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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

空っぽになったドラゴンスレイヤー

作者: てとてと

 魔剣士のラーレと魔法使いの恋人リーマと始めたパーティー『明けの輝き』は、複数のパーティーを抱えるクランに成長した。

 ドラゴンを討伐したのも大きかった。

 いくつものパーティーを傘下に抱え、幅広い種類や難易度のクエストを安定して成功できるようになった。

 ラーレは若いながらもクランマスターとして活動し、クエストの現場に出ることは少ない。

 さらに所属しているファーストパーティーの『明けの輝き』もメンバーがそれぞれ後進の育成に力を注いでいるため、パーティーとしては休業状態であった。


 リーマはクランが安定してきた辺りで、ラーレのサポートのような位置付けになった。

 現在はクランの主要メンバーからは外れ会議にも出席することはない。

 関係は順調で先日はピロートークの中で正式に式を挙げて子供を作り、家庭もクランもさらなる発展を目指そうと話したばかり。


 順風満帆、まさに仕事も恋愛も順調で幸せの絶頂だった。

 無敵だと思っていた。

 いや、ついさっきまではそうだった。


 ラーレはどん底にいた。


 ☆ ☆ ☆


 今日はクランの定例会議で終日缶詰めになる予定だった。

 ところが、セカンドの『青の旋風』とサードの『頑強な壁』が、至急のクエストを受諾することになり会議に参加できなくなった。

 最近は現場に出ていないファーストの『明けの輝き』だけで会議をしても、ということで会議は近況報告だけをして延期。

 議事録作成のためにいくつか準備した録音機(魔道具)も1つしか使わなかった。


 今日は定例会議で人員はクランに集中する予定だった為、自宅を使う予定はなかった。

 そうだ。リーマに会いに行こう。

 リーマは自宅で手持ち無沙汰にしているだろうし、たまには自宅で昼飯もいいかな。

 ついでに録音を聞いてもらって現状の確認と相談もしようと思った。


 いつ会っても愛しさは変わらず、いや日々増えているくらいだった。

 リーマと会うことを想像して微笑むとラーレは腰を上げた。


 ☆ ☆ ☆


 クラン近くにある4階建てアパルトメントの3階と4階のフロア全部をラーレとリーマは借りて住んでいる。

 元はどこぞの貴族の別邸用だったのを改築し、3階は訪問者の宿泊用で4階が2人暮らしには広すぎるが住居と歓待用に造ってある。

 研修の受け入れだったり、ギルメンが相談に訪れたり、パーティーを開く必要もあるため、中々利用度が高い。


 自宅への道すがらラーレは、今までのことを思い返していた。

 悲喜こもごも、たくさんのことが起きた。


 特にリーマとは10歳でスキル開示の儀を受けたときからの付き合いで、もう十数年になる。

 冒険者だからと、結婚もせず、子供も作らず、冒険の成果とクランの成長が二人で築き上げてきたものだった。

 順当にクエストをこなしてきた。ここの辺境伯や辺境伯配下、辺境伯領都の有力者からの多少ダーティな依頼もこなしたため顔繫ぎもできている。

 次のステップとなると、クランの知名度を上げ、他の都市へクラン支部を作っていくことか。


(ゆくゆくは国の中枢・・・か。ま、夢物語だな)


 ここ領都と同等以上に冒険者が活躍できる場所となると限られてくる。

 いくつかのダンジョン都市、他の魔の森や竜山脈近くの都市だろうか。

 連携を取りやすく実利も取りやすいのはどこだろうか?

 いっそ国をまたぐか?


