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結 2
「嘘だろ、俺は撃ってないぞ」
リッカさんは完全に胸を撃たれて即死。血が大量にあふれている。きっとリッカさんが先ほど自分が「人造人間」であるということを言わなければ、リッカさんの血は、人の血に見えたことだろう。しかし、今の俺には赤い絵の具同然だった。
いや、待てよ。俺はそもそも発砲していない。ということは、誰かが撃ったことになる。
「誰だ! そこにいるのは」
俺は拳銃を向けた。そしてその先に待っていたのは、
「僕だよ、僕」
その声はまさかのまさか、濱田千秋のものだった。
「なぜ、千秋が――」
「驚いているよね、正太郎。でも、僕は、そんな君の質問にも答えない。もう、時間がないから。君も撃つ」
バーン。
俺は避ける間もなく撃たれた。
そして、意識がなくなるまでのほんの一瞬、自分が撃たれた箇所を見た。
「俺のも、赤い絵の具じゃねえか」




