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90話 再び

ノース編の始まりです

どうぞお付き合い下さい。

ルガード国の宮殿では大勢の貴族を招いての舞踏会が開かれていた

怪我の治療のため長らく療養していた国王が正式に政務に復帰した快気祝いの催しだった


国王は娘であるヒラヌルに刺されたが一命を留め、ようやく国政に復帰できたのだ

国王が療養中は皇太子であるベルナルドが代理で国政を担っていた

ベルナルドは実の妹が父である国王を殺害しようとした事、そして愛妾・ジュリアの失踪と立て続けに不幸に見舞われたが、国王の代理を立派に勤めあげた


王女・ヒラヌルは国王を刺した罪をクリスティーナ・ルナ・オルドリッジに被せようとしたが失敗に終わり、自分が幽閉されるという結末を迎えた


「国王陛下、ご回復を心よりお慶び申し上げます」

クリスとヴァレンタインは玉座に座る国王と皇后の前まで来ると挨拶をした


「クリスティーナ嬢、ありがとう

レイメント伯爵も遠い所をわざわざ来てくれて感謝する」

国王に声を掛けられクリスとヴァレンタインは深々と礼をした

「今日は私の快気祝いだ

ささやかだがゆっくりして行ってくれ」

「ありがとうございます」

クリスとヴァレンタインは挨拶を終えると、国王の前を退出した


「国王陛下、お顔の色も良くて安心したわ」

「そうだな

でも皇太子の方は大変だったみたいだな」

ヴァレンタインに言われ、クリスは招待客に挨拶をしている皇太子を見た

確かに以前より随分痩せてしまっている


「お気の毒に…」

最愛の恋人・ジュリアの失踪にうちひしがれている暇もなく、国王の代理に立たねばならなかったのだ


ジュリアの正体は怨念の塊だった

クリスやヴァレンタイン、エリザベスによりジュリアは封印された

だがそれをベルナルド皇太子に話すと更にベルナルド皇太子を傷つけるだろう

そう考えたクリス達は沈黙する事に決めたのだ


クリス達の視線を感じたのか、ベルナルド皇太子が気づいて近づいてきた

「クリスティーナ嬢、レイメント伯爵、ようこそ」

「お久しぶりです、ベルナルド皇太子殿下」

クリスとヴァレンタインが挨拶をした


「国王陛下のご療養でご苦労されたのでしょう

随分、お痩せになりましたね」

クリスが心配そうに見つめた

だがベルナルドは笑いながら

「そうですね、国王陛下の代わりは大変でした

ですがそのお陰でダイエットになりましたよ」

ベルナルド皇太子は思いのほか元気そうなので、クリスはほっとした


「クリスティーナ嬢には国王陛下襲撃時に大変なご迷惑をお掛けしました

改めて謝罪いたします」

「恐れ入ります」


一時とはいえ、クリスは国王襲撃の容疑者として拘束されたのだ

ヒラヌルはクリスの婚約者であるヴァレンタインに横恋慕し、あの手この手でクリスを貶めようとした

だがもともと世間知らずの王女の計画だ

穴だらけで悪事はすぐに露見したのだった


「クリスティーナ嬢はしばらくベイル国へ行っておられたのですか?」

「はい、ベイル国(あちら)では魔法の修行が出来ますので」

「なるほど」

ベルナルド皇太子はヴァレンタインへと視線を移した

「お二人が結婚されたらベイル国を拠点となさるのですか?」

「そのつもりです」

ヴァレンタインはニッコリ微笑んで返事をした

「クリスはルガード国では貴重な魔法使いです

それに結婚式はルガード国王・皇后両陛下のご好意でこちらの神殿で挙げさせて頂きますので、オルドリッジ侯爵の要請があればいつでも魔法使いとしての務めを果たさせて頂きますよ」

「それは有難いな」

ベルナルド皇太子は安心したような笑顔になった


「それで結婚式の予定は?」

「こちらの神殿で執り行うので政務官達が打ち合わせをしていますよ

それにクリスはまだ16歳ですからね

そんなに急ぐ必要もないので、近々私の姉の婚約者へ挨拶に行くので一緒に行く予定をたてています」

「ほう!

レイメント伯爵の姉君というとあのお美しい方ですね!

婚約者がいらしたのか!それは残念だ」


ヴァレンタインの姉・エリザベスは絶世の美女だ

ヴァレンタインも超絶イケメンで、この姉弟はとにかく目立つ

なのでヴァレンタインもエリザベスもあまりこのような夜会や舞踏会には出席したがらない

だが以前、エリザベスはクリスの友人であるシャイフ・ミナ・ベルトレ侯爵令嬢の招待で夜会に出席した事があった


たった一度、公けの場に出ただけでルガード国の貴族の間ではエリザベスとヴァレンタインが知れ渡ってしまったのだ

しばらくオルドリッジ侯爵家に滞在していたエリザベスの元には、毎日何通もの熱烈な手紙が届いていた程だ

もちろんその夜会に来ていたベルナルド皇太子もエリザベスの美しさには見とれてしまった

だがその頃のベルナルド皇太子は愛妾・ジュリアに夢中だったので、他の貴族のようにエリザベスに熱を上げる事はなかったが…


「エリザベス嬢の婚約者はどちらの殿方かな?実に羨ましいですね」

ベルナルドが興味深々に聞いてきた

「クラーク国の方です」

ヴァレンタインの返事にベルナルドは驚いた

「クラーク国!?あの広大な北の国の!」

「はい」

ヴァレンタインの方は落ち着いた笑顔だ


ベルナルドは慌ててクリスを見た

「クリスティーナ嬢、クラーク国は遠いですよ!?

大丈夫なのですか?」


クリスの母国・ルガード国とヴァレンタイン達が住むベイル国は隣り合っている

その両国と国境を有している上に、ルガード国とベイル国を合わせてもお釣りが来るくらいクラーク国は広大だ

そしてその首都はかなり北上しなければならない

ベルナルドの心配は当然だった


だがクリスはベルナルドとは正反対ににっこりと微笑んだ

「大丈夫です

遠い分、時間をかけて行ってきますので」

「帰って来る頃には結婚式の日取りも決まっているでしょうからね」

ヴァレンタインも付け加えた


実際は魔法も使い移動するので、普通の移動より遥かに行程は短い

だが魔法を使わないベルナルドはそんな事は知る由もなかった


ベルナルドはしばらく呆然としたが

「そうですか

それではしばらくお会いする事は出来ませんね

姉君とのご旅行を楽しまれてきてください」

「ありがとうございます」


クリス達がお礼を述べると、ベルナルドはその場を後にした


「さて、このパーティーが終わったらやっと出発出来るな」

ヴァレンタインはやれやれといった感じだ

「ちょうど真夏だから良かったじゃない」

「まあな」


北の地はとにかく寒い…らしい

あまりの寒さに、以前ヴァレンタインとエリザベスが訪れた時は大変だったそうだ

なので今回は真夏を選んだのだ


クリスは初めて向かうクラーク国にわくわくしてしまうのだった







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