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王回り 二日目


 翌朝なの。朝からエレはまたお知らせにお出かけなの。でも、今度はフォルが心配しすぎて一緒に行く事になったの。


 エレの作戦が……どうしよう。


 どうやればあっちの方をフォルにバレずに進められるかな。誰か教えて欲しいの。


 と、とりあえず、オジュフォーレのところへ行くの。


 孵化し済みなの。


「エレシェフィールと二人」


「ふにゅ。二人でなの。これなら寂しくない?」


「うん」


 フォルは、エレよりも寂しがりなのかもしれないの。そういうところが可愛くて、ついつい、一緒にいてあげたくなっちゃう。


 エレは、フォルと一緒にオジュフォーレのお家へ行ったの。


      **********


 とっても本が多い。本いっぱいで、机かなって思っちゃうの。


 机か……机みたいにおっきい本なの⁉︎


 これどうやって読むんだろう。


「オジュフォーレ、エレからのお知らせなの。みんなで一緒に暮らすの。今準備中なの。それと……これなの」


 ふっふっふ。実はエレは準備していたの。フォルが一緒に行くって言うから。バレないようにする方法を考えて、準備しておいたの。


 実際事前準備って得意じゃないから、そう思っても仕方ないの。でも、今回は、事前に準備しておいたの。お手紙という方法で。


 ゼロにこっそりお手紙書いてもらっておいたんだ。それをエレが渡す。これなら、フォルにはバレない。


「承知いたしました」


「みゅ。詳しいお話はゼロから聞いて欲しいの。エレはお知らせ係で、フォルは、エレの付き添いだから。じゃあ、エレは急がないと、おわんなくなっちゃうから」


 お次はウルルジューブなの。あそこは足場がちょっと悪いから、気をつけていかないと。


      **********


 足場が悪くて気をつけていると、いつも以上に疲れるの。でも、ついたの。


「ウルルジューブ、お知らせに来たの」


「愛姫が⁉︎知らせちゅぅんなら、直でこずとも、おぃを呼んどくれればええけん」


「エレが来たくて来てるの。だから、気にしなくて良いの」


「しかし、ここは足場が悪ぅ。疲れっちゃろ」


「それは疲れたの。でも、エレが来たかったの。時間ないからお知らせ言うの。一緒に暮らして、詳しい事はゼロで、この手紙を受け取るの」


「分かった。はようできたらええな。みなで暮らせん 家。それと、土産に持ってけ。疲れてとれっと」


「みゅ。ありがとなの……ふみゅ。もうびっくりしないの。慣れたの」


 また孵化したの。紅色なの。もう、びっくり疲れて、びっくりしなくなったの。


 でも、びっくりなのはあったの。お隣のフォルが、びっくりしない事なの。こんな理解不能な孵化の仕方でびっくりしないの。


 とりあえず、お名前。


「ひゅりゅぷ。ウルルジューブ、ひゅりゅぷのお世話お願いなの。という事で、エレはお次に出発なの」


「……僕だけ孵化しない」


 お次はリリフィンなの。フォルがなんだか、残念そう。エレのおてて繋ぎでご機嫌良くなるかな?


「……ふみゅ」


「手」


「エレはこれは良いの」


「……うん」


 というか、昨日六人な気がする。五人じゃなくて。これなら、三日くらいで……行ければ良いのに。


      **********


 フォルに近道教えてもらって、お昼前についたの。これは本当に三日になるかもしれない。


「心地良い音なの」


「愛姫が来る予感がしたので」


「ふみゅ。ありがと。エレは今日はお知らせなの。お手紙と、一緒に暮らすと詳細はゼロなの」


「分かりました」


 ふみゅ。会話するだけで孵化システム。今回はすでに孵化してるからないけど。


「謎なの。今回はなにもせずにすでに孵化してるけど、謎なの」

 

