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86話 巣

翌朝、何事もなかったかのような涼しい顔でエリザベスとレジナルドは朝食を取っていた


クリスとヴァレンタインはなんとなく気まずい


野菜中心の朝食を終えると、ハーバートが席を立った

「1時間後に出発でいいかな?」

「ああ、それでいいよ」

「大丈夫だ」

レジナルドとヴァレンタインが返事をした


「それじゃあ1時間後に皆の部屋に迎えを行かせるから」

「了解だ」

ヴァレンタインの返事を聞くとハーバートはそのまま部屋を後にした


「ヴァル、コーヒーを飲んでもいいかしら?」

「いいぞ

俺も飲もうかな」

クリスとヴァレンタインのそんな会話を聞いていた給仕がコーヒーの準備を始めた


「私は部屋に戻るわ」

エリザベスがそう言うとレジナルドが席を立った

「部屋まで送るよ」

レジナルドはそう言うとエリザベスの側へ行き、手を差し出した


エリザベスはレジナルドの手を取ると立ち上がり、2人で部屋から出て行った


給仕はクリスとヴァレンタインの前に淹れたてのコーヒーを置いた

「いい香り」

「そうだな

妖精は木の実系には詳しいから、美味しい物がわかるんだろう」

「お茶もおいしものね」

「でも俺は肉が食べたい

早く屋敷に帰って肉を思いっきり食べたいな」

「それは…わかるわ」


妖精の食事はヘルシーだ

野菜中心の食事にタンパク類は豆や卵が多い

昨日の夕食に魚は出たが、肉は一切なかった


がっつり肉を食べる訳ではないクリスですら、肉が恋しくなってしまう


ヴァレンタインはコーヒーをくいっと飲み切ると

「さっさとドラゴンに会って帰ろうぜ」

と行って席を立った


  ♪♫♬  ♬♫♪


クリスとヴァレンタイン、エリザベスとレジナルドはシドニーの案内で妖精の村の広場へと来た

広場には既にハーバートが待っている


ハーバートは全員が揃ったので

「では行こうか」

と言って歩き出した


ハーバートに付いてヴァレンタインはクリスを、レジナルドはエリザベスに腕を貸している

最後尾にはシドニーが付いて来ていた


ハーバートは妖精の村を出ると湖へとやって来た

湖にはユニコーン達が群れている


レジナルド達に気が付いたユニコーン達はドドドッと走って来ると

「今からドラゴンに会いに行くの?」

「すぐに終わる?」

「終わったらすぐにお城に帰るの?」

と相変わらずやかましいユニコーン達は矢継ぎ早に次々と質問して来た


「ドラゴンと会うのはすぐに終わるよ

終わったら一旦、エリザベスの屋敷に戻るから」

レジナルドが説明すると、ユニコーン達は不満を露わにした

「え〜

早く帰ろうよ」

「そうだよ、暑いよ」

「ユニコーンもこう言っているし早めに帰ったらどうだ?」

ハーバートもユニコーンと一緒になってレジナルドに帰るように勧めた


「もう、帰る帰らないは後で決めて

とにかくドラゴンに会いに行きましょう」

エリザベスが当初の目的へと戻した


「そ、そうだね

じゃあ行こうか」

ハーバートはそう言うと湖の方へ身体を向けた

するとハーバートの背中には羽が表れ、魔力がどんどん増して行く

ハーバートは湖に向って手を伸ばすと、湖面が渦を巻き始め、渦はどんどん大きくなっていった


大きくなった渦の中心は黒く、その中心はどんどん大きくなり、やがて湖にポッカリと穴が開いたようになった


「あれが入口?」

クリスが聞くとヴァレンタインはぼん!と魔獣に姿を変えた

「そうだ

クリス、乗れ」

「うん」

クリスはひょいとヴァレンタインの背に乗った


続いてエリザベスが、そしてレジナルドも魔獣へと姿を変えた


クリスはレジナルドの魔獣の姿を始めて見た

シルバーの毛並みには模様ひとつない

エリザベスよりヴァレンタインの方が幾分身体は大きいが、レジナルドは更に大きい

しかも腕の太さが全然違う

ヴァレンタイン達の腕は細いのに対してレジナルドの腕はとても太かった

耳の先には長い毛が生えている


あまりにも美しいので、クリスは見惚れてしまった

「雪豹みたいね、綺麗」

見惚れているクリスにヴァレンタインは

「俺の毛並みは?」

と不満げに聞いて来た

「ヴァルとベスの毛並みも綺麗よ

金色でとっても豪華だわ」

「そうだろ」

ヴァレンタインは鼻高々に頷いた


ハーバートが羽を動かすと、ブーンと蜂のような音がした

するとハーバートは目にも止まらぬ速さで飛ぶと、湖の穴へと姿を消した

続いてヴァレンタインがひらりと飛び、真っ黒な穴に飛び込んだ


さっきまで外は明るかったのに、穴に飛び込むと真っ暗だ

「ヴァル、見える?」

クリスが心配になり聞いた

「大丈夫だ

俺たちは夜目が利くんだ」

「良かった」


ヴァレンタインは真っ暗な中を飛んで進んでいる

前からはハーバートの羽音だけが聞こえていた


しばらく飛んでいると、先の方に光が見えた

小さな点の光はどんどん大きくなる

そしてヴァレンタインはその光の中に飛び込んだ


クリスは眩しくて目が開けれない

だがヴァレンタインは平気なのか、そのまま飛び続けていた


少しずつ目が慣れてくると、クリスはようやく周りが見えてきた


とても広い空間で、辺り一面クリスタルで覆われている

「すごいわ」

クリスは息を飲んだ


ヴァレンタインは空中を進んでいるが、行けども行けどもクリスタルで覆われていた

クリスタルは透明な物もあれば、白みがかった物や薄い紫など様々な色合いの物がある

たまに魔力を感じるクリスタルもあった


しばらく進むと岩肌が露わになっている場所があり、ハーバートがそこに降りるとヴァレンタインも降りた

ヴァレンタインに続きエリザベスとレジナルドも降り立ち、クリスがヴァレンタインから降りると3人はぼん!と人型へと戻った


「ここ?」

クリスはドラゴンがどこにいるのだろうとキョロキョロしながらヴァレンタインに聞いた

「ああ、そうだ」

ヴァレンタインはニッコリ笑っている


レジナルドが自分の足元に向って

「ドラゴン、起きろ

私だ、レジナルドだよ」

と呼びかけた


いよいよドラゴンが現れる

クリスはドキドキしてしまった


ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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