王回り 三日目
今日もフォルと一緒にだから近道があるかもなの。
今日の最初はジェジェシュなの。
ジェジェシュのお家は、ちょっと迷うと永遠迷子になっちゃうから気をつけないと。
永遠迷子になりそうになったら、いつも誰かが助けてくれるけど。
「今日は迷路なの」
毎回道が違うから大変なの。でも、今日は強力な助っ人フォルがいてくれるから迷子にならずに行けるかもしれないの。
エレはフォルに頼って、自分では勝手にどっかに行かないの。
「愛姫さん。それに、フォルさんまで」
「お知らせなの。お知らせさんなの。お手紙、一緒暮らし、ゼロ詳細なの」
「ああ、あの噂になっている話。存じてます。愛姫さんも来た事です。早速、ゼロさんのところへと行こうと思います」
虹色なの。小型龍。お名前どうしよう。
「ひゅひゅぴゅなの。可愛がってあげるの」
という前から、早速可愛がっているの。とっても可愛がってくれていて、エレが嬉しくなるの。
「ひゅひゅぴゅ、朝食……愛姫さん、ひゅひゅぴゅは何を食べるのか、存じてます?」
そういえば、小型龍が何を食べるかなんて知らないの。りゅりゅにご飯あげてたのはゼロだから。ゼロに聞けば分かるのかもしれないけど……
それより、本人に聞くのも良いのかも。りゅりゅに聞いてみる。
「りゅりゅ、りゅりゅはいつも何食べてるの?」
「りゅりゅの主食は、果実です。小型龍は、みんな好みが違います。りゅりゅは果実です」
「お礼。いる?」
「ありがとうです」
りゅりゅ、ジェジェシュから果実もらってるの。ちゃっかりしてるの。
「ふみゅ。エレは果実すき。りゅりゅもすき。これは……関係ある気がするの」
「そこに気づくとは流石です。小型龍は、ご主人様である、王達の好みと似てるんです。なので、自分の好みを渡せば解決です。という事で、情報料としてもう一個」
「はい」
「ありがとうです。エレシェフィール様、エレシェフィール様の分もです」
「ありがとなの。ジェジェシュもありがと」
りゅりゅは良い子なの。ご主人想いのとっても良い子なの。エレは、りゅりゅがエレのペットで良かったの。
「ぷみゅ。お次行かないと。お次はムームニルなの。フォル、近道ある?」
「うん」
フォルの近道案内の元、エレはお次のムームニルのお家へレッツゴーなの。
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気のせいなのかな。ムームニルのお家って、時空が歪んでいる気がするの。今は朝で昼前なのに、夕方なの。
不思議。
「愛ひぃ様。どなんされたんですかい?って、噂きとるんで知ってますが」
「ふみゅ。お手紙なの。あとは噂なの」
「……君らって、エレシェフィールの声を聞いてから、ずっと邸宅にいるの?」
それはエレも気になってた。みんなをいっぱい待たせちゃってるかもって。
「愛ひぃ様がくる時間を見計らって、ですんで、安心してくだせぇ」
どうやってエレがくる時間が分かるのか分かんないけど、何日も待たせちゃってるわけじゃないから安心なの。
「そろそろなの」
鉛色の小型龍なの。
「みゅーにゅにゅみゅなの」
そろそろ名付けが大変になってくるの。でも、名付けは大事だから。
「愛ひぃ様、これ、いつも頑張っとるから、用意しときました。ぜひ、受け取ってください」
「ふみゅ。ありがとなの。冷え冷えの冷えの……なんだろう」
「アイスだよ」
「ぷみゅぅ。アイス……甘そう。きっと甘々なの」
「そうだね。でも、冷たいから気をつけて。一度にいっぱい食べすぎないように、ゆっくり食べて」
フォルがおにぃちゃんみたいなの。エレは、アイスをゆっくり食べてからお次に行くの。
アイスを食べるくらいは、きっと時間あるの。
「ひぇひぇ。お口が幸せぇ」
「……可愛い。エレシェフィール、その、食べさせてあげたい」
「……ふみゅ。あーん」
これ癖になりそうなの。アイスもだけど、フォルに食べさせてもらうのも。
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アイスを美味しく食べて、シュウィージェのところへ行くの。
シュウィージェのお家はちょっと遠かったけど、フォルの近道おおかげで、だいぶ近かったの。
「愛姫、お疲れ様」
「ふみゅ。ふにゅ。早速なの。要件言う前にきたの」
黄赤色の小型龍。とうとうエレのお知らせ前に堂々孵化。
「ちゅりゅーみぃなの。それと、お手紙と、ゼロに聞くの。一緒に暮らそなの」
「オッケー。事情聞きいく。愛姫、これ、足疲れただろうから、使って?」
