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お迎えまであと10分。働くママの足元には小さな奇跡がある  作者: オレンジ


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はるの「なんで?」

朝の支度をしていると、はるが窓の外を見ながら聞いてきた。


「ママ、なんでくもってうごくの?」


急に来た「なんで?」に、さちは一瞬手を止める。


「風が押してるんだよ」


そう答えると、はるは少し考えて、また聞く。


「じゃあ、かぜはなんであるの?」


次から次へと続く「なんで?」に、さちは思わず笑ってしまう。


「うーん、むずかしいねえ」


そう言いながらも、はるの目はまっすぐで、ちゃんと答えを待っている。

保育園への道でも、はるの「なんで?」は止まらない。


「なんででんしゃははしるの?」


「なんでママはおしごといくの?」


その一つひとつが、今のはるにとっては大事な疑問なんだと思うと、さちはなるべく言葉を選んで答えた。


保育園では、先生にも「なんで?」をぶつけていたらしい。


「今日は“なんで?”がいっぱいでしたよ」


お迎えのとき、先生が少し嬉しそうに教えてくれた。


帰り道、はるは手をつなぎながら、ぽつりと言う。


「ママは、なんでもしってるね」


さちは少し驚いて、すぐ首を振る。


「ママもね、わからないこといっぱいあるよ」


「じゃあ、いっしょにかんがえようか」


はるはそれを聞いて、にこっと笑った。


「うん!」


その日の夜、布団に入っても、はるの「なんで?」は続く。

でもだんだん声は小さくなって、最後は途中で止まった。


寝息を立て始めたはるの顔を見ながら、さちは思う。


答えを全部用意しなくてもいい。

こうして一緒に考える時間そのものが、きっと大事なんだと。


そっと布団をかけ直しながら、さちは小さくつぶやいた。


「明日は、どんな“なんで?”が聞けるかな」



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