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お迎えまであと10分。働くママの足元には小さな奇跡がある  作者: オレンジ


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小さくなった服

 休日の午前中。

 リビングの床に、衣装ケースを広げた。


「これはもう、しまおうかな」


 さちは、はるの服を1枚ずつ手に取りながら言った。

 まだ着られそうに見えるものもあれば、袖が短くなっているものもある。


「これ、すきだったの」


 はるが、小さなワンピースを持ち上げる。

 去年、よく着ていたお気に入りだ。


「そうだね。たくさん着たね」


 さちは笑いながら答えたけれど、胸の奥が少しだけきゅっとした。

 この服を着ていた頃のはるは、今より少し幼くて、今よりもっと小さかった。


「でもね、ちょっとちいさいね」


 はるは自分でそう言って、納得したようにうなずく。


「じゃあ、ありがとうってして、しまおうか」


「うん」


 2人で服を畳んでいると、はるが1枚を持って立ち上がった。


「パパー!これ、もうきれなくなっちゃった!」


 リビングの向こうから、パパが顔を出す。


「ほんとだ。大きくなったんだな」


 そう言って、はるの頭をやさしく撫でた。


「ちょっとさみしい?」


「うーん……でもね、はる、おおきくなったから!」


 誇らしげに言うはるを見て、さちは思わず笑ってしまう。


 3人で箱に服を入れて、ふたを閉めた。


 少しだけ名残惜しくて、でも、ちゃんとうれしい。

 成長するって、こういうことなんだと思う。


 置いていくものがあって、増えていくものがあって。


「また、あたらしいおようふく、きようね」


 はるのその言葉に、さちは「そうだね」とうなずいた。


 少しさみしくて、でもあたたかい。

 そんな休日の午前だった。



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