最悪のHR
やっと1話目に入ります。
本当はもう少し話を書きたかったのですが、思ったよりかなり長くなったので今回は地味に中途半端になっています(笑)
楽しんでいただけたら嬉しいです。
●スペシャルサンクス キャラ・ネタ提供をしてくださったNさんありがとうございます!
「うぅ…、緊張するなぁ…」
私、桐本結衣は今日高校生になります。
けど、少し不安もあってなかなか教室に入れず、教室の前に着いてから既に10分が経過していた。
「教室の中何か賑やかだし…入りにくい…けどこのままだと時間遅れちゃうし…」
「ねぇ、君何やってんの?」
教室の前でウジウジと立っていたら、気づかないうちに隣に女の子が立ってた。
クールでボーイッシュな感じな子で、ジーっと不審そうな目でこちらを見ている。
「えっ…!?あ、あ、ごめんなさい!!」
とっさにいつもの癖でその子に高速で謝罪してしまった。
ヤバい…完全に油断してた…!!絶対にさっきの独り言聞かれたよね…!?
「君、もしかしてこのクラスの子?」
「えっと…そう…ですけど…」
「へぇ、じゃあ私と一緒だね。で、何で教室入らないの?」
…いやこの子すごい話しかけてくるな…。
少し恥ずかしかったけれど、結局その子に本当のことを言うことにした。
「えっと、実は教室に入りにくくて…えへへへ…」
そう言いながら自分の頭を掻いてみせた。
……絶対これ変な人だと思われてるよね…。
自分のコミュ障スキルを今は呪いたくなる。
「ふーん、そっか」
「あははは…何かすみません…」
「じゃあさ、さっさと教室入ろうよ。もう時間あまりないよ」
そう言ってその子はガラっと教室の扉を開いてさっさと入っていった。
素っ気ないその子の反応に驚きながらも、私は慌ててその後を追いかけて行った。
教室の中にはもう殆ど生徒が登校していて、それぞれ思い思いに待ち時間を過ごしていた。
ご丁寧にも自分の名前の札がついている席に私が座ったのとほぼ同じタイミングで担任の先生であろう人が入ってきた。
「はい、皆さんおはようございます。これから入学式を行うのでその前に点呼を取りますね」
そう言うとその先生は次々と生徒の名前を読み上げていった。
さくさくと点呼が進む中、先生の声が静かに響いていた。
「因幡なな子さん。……あれ、いませんかね?」
先生は首をかしげた。
確かに一つだけ席が空いてるなって思ったけど、寝坊でもしたんだろうか。しかも入学初日に。
可哀想だなぁと思いながらボーッとしていると、ものすごい勢いで教室の扉が開いた。
「おはようございまーーす!!すみません寝坊しました!!」
そう言いながら入ってきたのは女の子だった。しかもバナナのかぶり物を被った。
…って、うん?バナナのかぶり物?
クラスの全員が呆然としてバナナのかぶり物を被っている女の子を見つめていた。
え、いやどういうこと…?というより何でバナナ被ってんの…?
その子は人の目線など気にすることもなく、何かに気づいたような表情をして大声を上げた。
「お~!やっほー!もやしいなちゃん!!一緒のクラスだったんだね!」
そう言うとバナナのかぶり物の子は誰かの元へ近づいていった。
その先にいたのは、さっき私に話しかけてきたあのボーイッシュな女の子がいた。
もやしいなと呼ばれたその子は、ピクリと眉を嫌そうに動かし、バナナのかぶり物の子を見た。
「いや~、知り合いがいるか不安で昨日寝れなくてさ~。寝坊しちゃったよ☆」
バナナのかぶり物の子はHRの途中であることも気にせずに嬉々としてその子に話しかけていた。しかもでかい声で。
私達が唖然としてその光景を見ていると、
もやしいなと呼ばれた子が無言で立ち上がり、
静かに右腕を振り上げ、
スパァアアアアアアアン!!っといういい音を響かせてバナナのかぶり物の子の頭を凄い勢いで叩いた。
「~~~~~~~っ!!」
バナナのかぶり物の子は涙目で叩かれた頭を押さえ、その場にしゃがみ込んだ。
頭を叩いた子は何事もなかったかのように席に座り、
「先生、この人が因幡なな子さんです。気にしないでHRを続けてください。」
とだけ告げた。
「……………………」
教室に沈黙が舞い降りた。
…いや、むしろ突然のこと過ぎてまだ頭が現状に追いついてないんだけど…。
こうして、私の入学初日は明らかに普通ではない感じで始まったのだった。
相変わらず文が拙く、駄文が多かったですが楽しんでいただけたでしょうか?
感想等いただけたら嬉しいです。
できるだけ速く次話を投稿できるよう頑張ります!