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お迎えまであと10分。働くママの足元には小さな奇跡がある  作者: オレンジ


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早起きしちゃった朝

まだ外は静かで、カーテンの向こうも白っぽい。


目を覚ましたさちは、いちど時計を見て、そっと息をついた。

少し早い朝。


隣の布団から、もぞっと小さな音がして、

「……ママ」

眠たそうな声が聞こえた。

はるが起きてしまったらしい。


「まだ早いよ」


そう言いながらも、はるの目はもう開いていて、

「でも、め、さめちゃった」

と小さく笑う。


ふたりでリビングへ行く。


足音がいつもより静かになるのは、

家の中がまだ寝ているみたいだから。


電気をつけると、カチッという音がやけに響いた。

さちは少しだけ音を気にしながら、キッチンに立つ。


ポットのお湯が沸く音。


カップを置く、コトンという音。


トースターにパンを入れる、軽い金属音。


その横で、はるは椅子によじ登り、

足をぶらぶらさせながら、じっと見ている。


「まだ、みんなねてるね」


「そうだね」


パンが焼ける匂いがして、

チン、という音が鳴る。


「なった!」


はるが小さく声を弾ませる。


ふたりで半分こ。

いつもよりゆっくり噛んで、

いつもより静かに食べる朝ごはん。


外から、遠くで車の音がひとつ聞こえた。

それでも、家の中はまだ静か。


はるは牛乳を飲みながら、

「きょう、ながいね」

と言った。


早起きした朝は、時間がたっぷりあるように感じる。

さちは、はるの頭をなでながら、

「そうだね。今日は長い朝だね」

と答えた。


まだ誰にも追われない、

音だけがゆっくり流れる朝。



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