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Thank you. I was forgiven.(許し)

次回で、最後になります。続けて投稿します。

「Thank you. I was forgiven」


といった。新谷の後ろでCharlotteが大粒の涙を流していた。


新谷は、Evelynという女性を抱きしめながら、すべてが終わりを告げること感じていた。

すべてをやり終えて、眠りにつくことができると感じた。


雨が降りしきる中、新谷はCharlotteと二人で、遠くなってく2つの後ろ姿を見送っていた。

心地よい疲れが、新谷とCharlotteの中にあった。


 「やり終えた。竹部さんとの約束を果たせたよ」


新谷の言葉に、Charlotteは涙を流していた。

Charlotteには分かっていた。

もう、新谷にはわずかな時間しか残されていないことを。

新谷の体は、あの日にそう、LAST の日にしなければならない、長崎において、放射能に侵された。

あの日に飛べなかったことを、ずっと悔やんでいた。


 Charlotteは、新谷と出会いそして、一緒に生きていこうと決心した日から、新谷から8月9日のことを打ち分けられてから、最後の瞬間まで、新谷のそばで生きていこうと決めていた。


50年以上も前に、新谷に出会いそして、愛した。

留学から帰国した新谷を追うために、Charlotteは、大学に入り直し、日本での教育を使命として、日本に来た。

出迎えた、新谷の困った顔は、今でも目に浮かぶ。

Charlotteは、何も後悔していなかった。

双方の家族に反対はされたが、Charlotteも新谷も、思いは変わらなかった。

ただ、一緒にいれればよかった。

新谷の思い、"The thought of the person continues being valid more than time"(人の思いは時おも超える)で、新谷は戦後の英語の教育に生涯をかけた。

人が争うのは、知らないものを恐れるからだ。

Rechardと分かり合えたように、人は分かり合う努力をすべきなのだと。

戦うことで、相手を憎むよりも、分かり合う努力は決して平坦な道のりではないけれども、それを続けるとが、新谷とCharlotteの戦いだった。

肌の色が、髪の色が、目の色が、宗教が、習慣が違うことが、問題ではなく。

分かり合おうとしないことが、問題だと。


 あえて、新谷もCharlotteも戦争体験を語らなかった。

語る必要はないと考えていた。

悲惨な体験は、人に対して別の憎しみを生むと考えていた。

それよりも、未来に向かってあることが、人の日々の営みの中にこそ真実があると確信していた。


 たくさんの人が、戦争の悲惨さを語った。


 そうすることも、大切だ。


 だが、悲惨とわかりながら、それを成したのも、人だ。


 だから、人が人を裁くことは出来ない。


 新谷は、人から頼まれても、自分の体験を一度足りと語ったことはなかった。


 今夜を除いて。


 Charlotteは、そっと新谷の肩に手を置いた。


 「It was long, wasn't it?(永かったですね)」


 新谷は、Charlotteの手に自分の手を重ねた。


 「"The thought of the person continues being valid more than time"、人の思いは時おも超えるんだ。私は、いのこの時のために、竹部さんから命をもらったんだ。そして、確信したよ、竹部さんは生きていると。だからこそ、飛べなかった、この地で、めぐり合わせてくれた。」


 「ええ、そうね。私もそう思うわ。未来は、あの子たちが築くのね」


 「きっと、そうだ。たとえ、神の怒りに触れた、バビロンの人たちが、言葉を奪われたとしても、人は何千年もかけて、再び繋いでいく。その中に戦争があっただけだ。だが、戦う前に、話すことはできる。そのために、言葉がある。言葉には、込められた魂があるんだ。魂と魂の触れ合いは、言葉をも超える。だから、Charlotte、君に出会えた。」


 新谷は、Charlotteを抱きしめた。


 「わたしも、あなたに出会えたことをとても感謝している。」


 それから、暫くして新谷は病院のベッドにいた。


 白血病の容体が急変したのだ。


 原爆と白血病の因果関係は、厳密には証明されてはいないが、内部被ばくが関係しているのではないかと言われていた。

8月10日には、新谷は、長崎のグランドゼロの場所にいたのだ。

原爆投下をある人は、神が与えた試練だとだといった。

B29の搭乗員へ、牧師が祝福をした。

原爆が落ちた場所で祈りをささげる人がいた。

神は乗り越えられない試練は与えないと。

試練かどうかは、どうでもいい。

新谷は、達観していた。

水を飲みたいと懇願しながら死んでいった少女や、暗い夜空の中を飛んだ少年たちが、笑って日常を過ごす日々が大切なことを、今を生きている人たちが知らねばならないということを。


新谷の静かな戦いは、最愛の人Charlotteに看取られながら、終わりを告げた。


"The thought of the person continues being valid more than time"(人の思いは時おも超える)


 これだけは、不思議なめぐり合わせによる二人の男女に伝えることができた。


 新谷の最後の一息と一緒に安堵の色が顔に見えた。


 「That you were permitted finally.(やっと、許されたのね)」


安らかな、新谷の最後の顔を撫ぜながら、Charlotteは額に口づけをした。





「Kouji、You make a mistake in grammar and pronunciation.(孝二あなたは、文法も発音もだめ)」


とCharlotteは、青年に向って叱った。


孝二と呼ばれた青年は、頭をかいて恐縮している。


Charlotteは、新谷が未来を託した青年がまぶしく見えた。

半世紀以上の前の戦いを遡及して体験している青年。

新谷が望んだように、誰かに自分の思いを伝えねために一生懸命になっている。

それが、恋でも、新たな知識で得るためでもいい。

相手を理解しようとする気持ちこそが、何よりも尊いと知っていたから。


「kouji、You think the time when someone is loved comes sometime. Then, how would you like to do?(いつか、あなたが誰かを愛したときに、あなたは何をしたい?)」


孝二呼ばれた青年は、すこし考えて


「I plant a flower, and, the, the flower brought up can be given to the person. Such casual daily life is made important.(花を植えて、その花を、その人にあげれる。さんな日常を大切にします。)」


と照れながらいった。


Charlotteは、何も言えなった。

新谷と過ごした、何気ない日々がどんなに大切だったか。

きっと、この青年の答えが、新谷がずっと求めていたものだと。


 「I think so, too. "Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I would still plant my apple tree." (たとえ明日、世界が滅亡しようとも今日私はリンゴの木を植える。)」



 




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