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君と僕がみている世界の色は ~あやかしと共に生きる者たちの物語~  作者: かなたつむぐ
【第零部 そらいろ ~天色事変~】
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最終決戦

 積乱雲の中は外とは別世界で風も雨も光さえない真っ暗闇。この場所がどのくらいの広さなのかも把握することが出来ない空間。ただアメフリの啜り泣く声が木霊している。


「アメフリ、どこにいるの」とタミはアメフリに声をかける。

「この声は……タミ?」


「うん。迎えに来たよ。一緒に帰ろう」

「い、嫌だ。こっちに来ないで」


 ヨナは赤い炎、タミは青い炎を使って光を照らし、アメフリを探そうとするが炎が攻撃とみなされアメフリの雨の力で消されてしまう。為す術がなく手探りで声と空間の温度と息遣いを頼りにアメフリを探しはじめる。


「そうだわ! 天女の羽衣を使えばもしかしたら!」とタミは小声でヨナに伝え、ゆっくりと天女の羽衣を広げていく。


 天女の羽衣は天女以外に触れることができない素材で出来ており、その繊細さゆえに感知能力があり、生き物を探す時などに使用することが出来る。タミはハノイが動物や小さな妖モノを見つける時に使っていたことを思い出し挑戦してみることにしたのだ。羽衣の感覚は指先と同じような感覚を持ち、温度や質感がわかるだけではなく魂色の色も感じ取ることが出来る。


 タミは羽衣を使ってアメフリの居場所を探す。するとアメフリではない黒い塊“ナニカ”の気配と魂色の色を感じ取る。そのナニカは氷のような冷気を放ってアメフリを守るように纏わり付いている。


 タミはアメフリのいる場所に向かい、声をかける。

「アメフリ! やっとみつけた! さあ、帰ろう」

 タミは茫とアメフリを真直ぐ見つめ手を差し出す。アメフリはタミの存在に気づくが耳を塞ぎ丸く縮こまって震えている。タミがそっとアメフリに触れと、アメフリはとは別のモノが喋りだす。


「此奴に近づくな。こんなに悲しみに溢れた者は滅多におらん。心地の良い宿主だ」

「アメフリ! 帰ろう」


「五月蠅い! 小娘め! 消え失せろ」

 アメフリに纏わり付くナニカがアメフリの力を操り大きな水爆弾を放つ。ヨナはいったん距離を取りアメフリの攻撃を炎を纏った翼で跳ね返す。その反動で二人は吹き飛ばされてしまう。


「うわああ」

「タミ、大丈夫だ。お前は俺が守る。だからお前は前だけをみていればいい」


「わかった! 父上」

 タミは自分が何も出来ないことに憤りを感じはじめ、何か出来ること考える。タミはアメフリとナニカの魂色が何色かを感じ取ろうと深く“想い”はじめる。


 タミが魂色を辿る一方、ヨナとアメフリの炎と水の攻防戦が続く。アメフリの状況によるのかナニカの戦略によるのか水爆丸の大きさや形が変化していく。その攻撃に合わせヨナも炎の威力を調整しアメフリ自体に致命的な攻撃が当たらないようにしている。アメフリとナニカの体力妖力の消耗待ちを考えたヨナだったが、アメフリたちを纏う黒いオーラはどんどん増していき攻撃力も強くなっていく。そして距離が離されていく。


 黒いオーラは人や妖モノの恐怖心が近くにあるだけで増していくのだ。タミたちが戻らないことで地上にいる妖モノたちの不安な心がアメフリたちに力を与えていってしまっているのだ。


 ヨナはこのままではアメフリに近づくことが出来ないと判断し攻撃を止め一旦距離を取る。ヨナは大きな水の玉を作り、タミはその中に青い炎を入れ、大きく丸い灯篭のようなものをつくり出し真っ暗の空間を明るく照らす。


「ま、眩しい」とアメフリたちは目を閉じる。

 その隙にアメフリたちとの距離を一気に詰める。よく見るとアメフリは真っ黒な雲のようなモクモクした姿になっていた。雲のようなものは翼となって飛んでいった黒い塊のナニカでアメフリを守るように抱きしめるかのように包み込んでいる。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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