91/93
月に手を伸ばせば
手を伸ばせば届くと思ってた
あざ笑う声が降ってくる
月よ 見下すな
僕を照らしてくれるのは月だけなんだ
君だけが僕のすべてなんだ
太陽は眩しすぎて怖いんだ
近づきたくても近づけない
輝きは毒だ 僕のような人間にとっては
月明かりだけが僕に優しさをくれる
ほのかな光が心地いいんだ
お願いだから僕を見捨てないでくれ
あざ笑うな 見下すな
薄明かりで良いからずっと照らし続けてくれ
スポットライトなんていらない
地球の片隅でひっそりと暮らすから
小さな光を 淡い光を
届けてくれ
月よ 僕のすべてよ