「今まで仲良くなった分じゃない?」


「ふみゅ。その可能性があったの」


 理由が分かったところで、お次に行くの。


 お次はグオージンなの。暗いから気をつけていかないと。


      **********


 到着するまでに、五回くらい転びそうになったエレなの。


 全部フォルが転ばないように支えてくれた。


「愛姫様」


「お知らせなの。お手紙と、ゼロに詳細と一緒に暮らすなの。ついでに、先に決めるの。ひゅみぃーにゅぅなの」


 ふにゅ。なの。やっぱり孵化したの。もう予想ついちゃってた。紫紺色なの。


「可愛らしい小型龍です。感謝いたします。こんな、可愛い生き物を産んでくださって」


「ちょっと語弊生みそうな気がするの。でも、ふにゅ。これがエレの役割らしいから。一緒に暮らすの楽しみにしているの」


「自分もでございます。それより、もう昼です。作りすぎたので、一緒にどうですか?フォルには、話しておきたい事もあるので」


「ああ、定期報告か。そういえば聞いてなかった」


 定期報告ってなんだろう。と思うけど、それは良いとして、お昼なの。お昼の後は、またすぐお次のチャイシェアのところに行くの。


      **********


 チェイシェアのお家は、とってもきれい。埃一つないんじゃないかなって思うくらいきれいなの。


 それに、なぜか常に虹が出てる謎。


 今回も、フォルに近道教えてもらって、早くついたの。


「チェイシェア、お手紙と、ゼロにみんなで一緒に暮らす詳細なの」


「わたくしも手伝える事があれば、手伝わせていただきます。フォル、遠慮せず、お申し付けください」


「うん。ありがと」


 ふにゅ。やっぱり孵化したの。真珠色なの。


「ちゅみゅひゅぅなの。今日中にもう少し回りたいから、また今度なの」


「次はフュンブードか……なら、あそこの道を使えば、少しは早く着くかな」


 フォルが道を考えてくれるの。その道で、ちょょっとでも早くついて、いっぱいいけるの。


      **********


 フュンブードのお家は、不気味な感じがするの。でも、それを楽しく変えているから、怖くないの。


 そして、そろそろ夕方なの。


「フュンブード、お手紙と、一緒に暮らすお家にゼロが詳細なの」


「おぉ」


「それとこの闇色の小型龍は、ふゅみゅびゅなの」


「りょう」


「フュンブード、そういえば、君の報告ない気がするんだけど」


「忘れ。のちにする」


「了解。待ってる」


 フュンブードは、必要以上に喋らない感じがあるの。でも、お話聞いてくれるの。


「お次が行けそうだから、またなの」


「また」


「……次はヨージェアナだから……うん。行っても大丈夫そう」


 時間の事まで考えてくれてるの。


 フォルの案内で、ヨージェアナのお家にしゅっぱーつ。


      **********


 ヨージェアナのお家は明るいの。眩しすぎるくらいにというのはないから、普通にいられるけど、時間分かんなくなりそう。


「ヨージェアナにお知らせなの。お手紙と、ゼロ詳細の一緒に暮らすの」


「愛姫様、遅くまで、お疲れ様。明日あたり、ゼロに聞いてみる。ありがとう、伝え来てくれて」


「みゅ。ついでにこの子はぴゅーみゅにゅにゃなの」


「……よろしく。ぴゅーみゅにゅにゃ」


 仲良くなれそうな雰囲気なの。ちなみに山吹色なの。


 これで今日は終わりにしないとかな。時間的に。


「フォル、今日はこれで帰る?」


「そうだね。あまり遅くならない方が良い。そろそろ帰ろうか」


「みゅ。おてて繋いで帰る?」


「うん」


「気をつけて」


「みゅ。またなの」


 エレはフォルとおてて繋いで帰るの。


      **********


 帰り道。ちょっと暗くて見えずらい。


 明かりがないから、ちょっと怖い。


「……大丈夫だよ。僕が一緒にいるから」


「ふみゅ。大丈夫なの」


「うん。これなら、後一日で終わりそうだね。エレシェフィール、その、今日は……」


 そういえば、今日はお泊まりって言ってないの。なにも決めてないの。


 でも、フォルが寂しそう。一緒の方が良いのかな。


「一緒なの。お泊まりなの」


「ありがと」


「ふにゅ。ついでに、明日で終わらすためにも、明日も一緒が良い。でも、無理しちゃだめ」


「大丈夫だよ。このくらいなら。心配しないで」


「するの。エレはフォルの心配いっぱいするの!」


 心配しないわけないの。フォルの事すきなのに。


「……ありがと。でも、ほんとに大丈夫だから。一人でいるより、君といたいんだ。だから、一緒に行かせて?」


「そういう事なら良いの」


 明日も、フォルと一緒にお知らせ。明日で終わる予定になったの。

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