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お迎えまであと10分。働くママの足元には小さな奇跡がある  作者: オレンジ


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いつもの夜

「ごはんだよ」


 さちが声をかけると、

 はるが先に椅子に向かい、パパもそのあとに続いた。

 みんな自然と席に向かった。


 特別なことは何もない、いつもの食卓。


 湯気の立つお味噌汁と、少し多めに作ったおかず。


「ねえねえ、きょうね」


 はるは箸を持つ前から、もう話し始めている。

 保育園であったこと、先生のこと、友だちのこと。


「そんなことあったんだ」


「へえ、すごいね」


 相槌を打ちながら、さちとパパは目を合わせて、ふっと笑う。

 はるの話は、ときどき前後が入れ替わるけれど、

 それも含めて、ちゃんと聞きたいと思う。


「おかわり!」


 元気な声に、さちは立ち上がってご飯をよそう。

 それだけのことなのに、不思議と心がほどけていく。


 食事が終わると、今度はお風呂の時間。


「じゃあ、いこっか」


「パパと!」


 はるは迷いなくパパの手を取る。

 湯気の向こうから、はるの歌声が聞こえてくる。


 何の歌か分からないけれど、楽しそうなのは伝わってくる。


「いーち、にー、さーん……」


 数を数えながら、笑い声が混じる。


 その音を聞きながら、さちはキッチンを片付ける。

 慌ただしいはずなのに、今日は少しだけ、ゆっくりだ。


 寝る前、布団に入ったはるは、あっという間に目を閉じた。


「今日もいっぱいおしゃべりしたね」


 さちは小さくそう言って、そっと電気を消す。


 いつも通りの夜。

 でも、ちゃんと満たされている夜だった。



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