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君と僕がみている世界の色は ~あやかしと共に生きる者たちの物語~  作者: かなたつむぐ
【第一部 きみいろ】
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第十五話 如法暗夜

 なんだろう、目の前が真っ暗だ。

 そもそも私の世界なんて絶望しかないのだから真っ暗で当たり前か。

 

 真冬の中にいるような凍えそうな寒さ。

 それなのに足元は氷ではなく冷たい水が張っている。

 どこをみても真っ暗で進むべき方向がわからない。



 これが……死ってことなのかな。



 “……は!”

 声が聞こえる?


 ”いろ……”

 誰?


 "彩羽(いろは)!"

 イロハ? 誰の事?


 "彩羽! のみこまれてはダメよ"

 女の人の声?

 彩は眩しい光に包まれる。



「彩!」

 この声は……葉くん?


 彩はハッと目を覚ます。

 辺りをキョロキョロと見渡すが、声の主は見当たらない。目の前には雪女が仰向けで倒れている姿がみえる。


 あれ? なにがあったんだっけ?


「大丈夫……みたいだね」

 葉は目に涙をため、フニャフニャの笑顔で彩の頬に触れ、緊張が途切れたのかその場にペタンと力が抜けたように座りこんでしまう。


「心配したにゃ」

 大福はゴロゴロと喉を鳴らしながら彩にスリ寄る。


「あ、うん。あんまり覚えていないけど大丈夫そう」


「力があるのはわかってはいたが……まさか自分でなんとかするとはな」

「なんにしろ、結果オーライだ」

 ワンタンと金平糖もこの状況に驚き、二匹で顔を合わせフムフムと感心している。


「な、なにが結果オーライだ。そいつの中にいるやつはなんだい……」

 雪女が咳ばらいをしながら、彩を指さす。


「バイラアイス、何を言っているんだい?」

「お前こそ、そのネーミングセンスをいい加減どうにかしろ。ってそうじゃない。そいつの中に何か入っているぞ」


「リン」

 葉に指示され、リンは彩の額に手をかざす。

 リンには感知能力があり、一度触れたことがあるモノになにかしらの変化があった場合、感知することが出来るのだ。


「何も感じません……」

 リンは戸惑い顔で葉をチラリとみる。


 ワンタンは眉間に皺を寄せ「雪よ。お前は嘘つきで悪戯ばかりするから封印され続けてるってことがわからないのかね」と呆れた様に言う。


「いや、今回は嘘じゃない。アタシの首をみろ。この痣が証拠だ」

 雪女の首元には人の手の形をした痣が付いている。


「なんだ? 自作自演か?」

「懲りないやつだな」

 ワンタンと金平糖は蔑みような目で雪女に視線を送り、葉とリンと大福は憐憫の眼差しを向ける。

 

「ア、アタシは嘘なんて……」

 雪女は涙を流しながら訴えるが誰からも信じてもらえない。


 彩は無表情で慌てふためく雪女の様子を見守っている。


 ああ、可哀想に。普段嘘をついているとこうなるよね……知っている。

 妖モノがみえない人からしたら私はただの嘘つきだったから。

 私もよく言われたな。誰も信じてくれないんだよね。


「信じ……て」

 真っ白な雪女から黒いモヤモヤしたものが溢れ出し、黒いものに包まれていく。そして雪女は真っ黒な髪に真っ黒な目、真っ黒の着物に変化する。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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