なんだか、良く分かんない液体なの。これどうやって使うんだろう。
「……エレシェフィール、足、触っても良い?使い方知らないでしょ?」
「ふみゅ。知らないの」
フォルが、足に塗ってくれた。なんだか、疲れが取れた気がするの。気のせいかもしれないけど。でも、これでもう少しがんばれそう。
「くる時間が分かってるから、こういうのも用意できるんだろうね」
「ふみゅぅ。みんなすごいの。エレがくる時間分かるのもすごいの」
「噂が回るのが早いからなだけ」
それでも、時間とか予想するのは大変だと思うの。エレは、すごいと思うの。
お次はジュイン。今は、お昼前。この調子なら、今日中に全員終わるの。
ジュインのお家へ着く時は、お昼過ぎなのかな。
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お昼くらいになったけど、までかかりそう。
お花畑きれい。近道にこんなにきれいな場所があるなんて。
「ここでお昼にしようか。今日はこうなりかなって思って作ってきたんだ」
「ぷみゅ。ありがと」
お花畑でお昼なの。
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ジュインのお家なの。お昼食べて休憩したから元気なの。
「おー、愛姫様。噂で聞いた話かぁ?」
「ふみゅ。お手紙と、ゼロに一緒に暮らそうなの。そしてこちらが、躑躅色の小型龍が、ぴゅにぃんなの」
「お疲れぇ。これはプレゼント」
可愛いぬいぐるみなの。ねこさんなの。
可愛いねこさんのぬいぐるみをぎゅっと抱いて、お次へ行くの。
とっても気に入ったの。今日一日、ずっと抱きしめているの。
「ありがと。これだいすき」
「良かった。気をつけて。遅くならないうちに帰って」
「ふみゅ」
フーネレオなの。お次は。
フーネレオのお家は、探すのが大変なの。でも、フォルがいるからきっと大丈夫。
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ついたの。あと二件は行ける。これで今日中に終われる。
「……噂?」
「ふみゅ。お手紙と、黄緑の小型龍、ひゅーにゃにゃぉと、ゼロに詳細の一緒に暮らそうなの」
ふみゅ。なんだか、どんどん意味不明文になってる気がするけど、気にしない事にしているの。
「……あげる」
可愛いわんさんのぬいぐるみなの。わんさん?
……にゃんさんとわんさん!
両方お気に入りなの。でも、エレは一個しか……
「フォル、わんさん持って」
「うん」
「……気に入って良かった。あと二件、気をつけて」
「なんで分かるの?」
「エレシェフィール、君が行ってる順番が単純だからだよ」
言われてみればそうかもなの。単純な気がする。
エレは、王名簿?だっけ?
王達の、役割と名前が書いてある紙の通りに行っているの。
「ふみゅ。それで分かったんだ。じゃあ、あと二件、がんばってくるの」
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ゼムなの。お知らせ相手はゼムなの。
「ゼム、お知らせなの」
「うん。そろそろ来る頃だと思ったよ。ゼロから話は聞いてる」
「ぷみゅ。よろしくなの。お手紙の方も?」
「うん」
ゼロが全部言っておいてくれたみたいなの。これは行き損というのかもしれない。
「フィルのところ行くの。ゼム、またなの」
「うん。また」
最後はフィルなの。フィルどこにいるんだろう。フォルは知ってるのかな。
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フォルがフィルの場所知ってたの。フィルに会えたの。
「フィル、お願いなの。お知らせなの?」
「知ってる。フォルから事前に聞いている」
「ぷみゅぅ。じゃあ、この子の方なの。萌葱色の小型龍、ぴゅりゅぴゅんなの」
これで残すはフォルだけなの。フォル、どうして孵化しないんだろう。気になる。
「ふみゅぅ。大事にお世話するの」
「分かった」
「ふみゅ。フィル、今日は帰ってこれるの?フォルが寂しそうにしているの」
「帰れると思う。ごめん、一緒に寝るって言ったのに」
「良いよ。忙しいって知ってるから。それでも、気にかけてくれてありがと。僕は先帰ってるよ」
今日はフィルが帰ってきてくれる事を願って、お先に帰るの。
今は夕方。全部回れた。
これで、みんなで一緒に暮らすお家を準備するだけなの。
エレのお役目は終わったの。
みんなで暮らせるのは楽しみだけど、フォルの小型龍だけ生まれないのが不思議すぎるの。




