開かれた世界で僕は何を思うのか
一人きりの部屋の中 打鍵音が鳴り響く
差し込む光 窓の外を眺めるだけの日々
外の空気を吸ったのは何年前だろう
もう思い出せないくらいに
家に籠りきりな僕
一生こんな日々が続くと思ってた
騒がしいトラック音
窓の外を見下ろした
ふと目が合った 黒髪の彼女と
ニコリと微笑んだ その笑顔に目を奪われた
何年ぶりだろう 扉を開けたのは
久しぶりの靴の感触 おぼつかない足
生まれたての小鹿のように
すってんころりん
いたたと呻く僕
大丈夫? と話しかける君
懐かしい人肌の感触
手だけでなく心も掴まれた
休息中の家の中 小鳥のさえずりが鳴り響く
吹き込む風 おいしい紅茶を嗜む日々
荒んだ暮らしをしてたのは何年前だろう
もう思い出したくないくらいに
毎日幸せな僕
一生こんな日々が続けばいいな
賑やかな話し声
庭に視線を向けた
ふと目が合った 奥さんと我が子と
ニコリと微笑んだ その笑顔に照れ臭くなった
何年ぶりだろう 体を動かすのは
久しぶりのボールの感触 おぼつかない足
バナナの皮を踏んだみたいに
すってんころりん
いたたと呻く僕
大丈夫? と駆け寄ってくる息子
くすぐったい家族の温もり
体だけでなく心も安らいだ
ずっとずっとこんな日々が続けばいいなぁ




