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甘い恋には蓋をして
甘酸っぱい果実のように胸に広がるこの気持ち。あなたを見た瞬間、私の心は射抜かれた。心の底から湧き上がるこの想い。尻尾を振る子犬のように私の気持ちは急上昇。あなたの瞳に私のハートは鷲づかみ。
あなたを私だけのものにしたい。クリスマスのあの日、私はサンタさんにそうお願いしたわ。でもね、神様は決して微笑んでくれなかった。
あなたが一緒にいたのは私じゃない別の女の子、どうしようもなく下降する心。霞がかったモヤが胸いっぱいに広がる。あなたは彼女を抱き寄せ、額にキスをした。
ヒラヒラと舞い散る恋心。目の前が真っ暗になる。微かに聞こえる結婚しようの言葉――私だったら良かったのに。
ぐるぐる回るこの世界。運命の赤い糸は私には巡ってこず。共に生きることも叶わない。
甘い恋には蓋をして。幸せなあなたにさよならを。




