王回り 二日目
翌朝なの。朝からエレはまたお知らせにお出かけなの。でも、今度はフォルが心配しすぎて一緒に行く事になったの。
エレの作戦が……どうしよう。
どうやればあっちの方をフォルにバレずに進められるかな。誰か教えて欲しいの。
と、とりあえず、オジュフォーレのところへ行くの。
孵化し済みなの。
「エレシェフィールと二人」
「ふにゅ。二人でなの。これなら寂しくない?」
「うん」
フォルは、エレよりも寂しがりなのかもしれないの。そういうところが可愛くて、ついつい、一緒にいてあげたくなっちゃう。
エレは、フォルと一緒にオジュフォーレのお家へ行ったの。
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とっても本が多い。本いっぱいで、机かなって思っちゃうの。
机か……机みたいにおっきい本なの⁉︎
これどうやって読むんだろう。
「オジュフォーレ、エレからのお知らせなの。みんなで一緒に暮らすの。今準備中なの。それと……これなの」
ふっふっふ。実はエレは準備していたの。フォルが一緒に行くって言うから。バレないようにする方法を考えて、準備しておいたの。
実際事前準備って得意じゃないから、そう思っても仕方ないの。でも、今回は、事前に準備しておいたの。お手紙という方法で。
ゼロにこっそりお手紙書いてもらっておいたんだ。それをエレが渡す。これなら、フォルにはバレない。
「承知いたしました」
「みゅ。詳しいお話はゼロから聞いて欲しいの。エレはお知らせ係で、フォルは、エレの付き添いだから。じゃあ、エレは急がないと、おわんなくなっちゃうから」
お次はウルルジューブなの。あそこは足場がちょっと悪いから、気をつけていかないと。
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足場が悪くて気をつけていると、いつも以上に疲れるの。でも、ついたの。
「ウルルジューブ、お知らせに来たの」
「愛姫が⁉︎知らせちゅぅんなら、直でこずとも、おぃを呼んどくれればええけん」
「エレが来たくて来てるの。だから、気にしなくて良いの」
「しかし、ここは足場が悪ぅ。疲れっちゃろ」
「それは疲れたの。でも、エレが来たかったの。時間ないからお知らせ言うの。一緒に暮らして、詳しい事はゼロで、この手紙を受け取るの」
「分かった。はようできたらええな。みなで暮らせん 家。それと、土産に持ってけ。疲れてとれっと」
「みゅ。ありがとなの……ふみゅ。もうびっくりしないの。慣れたの」
また孵化したの。紅色なの。もう、びっくり疲れて、びっくりしなくなったの。
でも、びっくりなのはあったの。お隣のフォルが、びっくりしない事なの。こんな理解不能な孵化の仕方でびっくりしないの。
とりあえず、お名前。
「ひゅりゅぷ。ウルルジューブ、ひゅりゅぷのお世話お願いなの。という事で、エレはお次に出発なの」
「……僕だけ孵化しない」
お次はリリフィンなの。フォルがなんだか、残念そう。エレのおてて繋ぎでご機嫌良くなるかな?