 しかし、リーマの顔を思い浮かべるとクランの発展よりも自分の家族が欲しくなった。

 リーマとの子供が欲しい。

 愛おしいリーマと愛の結晶。

 にこやかに笑い合う日々。

 そんな希望を思い浮かべながら自宅への足は弾んでいた。


 ☆ ☆ ☆


 自宅に帰るが、リーマの姿はない。

 リビングには食べ終わった食器がそのまま残っている。

 2人分だ。


「?」


 飲みかけのワイングラスに、嫌な妄想が頭を過る。


 食事が残っているのだ。自宅にいるはずだ。

 来客ならこんな状態で席を外すはずはない。


「まさか・・・な?」


 手は震えている。

 心臓の音がうるさい。


 最初に寝室を選んだのは、もう確信していたからだろう。

 案の定、寝室に近付くにつれ、パンパンとリズミカルに打ち付ける音と人の声が聞こえてくる。


「トリオもっとぉ・・・」

「ラーレに悪いとわ思わないのか?」

「・・・だってぇ・・・いいのぉ・・・」


 バチーン


「ひゃん」


 と何かを叩いた音に合わせて小さい悲鳴が聞こえる


「尻叩かれて喜ぶのか?」

「ああぁ・・・いいっぃ・・・」


 意味が分からなかった。

 拳を力いっぱい握り締める。

 頭に血が上る。

 このまま突撃して叩きのめせば溜飲を下げることができる。

 辛うじての所で理性が勝ったのは、クラン運営で鍛えられたからだろうか?嫌な成果だが。


 呼吸を落ち着け、自分の足にナイフを突き立てる。


「つぅぅ・・・」


 痛みにすべての感情を乗せる。


(今できることをしなければ)


 ここで叩き潰すのは醜聞が広がるだけな気がする。

 リーマが落とされた理由も知らなければならない。


 トリオは確か2年前くらいにクランに加入したはずだ。

 何らかの外力や悪意があったなら、根本から叩き潰さなければならない。

 何も理由がなくて二人が惹かれ合っただけなら二人に地獄を見てもらうだけだ。

 これは絶対だ。

 

 しかし、ここで聞き耳を立てるような気力はない。


 ポケットに入れていた録音機をオンにする。

 廊下に置いてはバレるだけだ。

 室内の入り口には女神像が置いてあり、リーマが像に衣装を着せていて録音機を隠せる部分がある。

 ドアを開けなければいけないが、気付かれたらそのときは仕方がない叩きのめす。


 ドアを開けると二人の嬌声と睦会う音が大きくなった。

 録音機を女神像に隠し、ドアを閉める。

 しばらく様子を窺うが気付かれた様子はない。


 不貞された怒り、秘密の作業。

 心臓は早鐘のようだ。


(無理やりには聞こえない)


 足の痛みより、その現実がなによりも痛かった。


 ☆ ☆ ☆


「おかえりなさい」


 笑顔で迎えてくれるリーマは、昼の痴態を微塵も感じさせないほどいつも通りで愛おしかった。

 ただいまのキスをしてハグをする。


「ただいま」


 苦しくなった胸と沸き上がる怒りを抑える。

 表情に出たのか。どこか違ったのか。

 リーマは何か違和感を察したようだった。


「よくない話でもあった?顔色が悪いわよ?」


「ああ、旋風と頑強がクエストに駆り出されてね。会議は近況のすり合わせだけになったんだ」


「そうなの?」


「ああ。そのあとてんやわんやで俺達も駆り出されたんだ。久しぶりの戦闘でちょっと鈍ってたのがショックでね」


「あら、あなたらしくないわね」


 たおやかにリーマは笑う。

 ここに戻ってきたこと以外に嘘は言っていない。

 いや本当のことを言っていないだけだ。

 思わず拳を握ってしまうが、我慢だ。


 『女は生まれながらの女優だ』なんて誰が言った?

 どこかの詩人か哲学者か?あるいはハーレムキングか?

 

 なんなんだ?

 こうはっきりと体験されられると背筋が凍る。


 リビングは整っていて来客があったことを毛ほども感じない。

 昼のあれは妄想か?

 そう思ってしまうほど、何もない。

 リーマの様子もいつも通りだ。


「着替えてくるよ」


「はーい」


 そう言って寝室に向かう。


 寝室はいつも通りだ。

 シーツは綺麗にピシッと張られている。

 あれだけ激しくやりあっていたら何か残っていそうなものだけど、情事の匂いは跡形もない。


(やっぱり妄想か?)


