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お勉強


 魔法学を学び始めてから、五日。


 何か言う前に、成果を言うの。


 エレは氷魔法を覚えた(ドヤッ)


 という事で、ゼロから教わった、簡単な氷魔法を使えるようになったの。ちなみに、フォルは忙しいみたいで来ていないの。

 だから、フォルが知らない間に、こんなにできるようになっていたんだって、びっくりする事間違いなしだと思うんだ。


 もう一つちなみに、今日は、そのフォルが来てくれるんだって。ゼロに教えてもらったの。ちなみに、アディとイヴィも来てるの。後ゼムも。


 朝から、フォルのびっくりする顔が見れるって、楽しみなの。


「今日は一段と可愛いな」


「当然なの。エレの……私の成長を見てもらわないと」


「エレで良いだろ。誰も気にしてねぇよ」


 ふみゅぅ。子供っぽいって思われちゃうかもだからって、直そうとしてたのに。


 バレたならもう良いの。気にしないでおく。


 エレって言うの。


「あっ、これ僕がプレゼントした服だ。着てくれてたんだ。ありがと」


 そうなの。実を言うと、今着ているお洋服は、魔法学のお勉強中に、ゼムを通してフォルがプレゼントしてくれたお洋服なの。


 ゼロは知らないの。


 とっても着心地が良くて、可愛くて、動きやすい。エレの成長を知らせるためにも、フォルに会えるから嬉しいをお礼と伝えるためにも、今日までこれを着るのは我慢してたの。


 フォルは、エレを見ている。可愛いってきっと見ているんだと思う。


「ふっふっふ、エレはもう可愛いだけじゃなくなったのだ」


 氷魔法のお披露目なの。まだ、小さな氷を創るしかできないけど、とってもがんばったの。


「へぇ。もうそんなにできるんだ。氷魔法だから、ゼロかゼムかな。もう少し上達したら、次の魔法を学んでも良いかも知れないね」


 びっくりしないの⁉︎


 でも、褒めてもらったから、それで良いって事にするの。褒めてもらえるだけでも嬉しいから。


「ふみゅ……ひにゅ?エレはどれだけ覚えれば良いの?」


「愛魔法の特性を考えて、僕らが使う魔法で、君が使えそうな魔法は一通り」


 エレのない記憶が知ってるって言うの。フォルのこのとっても魅力的な笑顔は、喜んじゃいけない笑顔だって。


 エレは、五日間がんばって、こんな、お口に入れられる大きさの氷を一つ創れるだけなんだよ?


 エレが覚えられそうなの全部って、とっても大変そうなの。


「やなの」


「基礎さえできていれば、ある程度はできるだろ」


「そうだよ。ここから長いじゃなくて、ここが一番長いんだ。だから、ここさえ乗り越えれば、あとはそれを応用するだけで簡単にできる」


 今だけがんばれば良い。今がんばれば、少ししたら、とっても楽になる。それなら、できるかも知れないの。分からないけど、やってなるかも知れないけど、できないって初めから決めつけてやらないはしたくないの。


「がんばるの。それで、みんなに守られるだけじゃなくなるの」


 みんなに守られるのは、変わらないかもしれないけど、何もできずに守られるだけじゃなくなるの。そうすれば、フォルの負担も少しは減らす事ができると思うから。


 そうと決まれば、早速実行なの。行動だけなの。


「ゼロはエレのお世話で忙しいから。おやすみして良いの。ゼムに教わる。ゼロはエレのお世話優先だから」


「そうだな。エレシェフィールに魔法を教えているから、世話がいつものようにできてねぇんだ」


 ゼロはエレのお世話が趣味みたいなの。やらなくて良いって言っても、すきでやってるって返される。お世話できてないと、ちょっぴり寂しそうなの。だから、お世話に専念させてあげるの。


 それ言ったら、ちょっぴり嬉しそうなゼロなのでした。


「今日は僕が教えるよ。今日は暇だから、二人っきりで勉強しよう」


 二人っきり……なんだか、とっても良い響きなの。きっと良い事に違いないの。これは、受けるべきな気がする。


「みゅ。するの」


 フォルと二人っきりでお勉強。とっても嬉しい。


 フォルだから、なのかな。良く分かんないの。


「そんなに僕と一緒に勉強するのが嬉しい?」


「みゅにゃ⁉︎みゃ、みゃぁ」


「イヴィ、これって」


「アディ、フォルを甘く見ていますよ」


 な、なんだか、とっても、恥ずかしいの。良く分かんない恥ずかしさがあるの。


「そっか。エレシェフィールは、僕が教えるの上手って思ってくれてるんだね。嬉しいよ」


 みゅ?


