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ぼっちは、たまに誰かを助けを求められる①

 帰ってから宿題を終え、食事と風呂の後、のんびりしていたら夜中にも関わらず玄関のチャイムが鳴った。

 母さんは三徹夜明けだから爆睡中のはずだし、父さんは、ここの所は会社に泊まるのが常になっているから家にいない。明かりが点いているから居留守も使えないし、何より三回目のチャイムが鳴らされたので緊急の訪問なのだろう。仕方がないので俺が対応する事になる。

「はい……、マジかよ」

 玄関のドアを開けたら、そこに立っていたのは大和だった。ただ、いつも見慣れている制服姿ではなく、あの怪物と戦っていた時の戦闘スーツだった。

 普通の大和でも、この時間帯に訪ねてきたのであれば驚いたはずだが、格好が格好だけに余計に驚かされる。

「というより、その格好でこの時間に訪ねてくんなよ。帰れ」

 厄介事でしかない雰囲気がするし、コイツに何を言われても助けなくても良い気はする。

「待ってくれ、この格好でいきなり訪ねたのはすまない。だが、待ってくれ、澪がヤバいんだ。手を貸してくれ」

 そう言って大和は頭を深く下げた。

 俺は数秒固まった後、大和を殴りたくなる感情が湧き上がりそうなった所を抑えて思案する。

「お前、俺に助けてくれなんて……いや、いい」

 頭を下げた大和は少しだけ苦悶の表情をした。今更、あの時の事を責めようとは思わないし、責められる立場でもないのはわかっている。

でも、お前が俺に助けてくれか…とはなる。

「その格好で、かつ氷室の名前が出たという事は、今日も学校で戦ってたのか?」

「…そうだ」

「んで、氷室がヤバいと」

「…そうだ」

「はぁ…、準備する自転車の後ろに乗れ」これ見よがしに溜息(ためいき)ついてはやる。

「いいのか」断られる可能性が強いとは思っていたのか、大和の目は見開かれる。

「助けられるかわからんが、見離すのは違うだろ」

 大和は助けないかもしれないが、氷室は関係ないからな。

「…すまん。ありがとう」

 部屋着では流石に出歩けないので、いつもの私服には着替える。制服と迷ったが、自転車の後ろに大和を乗せるので私服にする。戦闘するかもしれないので汚れてもいい服を選ぶ。そして鍵とスマホだけを引っ(つか)んで、家を出る。

「一応、状況だけ簡潔に教えてくれ」

「新種が現れて、澪がおかしくなった。操られているみたいだ。」

「そうか、何回かそういったことはあったのか?」

「今まではなかった。ただ、アイツはおそらく……いや、今いい。最近はバグの発生率が上がっている。俺も病み上がりだが、対応していた」

「そうか」

 それだけ確認すると、自転車の速度を上げるのだけに集中する。所々で警察がいないかビクビクしたが、運良く遭遇(そうぐう)することもなく、途中で大和と自転車を漕ぐのを交代しながら、何とか学校までたどり着く。

「こっちだ」

 やはりとは言っては何だが、忍び込むようなことはしないらしい。大和は校門横にある教職員用の扉を開けて中に入っていく。それに着いていくと、大和は運動場の前で足を止めた。

「あそこだ」大和が指差す先には氷室がいた。だが、やはり様子がおかしい。


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