 本当は怖かった。

 信じたかった。


 女神像を探すと、録音機は確かにあった。


 ☆ ☆ ☆


 トリオは最初のパーティーメンバーが重傷で再起不能になってパーティーが解散。

 いくつかの国とパーティーを渡り歩いてうちに来た。

 経歴に不審な点はない。

 どこにでもいる。よくある渡りの中級冒険者らしい経歴だ。


 ポジションはシーカーでサポート職か。

 クランでも特定のパーティーで活躍するのではなく、シーカーが必要なクエストにスポットで参加して成果をだしているようだ。

 リーマは後進育成には参加していない。

 どこでリーマと接点があったのだろう?


 パーティーや打ち上げだろうか? 

 狙ってなら外出時に偶然を装って接近したか?


 リーマが事実上の妻であることはこの街にいる人間の多くは知っている。

 クランメンバーなら知らない訳がない。


 いくつもの国とパーティーを経てきたのだ、バレたときのリスクを知らない訳が無い。

 普通、命のやり取りになる。

 立場ある人物の妻なら制裁も苛烈を極める。


 短慮な恋愛ではない?

 バレてもいいのか?

 もしかするとバレるのが前提か?


 調べる必要があるな。

 クランメンバーではだめだ。

 まだ不信という不協和音を鳴らす訳にはいかない。

 鳴らすにしてもコントロールする。


 依頼を出すか。


 ☆ ☆ ☆


 守秘義務契約のもとトリオの素行調査と経歴調査を依頼した。

 うちにもいない高ランクの冒険者が掴んだ内容には失望を隠せなかった。


 逢引きしていたのは3・4日に1度のペースで普通に連れ込み宿を利用していた。

 今までバレてこなかったのはトリオのスキル、隠蔽や気配遮断あたりが原因だろう。

 

 自宅のあれは油断したか?


 それにしてもトリオは他の女には手を出すどころか粉をかけてもいない。

 不自然だ。

 こんな行動をするヤツが一人落として満足するはずがない。

 リーマとの関係はそこそこ長そうだというからなおさらだ。


 どいつが糸を引いている?

 クランか?貴族か?


 うちを狙うメリットはなんだ?

 冒険者ギルドの中核にようやく食い込み始めたクランを狙うメリットはなんだ?


 リーマのことが明るみになるとどうなる?


「ふぅ」


 ため息をつく。

 リーマは切らない訳にはいかない。

 そうしなければ舐められる。

 俺もパーティーもクランも尻すぼみになって終わる。


 鎌をかけるか。


 ☆ ☆ ☆


 どうしても前のようには愛せず、リーマとの行為は単調になった。

 心配されたけど、こればかりはどうしようもない。

 着々と証拠が固まってきて、うつろな心が酷く乾く。


 腕の中にリーマを抱いてピロートークをする。


「支部を出そうと思う」


「ついにね!」


「ああ。これから方々に根回しも必要だけど、恐らくうまくいくだろう」


「場所は決めてるの?」


「まだ俺の考えだけなんだが、アトリダンジョン街、パフェイル領、ドァーズ公国辺りを考えてる」


「・・・どこも冒険者が必要な所ね。うん、どこになっても応援するからね」


 リーマが優しくキスをしてくる。


「ああ。頼りにしてるからな」


 ぽっかり空いた心には優しいキスも響かない。

 ただただ虚しい。


 ☆ ☆ ☆


 トリオは動いた。

 支部開設の動きを報告するためだろう。


(こんなに早くか・・・)


 追跡の結果分かったのはここの辺境伯だった。


 保険のためらしい。

 冒険者ギルドの中核になって手が出せなくなる前に弱みを作りたかった。

 托卵でも狙ってたか?


