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君と僕がみている世界の色は ~あやかしと共に生きる者たちの物語~  作者: かなたつむぐ
【第零部 そらいろ ~天色事変~】
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天色と想い力

 別の一部の天狗と妖力が高い人間たちは言音が中心となり妖力を集め、その妖力を使い大天狗の長が巨大な天狗の羽団扇で台風そのものを吹き飛ばそうとしていた。


 人間と妖モノたちが一斉に力を使い、大きな積乱雲が跡形もなく消え去ったかのようにみえたのだが……すぐにモクモクと大きな積乱雲の形へと戻っていってしまう。そして再び、大雨と雷と風と波が激しくなっていく。


 その攻防を何度も間繰り広げていたのだが、一人一人と力を使いすぎた者たちが倒れていく。それでも人間たちを救おうと妖モノたちは力の限り戦い続けている。


 大天狗の長が最後の力を振り絞って大きな声をあげながら巨大な天狗の羽団扇で一振りすると、空と海は時間が停止したような形となる。しかし……一時的に止めることは出来ても巨大な台風消すことが出来ず、大雨と雷と風と波が激しさを増していく。


 その光景を見たタミは想いの力を使う。目を閉じ両手をぎゅっと握る。

“想いの力よ! 私に力を貸して! 私の声を妖モノたちに届けて”


“またお前か。簡単な願いだ。叶えてやろう”


「皆、私の話を聞いて。今、人間の世界では大災害が起きているの。このままでは人間たちがたくさん死んでしまう。だから力を貸してほしいの。皆の想いの力を少しわけてほしい。お空がお天気になるようにって心の中で願ってほしいの」

 タミの声は人間の世界にいる妖モノたちへと声が届くが、この場に集結していない無関心な妖モノたちには空耳のように聞こえてしまっている。


“ほう。想いの力をわけろと、その願いは……かなり高くつくぞ”

“どうすれば叶えてくれる?”


“そうだな……お前の治癒の能力と引き換えはどうだ? そうすれば良い物(・・・)もつけるぞ”

“わかった。それでいい。お願い! 力を貸して”


“へへへ。お安い御用だ”


 タミから金色のオーラが湧き出し、そのオーラはタミから分離し空高くへと飛んでいく。オーラがなくなったのと同時にタミが持つ天女の羽衣が現れる。天女の羽衣はさまざまな能力を持つ。そのうちの一つである羽衣をみたものを魅力するという力を持ちながら疾風のごとく大きく広がっていく。羽衣が通過ると桃の香りと桃の花びらが舞い落ち、嗅覚と視覚で関心を向けさせる。そして魅了された者たちは意識を一時的に奪われ、想いの力を譲渡してゆく。


「皆の想いの力よ! 届け!」

 悪戯好きの妖モノたちも人間たちを温かく見守っている妖モノたちも人間に関心を持たない鬼たちもたくさんの妖モノたちが一丸となり、人間たちの平和な世界を心から願う。妖モノたちの想いの力はタミの元に集まる。想いの力は大きな光の玉となり、タミはそれを巨大台風に飛ばし包み込む。


 雨も雷も風も波も消え、空も晴れるが……一つの巨大な積乱雲だけが海の上に残る。積乱雲は形状を変え、雲の真下は真っ黒になるくらいの大雨で、竜のような雷が周りを囲っている。


「こんなにたくさんの想いの力が集まっているのに想いが届かない……どうして」

「アメフリには心が……魂色(こんしょく)がないから、届かないのか……」


「父上、アメフリにも魂色があるの。きっとね、何重にも黒い幕がかかっていて見えなくなっているの」

「そうだったのか」


「わかったわ! 父上! アメフリの元へ連れて行って。アメフリに触れることが出来ればもしかしたら」

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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