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君と僕がみている世界の色は ~あやかしと共に生きる者たちの物語~  作者: かなたつむぐ
【第零部 そらいろ ~天色事変~】
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戮力協心

 ヨナは地面に水で陣を描き、妖モノの世界にいる大福を呼び出す。呼び出された大福はいつものようにヘソ天でグーガーグーガーと鼾を立てて爆睡していた。ヨナは手のひらサイズの水玉を作り大福の顔に落とす。大福が目をギョッと見開き起き上がり、口に入った水をピューと吐き出す。


「うにゃあ! 溺れ死ぬだろ」

「あ、だーふくが起きた!」とタミは大福の頬をツンツンする。


「おそよう、大福。仕事だ! 言音様に至急伝言を頼む」と言ってヨナは正四角形の紙を取り出し、鶴を折る。一本の髪を抜き取り掌にのせ、ふーっと小さく息を吹き付ける。すると髪は動き出し鶴の首に巻き付く。

「ああ、わかった」

 大福は鶴の折り紙を口に咥え、大きな化け猫の姿になり、猛スピードで空を飛んでいく。


 本来、ヨナは飛ぶのも早いのだがタミが一緒のため大福を呼び出し、いち早くアメフリの情報を届けることにしたのだ。大福を見届けながらヨナはタミを抱え空高く飛んでいく。





* * *

 その頃、海が見える丘では妖モノたちが二班にわかれて行動を開始していた。一班は人間の姿に化けられるモノたちが各地に散らばり、人間が危険な場所にいかないように誘導をはじめる。二班は言音たちのような妖モノがみえる人間たちと大天狗や鬼たち、天候や自然を操る力を持つ者たちが巨大台風を食い止めようと集まっていた。


 空模様は時間が経つにつれ悪化していき、巨大台風は発見された時の三倍の大きさに変化していた。目にはみえない形をしていたものが巨大竜巻のように目に見える形に進化していた。アメフリとアメフリについたナニカが巨大台風の中に入ったことにより勢力が増してしまったのだ。


 タミはヨナに抱きかかえられ、大天狗と鬼たちの集まる場所に降りていく。


「わあ、すごい。妖モノたちがいっぱいいる!」

「タミ。ここからは危ないから、お母さんのところで待っていなさい」


「いやよ。私もお手伝いする」

 タミはヨナの腕をしっかりと掴み、離そうとしない。


「父上! 言葉が教えてくれたの。どんなモノにもココロがあるって! だから、アメフリにも……想いは届くはずだよ!」とタミは涙目で必死にヨナに訴える。


 空は大雨と雷が海では風と波が激しくなっていく。このまま巨大台風が近づけば大災害になってしまう。大災害が起こる前に巨大台風を消し去ろうと二班の人間と大天狗や鬼たちが整列する。天狗や鬼たちは人間には見えない壁を作り被害を最小限に抑えろうとする者たちと、台風そのものを分解させようとする者たちに別れ、昼夜問わず行動していた。


 妖モノたちが防御壁を作るが自然の力との差は歴然で木や岩などの物体は弾くことが出来るが、雨風はほとんど防げない状態。それでも無いよりはということで何時間も守り続けており、台風そのものを分解させようとする者たちはそれぞれが得意とする力で試みるがどの力も反応する気配がないまま時間だけが過ぎている。そんな状態が何日も続いているが妖モノたちは諦めずに自然の脅威と戦い続けている。


 一つの場所に何百という妖モノたちが集まり同じ方向を向く。そして人間を助けたいという共通の想いを持つ。ほとんどの人間には妖モノたちはみえていない。しかし妖モノたちは人間たちが人間の世界が好きなのだ。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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