 ざけんな。


 ☆ ☆ ☆


「つぶすか」


 このクランもリーマも辺境伯も潰す。

 多少鈍っているとしもドラゴンスレイヤーを舐めて無事で済むと思うなよ。


 ただ、根回しは必要だろう。

 俺の今後はどうでもいいが、他の奴らへの影響はできるだけ抑えたい。


 金は使うためにある

 二人の為に、これからできる家族のためにと蓄えてきたものも、もう不要になった。


 辺境伯、領主を討つのだ。

 ただの反乱で済ませるわけにはいかない。


 いくつかやったことがある。


 一つは、吟遊詩人に悲恋と復讐のサーガを広めさせること

 一つは、冒険者の噂でこの復讐譚を広めさせること

 一つは、クランの解散と財産の整理

 一つは、自身のブラッシュアップ


 解散は公表していない。トリオと繋がっていない主要メンバーへのみ相談と報告をしてある。

 最終的には俺を討つことで反乱の幕引きになるようにしてある。


 この辺境伯領では俺より強い人物はいないはず。

 ドラゴンを討伐すると得られるスキルがすべての能力を底上げするからだ。

 明けの輝きのパーティーメンバーたち、同じくドラゴンスレイヤーになった彼らが協力したなら俺を討てるだろう。

 魔剣士のドラゴンスレイヤーはとても強力なのだ。

 だから弱みを作りたかったのだろうが、手を誤ったな。


 辺境伯の城は瓦礫にする。

 そして城からは誰も生かしては帰さない。


 ☆ ☆ ☆


 サーガも噂も他国の遠い地域から広まるように手配してある。

 どこの出来事とは明言していないから、俺が立つまではここの出来事とは特定できない。

 そろそろこの国にも入ってきているはずだ。


 そろそろか。


「リーマ」


「なぁに?」


「大事な話がある」


「うん。どうしたの?」


「クランを解散した」


「えっ?ど、どう・・して・?」


「俺はリーマと愛し合っていると思っていた。前にも話した通り、これから子供を作って家族を作っていくつもりだった」


「うん。わ、私もだよ?」


「今までありがとう。何も知らなければ俺は幸せだった」


 はっとしてリーマは震えだした。


「もうなぜとは聞かない。トリオはもう潰した」


 トリオと聞いた瞬間、リーマの顔から血の気が引いていった。

 人の顔色はこんなに変わるもんだなと冷たい感想を抱いた。


 録音機を取り出し目の前に置く。

 録音機からリーマとトリオの嬌声が再生される。


「誰の子を産むつもりだった?」


「えぁ、あ、」


「お前の立場で不貞が起きれば、不貞の子が生まれればまたとない醜聞になる。クランを潰すほどの・・・な」


 ため息が出る。


「・・・」


「辺境伯は不貞の子をネタに俺達をコントロールするつもりだったらしい。あるいは目障りになったとたんに使って潰されるかだ」


「ち、違うの!そんなつもりじゃ!」


「だからどうでもいい。クランは解散した。トリオは潰した。ほら」


 用意していたモノをリーマに投げ渡す。


「ひっ」


 それはトリオの首。

 さんざんに痛めつけられ、拷問の跡がはっきりと残った生首だった。


「あぁぁぁぁ」


 リーマは恐怖のために椅子から転げ落ちる。


「お前はここでは殺さない。生きて不始末の結果を見届けろ」


 ☆ ☆ ☆


 突然上がった爆発音に辺境伯の城は慌てふためいていた。

 何者かの攻撃なのは明白だった。


「迎え撃て!」


 しかし、剣戟の音すら響かなかった。

 オーラを纏った侵入者は剣戟を受けても無傷。

 攻撃を受ければ剣も盾も鎧もバターを切ったかのようにあっさり切り伏せられる。


 隊長はそのオーラを纏った人物を知っていた。


「ら、ラーレ!ドラゴンスレイヤーだ!」


 ☆ ☆ ☆


 虚ろな表情の侵入者、ラーレは次々と衛兵を倒していく。


「なぜ!あなたが!」


 返答もせずラーレが剣を振り下ろす。

 剣からでたオーラは隊長をあっさりと両断した。


 ラーレは手当たり次第にオーラを撃ちだして人を建物を破壊していく。

 抜け道は先に潰してある。

