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聖女ちゃんは免れたい!〜力の為のR18展開なんて断固拒否します〜  作者: そらいろさとり


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59.聖女ちゃん養われる?





 もふもふもふもふ……


「あったかぁ〜い。でも帰りたぁ〜い」


 まるっと一晩天然羽毛百パーセントで寝かしつけてもらい、朝が来た。



 野生の生き物特有の匂いとかそーゆーのはなく、心地よい森の香りに囲まれて、今日もぴよぴよ、あすもぴよぴよ。


「いや、明日まで長引かせたくないわ」


 しかし押そうと引こうと飛ぼうと……なんとか逃げようとして、押せば押し返され、引けば逆サイドのカロッコウに止められ、飛べばクチバシで捕まれて巣へと戻されてる。


 唯一の有難さは、カロッコウの主食が木の実やフルーツであること。

いかにわたしと言えど、生の虫は遠慮願いたかったので、赤いリンゴロが運ばれて来た時は嬉しかった。心底嬉しかった!

 他の兄弟たちは口に直接運ばれてたから、虫を直接クチバシでわたしの口に生虫突っ込まれてたら流石に泣くか死に物狂いで倒すかしてたと思う。


「いや()()()()じゃないわ。……ねぇみんな、見ての通りわたしは人なの。家族……は、今は離れてるけど、友達とか、す・好きな人とか、心配してると思うのよ」

「ピヨピヨピ〜?」

「そ・そりゃぁ好きって言ったって片思いだけど!?いいじゃない!心配してくれてるって思っても!!」


 勢いよく返された言葉に思わず言い返せば、その羽で肩を叩かれ「ピヨ〜……」と、同情される。


「嘘じゃないもん!!多分きっと心配はしてるよ!?それに同室の子なんて親友だし!きっと今頃探してまわってくれてるんだから」

「ピヨピヨピ〜ヨ〜!」

「それに他に両親や弟もいるんだから!!だからわたしはここにいる場合じゃないの!それに魔獣だって……倒さなきゃ駄目なの。みんな、わたしがやらなきゃ困っちゃう……」

「ピヨピ〜?」


 下を見るわたしを覗き込む様にカロッコウの雛が覗き込んでくるのに「心配してくれてありがと」と笑顔を返す。



「ピヨーーー!」


 親愛の表現なのか甘く突かれて髪がくしゃくしゃになるけど、なんだかじゃれつかれてるのは少し可愛いとえへへと笑ってしまう。



「………何してる?」

「!!」


 カロッコウの巣のある隣の木から声がして、カロッコウの影に隠れて慌てて外れてたマスクをつけてそちらを見れば、


「偽聖女さん!」

「……そうやって呼んでたの?」

「だって聖女様って呼んだら、それはわたしだって言われたし……」


 思わず失礼な呼び方になってしまったととカロッコウに隠れて「ピヨピヨピヨ〜」と鳴いてみる。



「仲良く遊んでただけなら心配要らないね」

「ごめんなさい!助けて下さい!めっちゃ愛されて逃げられません!!」


 顔を出して両手を合わせてお願いすれば、仮面の下の……呆れた様な口元が見える。



「それにしては意志が通じ合ってたみたいだけど?」

「一晩一緒にいたらなんとなく……、でも助けてぇ〜〜偽聖女様〜〜わわわわっ」



 お願いすれば、ピヨピヨと周りにから押されてカロッコウの雛たちに隠される様にそのふわふわに埋められてしまった。



「ちょ……!?」


 隙間から見える偽聖女様は慌てた様にその中心へ……わたしに向けて手を伸ばせば、一匹の雛の頭突きで空へと飛ばされる。



「鳥ふぜいが……!」


 カチンと来たらしい偽聖女様が拳を握った時、その背後からガチギレ特攻カロッコウの親鳥が、魔蜻蛉を消した時の如く突っ込んでくるのが見えた。



「危ないッッ!!!」


 私は意識するより早く子カロッコウの隙間から飛び出して、一匹の背を駆け登りその頭を蹴って偽聖女ちゃんを抱きしめて横へと飛ばせば、間一髪で親カロッコウの蹴りを免れるが親カロッコウはこちらを見て「カロッコーーーー!!!」と叫ぶ様子はまた怒りが収まってないのだと告げている。



「え!?あっ、雛蹴っちゃったから?」

「いや、雛が逃げたからじゃない?」

「ちゃんとずっと4匹いるよ!?」


雛を確認すればピヨピヨと叫ぶ4匹が見えるが、


「いや、雛」


 そう言ってわたしを指差して言う言葉に、つられてわたしも自分を指差して……、


「いや!雛じゃないし!!」

「カロッコーーーー!!!!」


 高いところに飛んだと思えば、改めて両羽を広げて威嚇すると羽を窄めて超特急でコチラへと向かってくる親カロッコウ!



「危ない!!」


 慌てて偽聖女様を突き飛ばそうとしたら、スルリと避けられて木の枝からグラリわたしの身体が落ちていく。


「大丈夫デショ?」


 偽聖女の笑う口元に、

「問題はソッチーーーー!!!」


 落下しながらもそう言って必死で訴えれば、超特急のカロッコウのクチバシをその綺麗な両手でガシリと掴み木の幹に背中を当てながら必死で何かをカロッコウに言ってるっぽい。



ブォファァァァン!!


 上に気を取られてる間に落ちた場所は落葉が溜まりクッションとなって特に怪我もなく済んだと、慌てて見上げれば、クチバシを真剣白刃取り、いや真剣白羽鳥?をした偽聖女様と、その相手カロッコウはその手とクチバシでが離れると、その羽と手をハイタッチをかわす様に打ち合わせた。



「え?どゆこと?」


 ポカンとするわたしの横へ木の枝を飛び飛び、偽聖女ちゃんが来ると、


「じゃ・聖女ちゃん、帰りなよ」

「いいの!?」

「いいってさ」


 そっちの方こそカロッコウと意思の疎通が出来てるじゃないのと言おうと思うが、とりあえず雛たちがこちらを見て「ピヨピヨピヨーー!!」と戻ってこいと叫んでる今、帰還が最優先だと「ありがと」とお礼だけ言って、「雛たちもありがとーーー!!あったかかったよぉ〜〜!」と手を振り別れる。



 肉体強化魔法をかけて帰る途中、いつの間にか元に戻っていた髪色に気がついて……、それでも偽聖女様は何も言わなかったのは、きっとさっきまでは魔法が効いていたのだとホッとした。



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― 新着の感想 ―
[一言] ニャタリーがピンチのときは翼ある兄姉達が助けに来るんだな
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