覚えたい事
今日は大変だったの。でも、フォルが使っていた氷の花を覚えたの。まだ、温度が調整できないけど。練習すればできるって言ってくれた。
ゼロは、覚えたから、調整できなくても何も言わなかった。
「りゅりゅ」
なんだか久しぶりな気がする。こうしてりゅりゅを呼ぶ事が。
「どうしたんですか?」
「魔法覚えたんだ。見る?」
「興味ないです」
りゅりゅは、魔法なんて、毎日のように見ているだろうから興味なし。ご主人様の成長を喜ぶという感情もないのかな。
ご主人様の成長を見るって思って欲しいけど、強制はしないの。
「むにゅぅ。いじわる」
「見せてくれるんでしたら見せてください」
「ふみゅ。ありがと」
りゅりゅが気遣いを覚えていてくれたの。
氷の花を創ってりゅりゅに見せてあげた。
「すごいです。もっと苦戦すると思っていたのに、全然苦戦せずできるなんて。さすがは、りゅりゅのご主人様です」
「ふっふっふ。そうでしょ。エレはとってもすごいの」
「……エレシェフィール様、早く寝てください。眠いのに寝てなくて、テンションおかしくなってます」
「ねむくない」
「寝てください」
まだ眠くないのに。りゅりゅが寝て欲しいって言うから、仕方なく寝る事にするの。
「あれ?まだ寝てねぇのか?」
ゼロきた。
「もう寝る時間だ。いつまでも起きてねぇで寝ろ」
「ふみゃぁ」
ゼロにまで言われた。
ベッドまで行って寝ないとだけど、面倒だから、椅子に座ったまま寝ちゃだめかな。
「……」
「……はぁ。ったく」
ゼロが呆れながら抱っこして、ベッドに連れてってくれた。普段も、こんな感じでベッドに連れてってくれてるのかな。
「最近冷えるから、ちゃんと布団着とけよ」
「分かってるの。たまには、ゼロも一緒に寝れば良いのに。エレは気にしないから」
「昔は一緒に寝てたが、今はだめだ。普通に忙しいから。お前の寝る時間に合わせてやれねぇんだよ」
寝るのは良いんだ。なら
「エレが寝ている間にきて寝れば良いの」
「……分かった。ちゃんと寝てるか確認ついでに、一緒に寝てやる」
「ふみゅ。ありがと。おやすみ」
「おやすみ」
ゼロといると、安心するの。だから、ちょっとだけわがまま。
布団の中だと、眠くなってきた。
**********
今日は音魔法が得意なリリフィンと一緒にお勉強。
「まずは、歌を歌います。自分から歌うので、聴いてください」
とってもきれいな歌声。音魔法は、歌と関係があるのかな。
「好きな歌で良いので、歌ってください。この程度の歌唱力がなければ、歌魔法は使いこなせません」
エレお歌苦手。音痴なの。音程とっても外すの。でも、がんばる。
「らーらーらー」
「愛姫様、無礼を承知で聞きますが、音程という単語を存じてますか?」
リリフィンはちょっといじわる発言が多いの。でも、気にしないの。
いじわる発言は多いけど、エレの事いっぱい考えてくれはする、良い人だから。
「……発声は良いんですが……いっその事音程を捨ててそれっぽく見せるのも良いかもしれません。音程は関係ないので」
「音程関係ないの?」
音魔法って、音程で変わってくるって思ってた。関係ないなら、そっちの方が良いんだけど。
「関係ありません。音魔法は、音の振動を大きくするとかです。地味ですが、小さい音を聞き取れるなど、便利な魔法ではあります」
「ふみゅ」
「それに、音を残す事も可能です。例えば、意中の相手に想いを伝えられない。でも、伝えたい。という乙女の願いがあったとします。その時、音魔法があれば、直接伝えずとも、そこへ呼び、残しておいた音を伝えるという事も可能です」
迷子になった時に便利そう。それに、迷路とかで遊ぶのにも使えそう。ヒントに。
とっても便利なの。これなら迷子知らずになれるかも。
「愛姫様、やってみますか?」
「みゅ。やってみるの。ゼロに、エレの魔法だって残すの。廊下が良いと思う。それに、びっくりさせたいから、光ってて、その場所に触るとみたいな感じが良いの」
「でしたら、ヨージェアナを呼びましょう。今日は暇なので、すぐにくると思います」
リリフィンは、光の王のヨージェアナの予定に詳しいの。なぜか自分の事のように知っているの。とっても仲良しだからなのかな。イヴィもアディの予定だけは詳しいから。
