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ナーム村調査2

 草が生い茂るその場所には最早マトモな足跡は存在していなかった。数日経った後では軽いくぼみがある程度。幸いなのは、獣道と言えるか微妙なレベルだが踏み荒らされたであろう部分が点々と森の奥に続いて見えることだ。

「こっちの草、そっちの草、奥の、ところどころに何かが通った痕跡はあるな。そっちは何か気付く点はあるか?」

 振り向いてフードの少女に声を掛けると、木の幹に手を添えて……何かをしている?

 少々眺めていると、少女はかぶりを振って小さな声で否定の言葉を返して来た。

「……何をしていたのかを聞いても?」

「……精霊がいないか、探してみた」

 精霊?ってことは魔導師か。様々な超常現象を起こす“神秘”の中でもかなりの応用力がある技術だ。

 精霊は特定の事柄について強い力を持っており、例えばサラマンダーなどの火の精霊から力を分け与えられれば火や高温に対して高い耐性を持ったり、発火現象を容易に引き起こせるようになったりと副次的な能力が多く付随することが多い。

 それに合わせて加護と呼ばれる、随時効果が発揮されている能力もあるらしいし、魔導師は前衛・後衛どちらもこなせるマルチプレイヤーもいるらしい。

 大木というほど大きいわけではないが、確かに土か水の精霊がいるかも知れない。精霊と会話ができるのなら大きな情報源になり得たが、そう上手くは行かなかったらしい。

「俺はそういったのを全く使えないが、レイは魔導が使えるのか?」

「…………」

 戦略の幅、取れる戦法の確認のつもりで聞いたのだが、レイからの返事は酷く鈍く、ほとんど聞こえて来なかった。

 精霊と会話できるほどじゃないってことか?まぁ、まだ駆け出しだし、別に大きな期待をした訳ではない。

「……あー、俺は剣と投擲でインアウト(ヒット&アウェイのこと)で戦う感じだが、そっちは?」

「短剣二本で急所を刺すインファイト」

 今度ははっきりと。自信の表れだろう、口調よりも声色に強さを感じられた。

 魔導に精通していなくて、身体能力に自信がある。ということは精霊の加護を持っているのか?

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