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君と僕がみている世界の色は ~あやかしと共に生きる者たちの物語~  作者: かなたつむぐ
【第零部 そらいろ ~天色事変~】
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タミの誕生

 生ぬるい温度を感じる小雨が降り、灰色の雲で覆われた空。昼前だというのに暗く霧がかっている。空から見下ろした町の景色は真っ白でオレンジ色の街灯の灯りが星座のように点々と見えている。


「空よ! 晴れろ!」


 長い銀色の髪を靡かせ金色と白金色の翼を生やしている声の主は、空を見上げ、黄金の目をキラっと光らせ、翼と両手を広げて大声で叫ぶ。そして、人差し指で空に向かって横に一本の線を描く。その線は雷のような閃光を放ち消えていく。しばらくすると雨はピタリと止む。次に指で雲の中心に円を描きパチンと指を鳴らす。すると円の中心から雲が引いていき空は雲一つない晴天となる。


「今日は特別な日だ。雨を望むものがいたとしても今日の今だけは晴れにさせてくれ」


 声の主は大天狗のヨナ。

 ヨナは太陽に会釈し、高鼻の天狗面を被り森へと消えていく。


 大天狗は妖モノの中でも特に妖力が強く色んな能力を持つとされている。中には自然を自在に操る者、天変地異を起こす者もいるという。





 今日はヨナの子、タミが生まれる日。


 本来ならば常に晴れている妖モノが集う場所で誕生を迎えるべきなのだが、大天狗の妻、天女のハノイの希望で人間界での出産となった。妖モノの世界には雨の日に生まれると不幸が訪れるという言い伝えがあり、大天狗はこの地の天気を晴れにしたというわけである。

 




 数時間後。

「おぎゃあ」と声を上げる赤子。七色の光の玉に包まれタミが誕生した。ヨナ夫婦は手を握り抱き合った。

 タミは生まれてすぐに眸を開け、口を大きく開けた笑顔を見せる。そして「きゃあ~あ」という声を上げたかと思うと両手を広げ、天井を炎の海にしてしまう。タミの炎は青色で触れても熱さはさほど感じないが燃えるスピードは通常の炎より何倍も速い。


 ヨナは小さな滝を呼ぶがタミの炎が強すぎて消すことが出来ない。今度は砂嵐を呼ぶが消すことが出来ず、雹を降らせ氷の塊で押し付けても消えず、他にも色んな方法で消化を試みるが消すことが出来ずに建物に結界を張ることになった。結界の中に海を創り出し、炎が消えるのを待つ。そして数時間が経ち、炎は消えたが建物も跡形もなく消えてしまう。


 タミの力の制御が難しいと判断した両親は、急ぎ妖モノの世界へ向かう。タミはハノイの羽衣に包まれぐっすりと眠っている。


 タミは大天狗と天女の子供で二人の力を併せ持ち誕生したのだ。所謂、異端の子として生まれたタミは今までに存在しない能力を持って生まれてきた。ハノイは生まれ育った人間の世界で人として生活することを望んだが、タミの力が大きすぎるため妖モノたちが住む世界で暮らすことを決断する。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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