「待っている間は、お茶でもしていましょう」
「ふみゅ。そういえば、紅茶、ゼロが淹れるととっても美味しいの。自分で淹れるのは美味しくないのに」
「ゼロの淹れる紅茶は、自分を含め、他の王達も気に入ってます。あのレベルになるのは難しいでしょう」
やっぱり、ゼロはすごいの。
「こうして二人で話ができる機会なので、一つ聞いてもよろしいですか?」
「みゅ?」
リリフィンは、お茶を持参してるの。エレにはジュース。魔力吸収が上がらない特別な。準備が良いの。
「愛姫様は、フォルとゼロを除いた中で、誰が強いと思いますか?できれば三位までは言って欲しいです」
「ふみゅ。生命の王の怖さはこの前知ったの。だからフィル。次は、破壊とか強そうだから、ウルルジューブ。最後はグオージンなの」
エレの知っている知識と、数回会ってみた感じでは、これなの。
「前に試した時、三位はフュンブード。一位と二位は、途中で危険すぎるという事で、中止になり、決まりまらなかったですが、フィルとゼムです」
「ゼム?」
「はい。そんなイメージはありませんが。愛姫様がなぜここへいる事ができるのかと考えると、不思議ではありません。ゼムなら、何かあっても、愛姫様を守る事ができるでしょう」
みんなと関わって、愛姫という存在の重要さを知った。だから、今なら分かるの。愛姫をどこで保護するかっていうのは、とっても重要で、みんなから信用されていないとだめなんだって。
ゼムなら大丈夫ってみんなが信用しているから、エレはここにいられる。ゼムには感謝なの。
「でも、それならフィルでも良かったんじゃないの?」
「フォルが反対したらしいです。その時、自分は同席してませんが、話は聞いています。フォルが、兄妹のように思われるのは嫌だからという理由で、反対したらしいです。ゼロは逆に、そう思って欲しかったようで、今のようになったと」
良く分かんないの。どうして、兄妹はいやなんだろう。
そのうち分かるようになるのかな。
「そのお話し合いっていつやってたの?」
「愛姫様を保護した日です。ゼロ達とフォル達で話し合ったそうです。自分達は、同席拒否されたので、詳しい内容は存じませんが」
なら、ゼロに聞けば分かるのかも。ここへ来た日の事、覚えてないから。
「失礼します。愛姫様」
ヨージェアナが来たの。これで、音魔法でゼロびっくりさせるの。
まだ聞きたい事があるけど、今はそっちが優先。
「ヨージェアナ先生、光魔法教えてください」
「光魔法は、明るく照らすイメージ。それを、魔法式にするとこんな感じ」
「光……出して……照らす」
魔法式に使う特殊文字は、かなり覚えたの。絵みたいだから、ちゃんとした文字を覚えるよりは簡単だった。
「……ふみゅ。やってみるの。早速廊下に出るの」
王達来客用のエレ部屋から出るの。
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覚えたての音魔法と光魔法を使って細工した。今は隠れて、ゼロが来るのを待つの。
でも、中々来ないから、ちょっとお昼寝。ってしていたんだけど、起きたら、ひどいの。
『ふっふっふ。エレはすごいの。とうとう、光魔法と音魔法まで習得したの。これを聞いたゼロは、エレを褒めるの』
「可愛いですね」
「だろ?俺もう三回聞いてる」
「僕も褒めに行こうかな」
ゼロが呼んだのか、集まってるの。みんなで微笑ましそうに聞いてるの。ひどいの。エレのがんばりを、こんな事にするなんて。エレはひどいって思うから抗議しに行こうと思うの。
「しゃぁー!」
「あっ、エレシェフィール」
「ひどいの!エレのがんばりを笑い事にするなんて」
「お前の成長を見せびらかしてただけだぞ?こんなにできるようになったんだって」
ゼロが自慢してるのはおかしいと思うの。エレのがんばりなのに。どうしてゼロが自分の事みたいに。
「俺の可愛い妹がこんなに成長したんだ。俺一人でそれを堪能するわけにはいかねぇだろ」
いやな感じはしないの。でも、分かんないの。
そういうものって思うのは楽だけど、もっとみんなを知りたい。その感情の事を知りたい。
そう思うのは、おかしいのかな?




