雪女
人間たちよ、私がいったい何をした
私はただ生きてるだけ
雪女は悲しみ嘆く
追われる私、追う人々
生きてるのは悪いのですか?
それとも雪女だからですか?
私はただそこにいるだけ
お願い見逃して
危害を加えたことなどないのに、なぜ私は傷つけられるの?
人でないというのは悪なのか
人外は存在してはいけないのか
ならば正義はどこにあるというの
青年よ、私に近づくな
私は忌み嫌われる雪女よ
あなたは笑ってこう言った
「知ってる、君が悪ではないのはね。いつも君を見ていたから」
その笑顔に私は救われた気がしたの
あなたと出会えて幸せだったから、私のために泣かないで
力なく微笑む雪女は、炎に身を包まれ溶けゆく
慟哭する若者、狂おしく刃を振るう 悲鳴を上げる村人たち 一人……また一人と死んでいく
死なせない! 若者は叫ぶ
雪女の目に輝く 美しき神秘の雫
若者は走る雪女の下に
溶けゆく体はもう止められない
若者は狂おしく叫ぶ
「君を一人では死なせない」
炎に包まれる若者 死の連鎖はもう止められない
二人を邪魔する者 もう誰もいない
彼らは笑う 狂おしく笑い続ける
愛しい者を守りきれず 彼らは笑い叫び続ける
「人間たちよ 私たちがいったい何をした」




