プロローグ
どっかで見たような話です。
下手な作者をどうか許してください。
購買部。
此所には腹を空かせた学生達の欲求を満たすものが多数販売されている。弁当、御握り、パン、惣菜、デザート、菓子類、etc.。沢山の品物は、《勉強》という名の重い鎖で縛られた学生達を一時的に解き放つための、素晴らしいものだ。
そして、その中に一際輝く商品がある。
《ロースカツサンド》
パン生地は練る段階から丹精込めて作られており、サックリとした衣のとんカツ、絶妙な甘味のソース、シャキシャキと素晴らしい歯ごたえの瑞々しい千切りキャベツ、を挟むことでまさに神のレベルに等しい味を作り上げた。何より《愛》が込められているもので、売上ランキングの一位を独占している。
しかし数が少ない。
あまりにも調理時間が長いために、一日五個限定で販売されている。
「何としてもそれを手に入れたい、己の空腹を満たしたい」
生徒達は欲する。己の全てを懸けてでも、あのサンドを、《ロースカツサンド》が食べたい。
そして、戦闘が起きた。
自分の空腹を満たすために、何としても、己の欲求を満たすために。五個という限られた数のために、彼等は闘う。命を懸けて、奪い合う。
これは、そんな彼等の命を懸けた闘いの記録である。