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聖女ちゃんは免れたい!〜力の為のR18展開なんて断固拒否します〜  作者: そらいろさとり


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48.聖女ちゃんピンチ



「聖女……!いい加減に……しろ……っ」



制服の横を撃ち抜かれ、魔力の矢は掴めば痺れて抜ききれなく、噛み締める唇に伸ばされる手は、ただ真っ直ぐにわたしの仮面へと向かってきていた。





*****





思えば小さな違和感は最初からあった。



時計の針も天辺を過ぎた頃に襲撃音が聞こえ、かなり飛ばしてきたはずなのに、イーサック先輩が先に居た。



最近のいつもの流れだと、その身に肉体強化と魔力強化をかけてあげて、そのまま魔獣へと向かえば……冬だというのに巨大な蚊!!



「わたしと同じくらいの大きさの蚊……。地味にヤな感じだわ……。両手でパーンとは行かなそうだし……しかも……」



いっぱいいるし…………




10や20ではなさそうなその数に天を仰ぎたくなるが、聖女だなんだと言われたって、神様になんて会ったことも御声も聞いた事も無いと、諦めて拳を握るとふくらはぎに力を入れて、空へと飛んだ。



空中で不快な〝ブーーーン〟と音を立ててくる蚊の魔獣へと拳を突きつけ四散させてそのまま木の枝へと捕まり、回転しながら2体目を蹴り飛ばす。


魔獣の為か、今回はあのプチっとした潰す感覚はないとひとまずホッとしながらも、枝の上で両脚をついて体勢を整え力を入れて幹をしならせそれを蹴り、自分の力以上にスピードを上げて空中で、3体目、4体目……と拳と蹴りで次から次に潰していく。



イーサック先輩を見れば、魔力強化の甲斐もあり、一本の矢ではなく数本の魔矢を飛ばし、次から次に撃ち抜いて行く。



「数の割に意外と時間掛からないかも?」



夜更かしは乙女の天敵だと、背後からの襲撃を後ろ回転蹴りをしながら小さく微笑んだ。





全て倒し切ったあとイーサック先輩とは距離を取り、木の上で手を合わせ浄化にあたる。


流石に数が多かったせいで、集中しても魔素のようなものを集めるのに時間が掛かる。

いつもなら胸の前で手を広げる程度が、両手を広げその中に入れるイメージで周囲一帯を聖魔法で囲い込み、縮めて縮めて……手をパンッと合わせれば、浄化が終わった……。


しかし流石に量が量だと……一瞬フラリと足元がふらついた瞬間、翠に光る矢が飛んで来た。



「!!?」


ふらついていたそのままにあえて足を踏み外し、木から落ちながら体勢を整えて両脚での着地を成功して鋭い視線を向けると、



「……どういうつもり?」



怒りに震える声なんて気にする様子もなく、イーサックは一歩一歩わたしへと近付きながら、首を振る。



「……仕方ない……。この……街の、この国の……平和の為に、聖女の力を貰い受けたい………」


「お断りだと言ってるでしょう!」



タンッッと両脚で空へと跳べば、イーサックも跡を追い跳び出してくる。己の肉体強化魔法をこうして使われることを危うんで過去のわたしはやめていたのだと、我ながら最近気が緩んでいたと後悔した時はもう遅い。



2つほど木々を渡ったところで足場が無くなり地面に着いて、目の前の太い木の影に一旦身を隠そうと走り出し辿り着いた時に、また翠の矢が行く手を阻みそれを避けて木に背を向ける形になると、お腹の横を制服ごと矢で撃ち抜かれる。



「……すまん。人々の……為だ……」


「人見知りっぽい貴方が、そんな安っぽい大義名分?」



言いながら弓を触れば全身に電気が流れ痺れていく。



「…………こんな……ヤツでも……救いたい人も居る……」


「好きな子とか?」




余裕を見せる為に口元を上げて告げれば、その足が止まったことに仮面の下で目が丸くなってしまう。え?好きな子いるのねイーサック先輩。知らないけど婚約者とか居てもおかしく無いし? ……そんな心情は置いておいて、抜けぬなら服を切り裂け聖女様!!


勢いよく身体を矢とは逆に動かそうとした瞬間、傷つかないギリギリの場所へとまあ矢が撃たれて……左右を挟まれた。




「……聖女は、肉体強化で戦ったあとより……浄化の後が一番隙がある……と」


「その物言いは、男3人で女の子1人追い詰める為に話し合ったのかしら?」


「…………女の子じゃない。聖女だろう」



少し気まずいのか目を逸らすその姿に、もう一度ハッキリと言う。



「聖女の前に、女の子よ」


「…………ッ!!」




視線を逸らし明らかに動揺するその姿は、婚約者の子でも浮かぶのかもしれない。



「聖女の前に、好きでも無い人に触られれば傷付くし、好きな人の為なら努力も惜しまない、ただの女の子よ」



……こんな仮面をつけてまで闘うのも、好きな人へ操を立てたいだけの……本当にただの女の子だと仮面の下で涙が浮かぶ。



「……こちらも……それでも聖女の力が必要なんだ! こうして……何度か魔力や肉体強化をされれば、身体に馴染むように……、聖女の力も…………ッ、そうだ、まずはお前の正体を………!!」



仮面に向かって伸ばされたその手は………こちらの攻撃も当たる距離だと、わたしは躊躇わずに動く脚で、金的を狙い撃ちにした。




感想、評価、ブクマ等々ありがとうございます!!

いいねもめっちゃ嬉しいです!


心からの感謝を送ります!!


あーーりーーがーーとーーごーーざーーいーーまぁぁぁっすっっ!!!

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[一言] 三原色もようやく潰されて男を卒業か
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