エレの無意識魔法
フォルとフィルのお家お泊まり生活三日目のエレなの。今日は、フォルと二人っきり。
ゼロは、にゅにゅの人格形成のために、一緒にいるらしいの。それと、しいんかい?っていうのの準備らしいの。
にゅにゅの事も気になるけど、それより、エレは、フォルと二人っきりで、どう過ごすのかが問題なの。
「エレシェフィール、時間があるから、魔法の練習をしようか」
「ふみゅ。魔法の練習がんばる」
エレだけの魔法を使えるようになるために、エレは魔法の練習をがんばるの。フォルは、エレが分かんなくても、分かるまで何度も教えてくれるから、フォルに教わるのはすき。
「フォル先生よろしくなの」
「うん。じゃあ、まずはこの前の成果から見せてもらおうかな。紙とペンを用意しておいたから、花畑を描いてみて」
この前がんばっていたから、きっと描けるの。そう思ってがんばる。
前に見た景色は、とってもきれいで色とりどりのお花がいっぱいあって、それで、ゼロが呆れていて、フォルと一緒にいればもっと楽しかったのかもって思うの。
きれいな景色を、フォルと一緒に見るのはきっと楽しいから。
そんな景色になれたら良いの。
「エレシェフィール?何書いてるの?」
「ふぇ?おはなば……ぷみゃぁ⁉︎こ、これは違うの!他意はないの!偶然なの!エレ知らないの!気のせいなの!勝手に動いただけなの!」
エレが考えていた事が全部絵に出てた。フォルと一緒なら楽しそうとか。
これは、失敗なの。記憶を消してもう一回描いた方が良いかもしれないの。
「まぁ、花畑自体は、上手いから大丈夫じゃないかな?もう一度魔法を使ってみない?」
「ふ、ふみゅ」
「ここでやって良いから」
「みゅ」
ふわふわなの。なんだかふわふわするの。でも、魔法に集中しないと。お花畑を考えないと。
ピンク色で、可愛いお部屋で、フォルと二人っきりになって、一緒にねむねむって寝るの。とっても幸せだと思うの。
「……エレシェフィール?」
またやっちゃったの。今日のエレはおかしいのかもしれないの。可愛いお部屋が生まれちゃった。
でも、完成度は高いの。なぜか。
「ぷみゅぅ」
「完成度は高い。それに、ここにいると……これは、エレシェフィールだからこそできる芸当だろうね」
ふみゃ⁉︎
良く分からない間にエレだけの魔法ができていたのかもなの。でも、何がエレしかできないのか分かんない。
フォルもやっていたのに、エレだけは分かんないの。
「エレシェフィールの想いが、特殊な魔法にしているのかもしれないね」
「みゅ?」
「可能性をもっと広めるためにも、この魔法について色々と研究しようか。安全に使うためにも、これは必要だと思うから」
研究。響き的にいやなの。やりたくないの。とっても頭を使う予感がするから。でも、エレは、エレだけの魔法を覚えたいから、がんばって研究っていうのをやるの。
でも、研究って何か分かんないの。それでもできるのかな。
「やってみるの。教えて、フォル先生」
「うん。一緒にやろうか。まずは、今使って分かった事を書いていこうよ。ノートをあげるから」
「みゅ。ありがと」
エレが分かってる事をもらったノートに書くの。
まずは、エレが考えてるものが幻覚として見えるの。あと、それに音を合わせる予定なの。まだ練習中。
他に何かあるのかな。
「君の想いが、魔法に影響を与えている。今はわずかに感じる程度だけど、これを極めれば、エレシェフィールだけの武器にもなるかもしれないね」
「ぴゅぅぅぅぅ……みゅにゃ」
理解不能なの。エレのお頭では理解できないの。エレのお頭は、魔法初心者くらいの知識しかまだないから。
もう少し知識を入れていれば理解できたのかもしれないの。でも、始めたばかりだから仕方ないって思う。
「……この中にいると、エレシェフィールが……エレシェフィールを甘やかしたくなる」
「みゅ?良く分からないの」
フォルの頬がちょっぴり赤いの。それは良いとして、それと魔法がどう関係があるのかが分かんないの。
「エレシェフィール、君は魔法を使う時に何を考えてた?」
「……ピンクのお部屋で、フォルとねむねむ……寝るの。幸せ」
恥ずかしいけど、これでエレだけの魔法に近づくなら、ちゃんと言うの。
