また
今日も冷は学校を欠席している。4時間目が終わった今、私が行く場所はもう決まっていた。
階段を降りて1階。玄関の反対側を出てすぐ。
中庭。
そこの着くと、温室の隣のベンチに彼は座っていた。
「やっぱり来た。」
「え?」
「ここ、座ったら。」
そう言って彼はベンチの空いている隣のところをぽんぽんと軽くたたいた。
「失礼します。」
私は言われたとおりに彼の隣に座った。私はお弁当を食べ始めた。
彼は聞いてきた。
「名前は?」
「白河沙織です。えっと、そっちは・・?」
「俺は篠田秋夜。秋に夜って書いてシュウヤ。」
「冷の従兄弟なんですよね?」
「そう。歳が同じだからずっと一緒。って言ってもいっつも静と冷の仲介役だったけどね。」
「セイ・・?」
「知らないの?静は冷の双子の兄貴だよ。」
「え?」
聞くところによると、冷と静くんは本当は仲が良いのだけれど、離婚して女手ひとつで二人を育ててきた冷たちのお母さんは、体が弱い冷につきっきりなところがあるので、静くんは少しひねくれて、そんな静くんを見て冷はストレスためて、余計に体の調子が悪くなるのだとか・・・。
「冷のことよろしくな。」
「え?」
そこで予鈴が鳴った。
「それじゃ。」
秋夜くんはそう言って走って教室に帰っていった。