「……ふみゅ」
「手」
「エレはこれは良いの」
「……うん」
というか、昨日六人な気がする。五人じゃなくて。これなら、三日くらいで……行ければ良いのに。
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フォルに近道教えてもらって、お昼前についたの。これは本当に三日になるかもしれない。
「心地良い音なの」
「愛姫が来る予感がしたので」
「ふみゅ。ありがと。エレは今日はお知らせなの。お手紙と、一緒に暮らすと詳細はゼロなの」
「分かりました」
ふみゅ。会話するだけで孵化システム。今回はすでに孵化してるからないけど。
「謎なの。今回はなにもせずにすでに孵化してるけど、謎なの」
「今まで仲良くなった分じゃない?」
「ふみゅ。その可能性があったの」
理由が分かったところで、お次に行くの。
お次はグオージンなの。暗いから気をつけていかないと。
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到着するまでに、五回くらい転びそうになったエレなの。
全部フォルが転ばないように支えてくれた。
「愛姫様」
「お知らせなの。お手紙と、ゼロに詳細と一緒に暮らすなの。ついでに、先に決めるの。ひゅみぃーにゅぅなの」
ふにゅ。なの。やっぱり孵化したの。もう予想ついちゃってた。紫紺色なの。
「可愛らしい小型龍です。感謝いたします。こんな、可愛い生き物を産んでくださって」
「ちょっと語弊生みそうな気がするの。でも、ふにゅ。これがエレの役割らしいから。一緒に暮らすの楽しみにしているの」
「自分もでございます。それより、もう昼です。作りすぎたので、一緒にどうですか?フォルには、話しておきたい事もあるので」
「ああ、定期報告か。そういえば聞いてなかった」
定期報告ってなんだろう。と思うけど、それは良いとして、お昼なの。お昼の後は、またすぐお次のチャイシェアのところに行くの。
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チェイシェアのお家は、とってもきれい。埃一つないんじゃないかなって思うくらいきれいなの。
それに、なぜか常に虹が出てる謎。
今回も、フォルに近道教えてもらって、早くついたの。
「チェイシェア、お手紙と、ゼロにみんなで一緒に暮らす詳細なの」
「わたくしも手伝える事があれば、手伝わせていただきます。フォル、遠慮せず、お申し付けください」
「うん。ありがと」
ふにゅ。やっぱり孵化したの。真珠色なの。
「ちゅみゅひゅぅなの。今日中にもう少し回りたいから、また今度なの」
「次はフュンブードか……なら、あそこの道を使えば、少しは早く着くかな」
フォルが道を考えてくれるの。その道で、ちょょっとでも早くついて、いっぱいいけるの。
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フュンブードのお家は、不気味な感じがするの。でも、それを楽しく変えているから、怖くないの。
そして、そろそろ夕方なの。
「フュンブード、お手紙と、一緒に暮らすお家にゼロが詳細なの」
「おぉ」
「それとこの闇色の小型龍は、ふゅみゅびゅなの」
「りょう」
「フュンブード、そういえば、君の報告ない気がするんだけど」
「忘れ。のちにする」
「了解。待ってる」
フュンブードは、必要以上に喋らない感じがあるの。でも、お話聞いてくれるの。
「お次が行けそうだから、またなの」
「また」
「……次はヨージェアナだから……うん。行っても大丈夫そう」
時間の事まで考えてくれてるの。
フォルの案内で、ヨージェアナのお家にしゅっぱーつ。
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ヨージェアナのお家は明るいの。眩しすぎるくらいにというのはないから、普通にいられるけど、時間分かんなくなりそう。
「ヨージェアナにお知らせなの。お手紙と、ゼロ詳細の一緒に暮らすの」
「愛姫様、遅くまで、お疲れ様。明日あたり、ゼロに聞いてみる。ありがとう、伝え来てくれて」
「みゅ。ついでにこの子はぴゅーみゅにゅにゃなの」
「……よろしく。ぴゅーみゅにゅにゃ」
仲良くなれそうな雰囲気なの。ちなみに山吹色なの。
これで今日は終わりにしないとかな。時間的に。
「フォル、今日はこれで帰る?」
「そうだね。あまり遅くならない方が良い。そろそろ帰ろうか」
「みゅ。おてて繋いで帰る?」
「うん」
「気をつけて」
「みゅ。またなの」
エレはフォルとおてて繋いで帰るの。
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帰り道。ちょっと暗くて見えずらい。
明かりがないから、ちょっと怖い。
「……大丈夫だよ。僕が一緒にいるから」
「ふみゅ。大丈夫なの」
「うん。これなら、後一日で終わりそうだね。エレシェフィール、その、今日は……」
そういえば、今日はお泊まりって言ってないの。なにも決めてないの。
でも、フォルが寂しそう。一緒の方が良いのかな。
「一緒なの。お泊まりなの」
「ありがと」
「ふにゅ。ついでに、明日で終わらすためにも、明日も一緒が良い。でも、無理しちゃだめ」
「大丈夫だよ。このくらいなら。心配しないで」
「するの。エレはフォルの心配いっぱいするの!」
心配しないわけないの。フォルの事すきなのに。
「……ありがと。でも、ほんとに大丈夫だから。一人でいるより、君といたいんだ。だから、一緒に行かせて?」
「そういう事なら良いの」
明日も、フォルと一緒にお知らせ。明日で終わる予定になったの。