 生きるためにはラーレを倒すしかない。


「ま、待て!」


 一際豪華な衣装を纏った一団が現れた。 

 ラーレは一瞥すると攻撃を止める。


「まて!我は辺境伯ルダック・ルワークナである。そ、そなたはラーレ!なぜこのような真似を!」


「ふん。お前の指示で妻は不貞を行った。元凶を絶つ」


「そ、それしきのことで!」


「それしきだと?不貞の子で弱みを握るつもりだったのだろう?こういう結末も想定していたはずだ。俺は頭が弱くてなこれしか考えられん」


 ブゥン


 側控えの執事が動いたため両断する。


「動くな」


 ルダックの妻子は生きた心地がせず座り込み失禁している。


「俺はお前の策略のせいで愛する妻を奪われた。クランももう無い。こうなってどう始末をつける?」


「始末など!あぎゃ」


 ルダックの腕が宙に舞う。


「なぁ。どうするんだ?」


「わ、わしだけはない。王族貴族がすべてのクランの手綱を握っておる。おぬしは全てを殺すつもりか!」


「他はしらん。お前が貧乏くじを引いただけだろう」


「な、な、な」


「これが何かわかるか?」


 ラーレが手持ちの道具を見せる。


「つ、通信機!」


「そう。今いくつかの冒険者ギルドと王宮につながっている。聞こえるか王族!次はお前らだ!」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」


 剣を横に振るい、ルダックを家族諸共両断する。


 ☆ ☆ ☆


 辺境伯城近くの山の頂に俺はいる。


 以前はここから見えた辺境伯の優雅な城も、今は瓦礫の山だ。

 ここから王都まではあまりにも遠い。


 今頃すべての冒険者ギルド員が徴収されて軍と共に俺の討伐に向かっているだろう。

 元クランメンバーも討伐に加わっているはずだ。

 王都までは辿り着けない。


 打ち合わせ通りなら、地位保全くらいは条件につけているだろう。

 他のクランは参加するか?


 王都の方角も直線的なコースも調べてある。

 

(やるか)


 剣にすべての力を込める。

 オーラを魔力を気力を、すべてを剣に載せ突き出す。


 視線の先の王都を狙って。


 ☆ ☆ ☆


 その日王都は瓦解した。


 大地を抉りながら進んできた何かは王都を分断し、王城に直撃した。

 王城を食らっても止まらず、そのままの勢いで突き抜けていった。


 一直線に抉れた爪痕が大地に残った。


 ラーレは討伐された。

 記録では『明けの輝き』のメンバーによる討伐とされている。


 しかし、メンバーがラーレの元に辿り着いたときにはラーレは力尽きていた。

 ミイラのように干乾びた姿から、生前のラーレは想像もできなかった。

 辛うじて握り締めていた愛用の魔剣と婚礼の指輪が身元を示すだけだった。

 メンバーは首を落として討伐とした。


 ラーレの反乱はラーレの討伐によって幕引きを見た。

 しかし、以前からサーガや噂として巷間に広がっていたものと一致したため同情の声も大きい。

 

 王国は遊学中の王子を擁立し再建したが周辺国からの立場は落とした。


 『欺くなかれ』


 王国が得た評価と教訓だった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 凄く面白かったです!! ラーレの最期の生きざまが凄くカッコよかったです。 こういう散り方もバッドエンドだけど武人としては本懐かもしれないですね^^ しかし、ドラゴンスレイヤーを舐めすぎ…
[一言] ダイの大冒険でもそうだったが、竜殺しは竜より弱いと思うか?問題。 確かに不貞と醜聞による足かせは物理ではどうにもならん問題だが、元凶を断てば意味がない。 足を縛る鎖が切れないなら建物を壊せば…
[気になる点] リーマ的には、ただの火遊び感覚だったのかね? 子供出来たらとか、事件が起こる前とかラーレ変だったのも気づかずか。 [一言] ラーレ本当に死んだのかな? それとて偽装とか。 リーマは、…
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