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お迎えまであと10分。働くママの足元には小さな奇跡がある  作者: オレンジ


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12/51

今日はこれで

 保育園の門を出ると、もう夕方の空だった。

 さちは、はるの小さな手を握り直す。


「ママ、きょうね、ブロックでね」


 はるは今日あったことを、思い出した順に話してくれる。

 言葉は前後しているけれど、その一つひとつがかわいくて、さちは相づちを打ちながら歩いた。


 今日は、少し疲れていた。

 仕事で気を張る時間が長くて、帰り道は頭の中が静かだった。


「きょうは、おかいものして帰ろっか」


「やったー」


 近くのスーパーに寄ると、はるはカゴを持ちたがる。

 重くないものだけ入れてね、と言いながら、さちはお惣菜コーナーの前で足を止めた。


 揚げ物や煮物が並んでいるのを見て、少し迷う。

 今日は、これでいいかな。

 でも、なんとなく、それだけだと落ち着かなくて。


 結局、メインはお惣菜にして、

 野菜を少しと、豆腐も一丁カゴに入れた。


 はるはカゴの中をのぞいて、「これなあに?」と楽しそうだ。


 家に帰ると、さちは手早く副菜を作る。

 切って、和えて、それだけ。

 それでも台所に立つと、少しだけ気持ちが整った。


 テーブルに並んだご飯を見て、はるが言う。


「おいしそう!」


 その一言で、胸の奥がふっとゆるむ。


 完璧じゃないけれど、

 ちゃんと食べて、ちゃんと今日が終わる。


 後片付けをしながら、さちは思う。

 こういう日も、きっとある。

 たぶん、これからも。


 でも、それでいいのかもしれない。


 リビングでは、はるがパパと今日の話をしている声が聞こえた。

 さちは、その声を聞きながら、静かに息をついた。



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