 なんだか、急に、恥ずかしさ消えたの。それとフォルは、とっても嬉しそうなの。


「は?」


「だから言ったでしょう」


「ああ。フォルは変なところで鈍いから」


「それはゼロもでしょう」


 なんだか、恥ずかしさ消えたら、むすぅって感じなの。何でか分かんないけど。でも、八つ当たりな気がするから、何もしないの。


「ん?どうかしたの?」


「どうもしないの。お勉強教えて」


 むにゅ?


 でも、良く考えてみたら、なんだか、嬉しいがある気がするの。知らないフォルに出会えたからなのかな。嬉しいがあるの。


 その嬉しいを見逃しちゃうところだった。良かった。ちゃんと気づけて。


「勉強始める前に、これ」


 お花。ピンク色で、ふんわりとしたお花なの。五枚の花びらが、触ると気持ち良さそう。


 これが、フォルの生命魔法。とってもすごいと思うの!それに、きれい。


「中々会いに来れないから、そのお詫び。それと、エレシェフィールが僕をもっとすきになってくれるように、口説くのは得意じゃないけど、プレゼントなるできるから」


「口説けるタイミングあっただろ。絶好のが」


 ゼロはツッコミ入れないと落ち着かないのかな。そういう生き物なのかも。


「ありがと。嬉しい」


「僕の方こそ。もらってくれてありがと。君を想って創ったから喜んでもらえて嬉しいよ」


「なんで自然とそういうの言えんのに、あれ気づかねぇんだよ」


 ツッコミだからって思ってたけど、これ呆れてるのかも。ちょっといつもより低い声というか、テンション低い。


 なんだろう。呆れゼロって、なぜか落ち着くの。自然体って感じなくらい落ち着く。


「勉強、二人っきりになれる場所ってどこだろうね。どっかの店にでも」


「俺らちょっと話し合いしたいから、この部屋で勉強すれば良いだろ」


「えっ、う、うん。ありがと」


 なんなんだろう。お話し合いって。ふみゃ⁉︎もしかして、エレが二人っきり良いって思ってるから気を遣ってくれたのかも。


「あ」


「アディ、イヴィ、ゼム。どうすれば愛姫が愛姫らしくなるか話し合うぞ。一番はフォルにやるって話だが、あれだといつまで経ってもできそうにないからな」


 お礼言おうとしたのに、ゼロがさっさと行っちゃった。お礼は今度にしよ。


 なんだか、良く分かんない事言ってたのは、気にしないでおくの。それが良いと思うから。


「エレ、僕が使う魔法についてはどれくらい知ってる?」


「生命魔法。回復や創造に長けているって聞いた事あるの」


「魔法は、創造系と破壊系に大きく分けられる。僕は、創造系。って言われてるけど、実際は違うよ。創造系と破壊系どちらも持っているんだ。それが、生命魔法」


「ぷみゅ」


 創造系とか破壊系とか、ちょっとだけ分かるの。そのまんまだから。

 それに、両方は珍しいのも。


 フォルが、エレのために、魔法を使ってくれる。またお花なの。今度は、空色の星の花びらのお花。これだけ見ると、創造系なの。創ってるから。


「これは、氷の花。今は魔力を与えてないから、何も起こらないけど、魔力を少しだけ与えると」


「冷たいの」


 お部屋が冷たい。フォルが魔力をお花にあげただけなのに。


「不思議なの」


「僕らは基本、こうやって花を媒介に魔法を使うんだ。これは、魔力を与えると当たった分だけ冷える。そういう仕組みってだけで、不思議じゃないよ」


「でも、それって、他の魔法を面倒にさせただけな気がするの」


 普通にお花を媒介させずにやった方が楽って思うの。


「これは、自分じゃない誰かが使ってもおんなじ効果を得られる。それに、生命魔法だけしか使えない魔法もあるよ。花を介する事で、他の魔法とは変わってくるとかも」


「……ぷみゅ。質問なの」


「なに?」


「それなら、どうして、生命の王には誰も敵わないとか言われてるの?それくらいじゃ、王達なら、他の誰かが勝てるかもなの」


 アディとか、見るからに強そうなの。フォルは、なんだか、後ろでちょこちょこサポートイメージなの。


 でも、生命の王は、王達が勝てないって言われてるの。それが、不思議。


「大袈裟だよ。でも、そうだね……僕らは、まとめるために、いっぱい学んでいるから?それが、そう言われる事になったのかもしれないね」


「じゃあ、生命魔法は、危険少ない?」


「少ない?むしろ逆だ。生命魔法以上に危険な魔法なんてない。生命魔法は、全てを枯らす魔法なんだ。その気になれば、この世界が、二度と何も育たなくなる」

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