「……うん。僕も……一緒に寝るのは、幸せ」
耳まで真っ赤にしてそれは、どきどきなの。逃げたいの。
真っ赤なお顔を腕で隠す仕草が可愛いの。でも、見てるだけでどきどき。
なんなんだろう。やっぱり、最近のエレはおかしいの。フォルと一緒だと、どんどんおかしくなるの。
でも、やだって思わなくて。不思議な感じがする。
「……多分、それが、甘やかしたくなる原因。エレシェフィールの想いが、この中にいる相手に、影響しているんだ。エレシェフィールが、して欲しい事が、僕にとって、甘やかすだから、そう思うんだと思う」
「……ぷにゅ。ほ、ほか……これって……」
世界には愛が必要。それに、エレのこの魔法。なんだか、無関係とは思えない。どんな関係なのかは分かんないけど、きっと、それには、何か重要な関係があると思うの。
「どうしたの?」
「エレの魔法って、どんなのなんだろうって思ったの。ゼロやゼムは、他の人には真似できない氷の魔法を使える。アディは、炎の魔法。イヴィは、風の魔法。それぞれ、単純でも、真似できない。エレ達の魔法はそういうのがあるんだと思うの」
エレがちょっとだけ詳しく知ってるのは、ゼロとゼム。氷による感覚麻痺。それは、ゼロとゼムだからこそできる事なの。
この先、似たような魔法を扱える人が出ても、ゼロとゼムのような魔法は誰も使えない。
フォル達もそういうのがあるの。先天か後天かは分かんないけど、それがきっと選ばれた理由だから。
それはエレも同じだと思う。
「……君って無意識に使ってる魔法についてゼロに聞いた事ある?」
「ないの」
「癒し魔法に近いのかな。何か、心当たりとかない?例えば、普段はずっと安心できないって言ってる人が、エレシェフィールの側でだけ安心するとか。いつも寝れないのに、君といる時だけは安心して寝れるとか」
「フォル?」
「僕もそうだけど、僕以外にもいるよ。それが、君が無意識に使ってる魔法の影響」
なんだか、エレが世界を滅ぼさせないようにするっていうのが少し分かったかも。エレは、みんなに愛してもらわないととか考えなくて良いかもしれない。エレが愛さないといけないにはあるけど。
恋愛とかじゃなくて、お友達……ううん。家族に抱くような愛情とかで良いの。愛する事が重要だって事を言ってた記憶あるから。
エレは、一緒にいるだけで良いんだと思う。
でも、それで大丈夫って思うためには、どうすればその魔法を使えるのかも知る必要はありそう。
「その魔法の発動条件があるの?」
「……僕が、言うべき、だよね……」
「みゅ?」
「多少の怒りは良い。でも、恨みや憎しみ……君も聞いた事があるんじゃないかな?魔物を生み出す感情。その感情を抱かないで。君のその魔法は、常に発動している。エレシェフィール、今から、届いて欲しいと願って、みんなを呼んでみて。暇な相手だけで良いから」
良く分からないの。でも、やってみる。
「暇な王達は、エレのところへ来て欲しいの」
「声に出さなくても良いんだけど」
「……みゅ」
「しばらく待とうか」
良く分からないけど、待ってみる。これだけでみんな来るのかな。
*********
来たの。ゼロとゼムとアディとリリフィンとオジュフォーレが来たの。
オジュフォーレは、智なの。いろんな知識があって、知識の魔法?エレには良く分かんないけど、とっても便利な魔法が使えるの。
「エレシェフィールに呼ばれた気がした」
「オレも」
「俺様もだ」
「私もでございます」
みんなエレに呼ばれたって、声届く距離にいないのに。理解不能なの。
「もし、エレが悪い感情を」
「それはないよ。でも、僕らの拠り所が失われて、その状態で何かあった時、世界を滅ぼさない保証はどこにもないよ。それに、君がそういう感情を抱くと、良くない魔法を無意識に発動させるかもしれないんだ」
良くない魔法。それが何か分かんないけど、気を付けておいた方が良いの。
「エレシェフィールの魔法の練習?」
「うん」
「丁度良かった。病み上がりに無理させるなんて誰もさせないから」
「俺様達で、フォルを休ませてやろぉぜぇ」
それは良い案だと思うの。エレも参戦する。




