うーんなんとなく、理解した。
直接的に実際ある国は出てこないけど、
国の文化はゲーム内に登場する感じなのかな?」
「うん、そんな感じね!
私もゲームだからってそこまで考えてなかったわ。
ハインツ様がいるかいないかだけだったから、、
ダメね私、、」
書物をあさりながら2人の会話は進む
「すごく今更なんだけど、、
この話他の人に聞かれるのまずいんじゃない?」
「確かに、、そうね、、聞かれてたかしら、、」
そう言いキョロキョロしだす2人。
「少し心配だけど、今からは気をつけよう。
そうだ!秘密の話をする時は日本語で話しをしない?
今話してるのは、多分ギリシャ語とかラテン語だと思うんだけど」
「まずこの世界に日本語の文化が伝わってるのかしら?文献とかにもない言葉を使ってるとそれこそ怪しまれるわ!」
「日本の文献それはもう見つけました!(笑)」
「!?仕事が早いわね!」
「でしょ!日本語で話をしてるところを見られても
書庫でこの本を見つけて興味を持ち習得のため
2人で練習してることにしたらいいんじゃないかな。」
「あなた天才なの!?」
「もっと褒めなさい!」
「それはなんか、、いやよ!でも、
今後はそうしていきましょう(笑)」
『じゃあ今から日本語ね!』
『やっぱり喋れるもんだね、前世の記憶ありがたい』
『そりゃあ喋れるでしょ!
日本で何年生きてたんだよ!』
『確かに(笑) それより、私の処刑もだけど、
シオンのルートもあるんだよ!』
『えっ!?俺もなんかあるの?なんで?』
『シオンも攻略対象だから!じゃなきゃこんなにビジュアルいいわけないじゃん!!』
『前の俺がビジュアル悪いみたいに聞こえるわ、』
『系統が違うからねーアジアとヨーロッパではアジアでは爽もイケメンだったよ!たぶん、、、』
『オイッたぶんってなんだよ!たぶんって!』
『もう!そんなことより!シオンのルートの話でしょ!
ざっくり言うけど、シオンは幼少期からの家族からのいじめとかで、孤独に苦しみながら生きてるところにヒロインと出会いその孤独と悲しみから解放してくれるヒロインに惹かれ恋に落ちるのよ!』
このストーリーめちゃくちゃいい話だった!!
『確かに今までのシオンは孤独だったけど、俺もう孤独じゃないじゃん!
侯爵夫妻は無理だったとしてもオルビアがいるし、
孤独じゃなくない?』
『確かに!でも、ゲームの強制力とかあるんじゃない転生あるあるでしょ!』
『転生あるあるって、、結転生何回目だよ、、
まぁゲームの強制力があるとして、オルビアになんかあったりするの?』
『いや、ゲーム通りだったら何もないんだけど、、、
シオンこれだけは約束して。ストーリーでねヒロインと仲良くなるのはいいんだけど、シオンには婚約者がいるからさその子の扱いが雑になったりするのね、その婚約者が可哀想で仕方がなくて、だからシオンがシナリオ通りにヒロインに恋しても婚約者のことをなるべく傷つけてほしくないの!!』
『待って、シオン婚約者いるの?』
『いるでしょ!侯爵家の後継者なんだから!』
『わぁー想像できないわー、でもなんでその婚約者のことそんなに気にするの?』
『当たり前でしょ!誰だって婚約者からひどい扱いをされたくないでしょ?しかも、今私はその子と将来同じ状況になるんだよ!気にするに決まってる!』
『わかった、わかったから、、
今日言われたこと覚えとくよ!でも、ヒロインに惚れるとかあるのかなーそんなに可愛いの?』
『まぁヒロインは基本プレイヤーだからねー
でもスチルで見た後ろ姿とかはやっぱり美人だと思う。』
『ふーん、まぁ10年後だから気長に対策しようぜ』
『確かに、でも私達だよ?余裕ぶっこいて何もできなさそう、、(笑)』
ガチャンッーー
「オルビア様、シオン様、こちらにいらっしゃいますか?」
ここまで話していると、メイドが私達を呼びに来た、シオンと話してると時間がすごく短く感じる。
今日はとりあえずシオンに伝えたかったことは全部言えたからよかった!シオンの言っていた通り10年もある!
それに強い味方もできたし。きっと大丈夫!
日本語での会話は『』←こちらで表記させて頂きます。