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お迎えまであと10分。働くママの足元には小さな奇跡がある  作者: オレンジ


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「できた!」

朝ごはんのあと、テーブルの上を片づけていると、はるがコップを両手で持って冷蔵庫の前に立っていた。

少し背伸びをして、牛乳パックに手を伸ばす。


「はる、自分でやるの?」


そう声をかけると、こくんとうなずいて、真剣な顔。


さちとパパは、何も言わずに少し離れて見守る。


牛乳パックは、はるの手にはまだ少し大きい。


傾ける角度を確かめるみたいに、ゆっくり、ゆっくり。


……とぽ、と白い牛乳がコップに落ちた。


こぼれないように、慎重に。


途中で一度止めて、また少しだけ傾けて。


全部注ぎ終えると、はるはコップをじっと見てから、顔を上げた。


「……できた!」


その声は小さいけれど、胸を張っていて、誇らしげだった。


「すごいね、はる」


「上手にできたね」


さちとパパがそう言うと、はるはにこっと笑って、コップをテーブルまで運ぶ。

こぼれないように歩く足取りも、なんだか慎重でかわいい。


席に着いて、牛乳を一口飲んでから、もう一度。


「できたね」


今度は、自分に言い聞かせるみたいに。

さちはその様子を見ながら、胸の奥がじんわり温かくなる。


昨日まで手伝っていたことが、今日は少しだけ一人でできるようになっている。


パパと目が合って、ふたりで小さく笑った。


「できた!」って言葉が、

今日は朝から、家の中をやさしく明るくしていた。



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