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85話 付き合い

ユニコーン達と別れたクリスとヴァレンタインが妖精の村に戻って来ると、シドニーが広場で待っていた

「お帰りなさいませ」

「出迎えご苦労」

ヴァレンタインがシドを労った


「それでは王の城へと移動しますよ」

「頼むよ」


するとシドを中心に風がフワリと吹くと風は3人を包み込み、一瞬だけゴッと強まった

するとハーバートの城へと移動していた


「ヴァル、ハーバート様のお城へは普通に歩いては来れないの?」

「そうだよ」


シドニーはヴァレンタインとクリスを案内しながら話した

「私達が住むこの村は亜空間の中にあります

王の城は亜空間の中心、つまり核なのでこのような移動方法を取るのです」

「そうなんですね」

亜空間を使わないクリスにはわからない話しだったが、とりあずそう答えておいた


「夕食前に湯浴みをされますか?」

「ああ、頼むよ」

「畏まりました」

シドニーはそう返事をするとパチンと指を鳴らした


「何をしたの?」

クリスが小声でヴァレンタインに聞いた

「他の妖精に湯浴みの準備をするように連絡したんだ」

「へえ」


「夕食にはまだ時間もありますから、ごゆっくり湯浴みをなさっても大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」


クリスはふと気になってしまった

「あの、シドニー…様」

クリスに声を掛けられ、シドニーは足を止め振り返った

「シドで結構です」

「それじゃあ、シド」

「はい?」

「貴方は他の妖精達のように私を恐れていないのね?」


クリスの質問が意外だったのか、シドニーは目を丸くしたがすぐにニッコリと微笑んだ

「私は人間に興味があります

妖精全てが人間を嫌っている訳ではございません」

「そうなんですか?」

「はい

本日、クリスティーナ様のお世話をする妖精も人間に興味がある者です

まあ確かにそんな妖精は少ないですが、稀にいます」

「じゃあシドは稀なんだ」

ヴァレンタインはくっくと笑っている

シドニーはそんなヴァレンタインをジト目で見た

「本当にヴァレンタイン様は昔から一言多いのだから…」


わかります


クリスは心の中で同意した


そんな話しをしている間にクリス達は客室に到着した

クリスとヴァレンタインの部屋は隣あっている

ヴァレンタインの部屋の隣がレジナルドの部屋で、クリスの部屋の隣がエリザベスの部屋だ


エリザベスの部屋とレジナルドの部屋が離されているのはハーバートの差し金だろう


「それではまた夕食時にお迎えに上がります」

「ああ」

「ありがとう」

クリスとヴァレンタインはシドニーにお礼を言うと、それぞれの部屋へと入って行った


  ♪♫♬  ♬♫♪


夕食は広いホールのような部屋で全員で取っていた

食事は野菜や木の実、そして魚料理が振る舞われ、ぶどう酒もあった


「このぶどう酒、美味しいわ」

クリスはしげしげとぶどう酒を眺めながら言った

「妖精は自然と共にあるからね」

ハーバートが魚料理を口に運びながら答えた


「確かにここのぶどう酒は絶品だ」

レジナルドは飲み干したグラスに再びぶどう酒を満たしてもらった


「レジ、飲みすぎだ

明日は二日酔いでドラゴンに会うつもりか?」

ハーバートはそんなレジナルドをギロリと睨んだ

「大丈夫よ

これくらいでレジは酔わないわよ」

そう言ったのはエリザベスだ


クリスはエリザベスとレジナルドが付き合っていると知らなければエリザベスのこの言葉もあまり気にしなかっただろう

だが付き合っていると知ってしまうと重みが違ってくる


やはり付き合っているから、ベスはレジナルド様の事をよく知っているのね


そのような目でエリザベスとレジナルドを見ると、要所要所でそれらしい態度を取っているのがわかる


エリザベスが何かレジナルドに囁いていたり、レジナルドがエリザベスをじっと見つめていたりする


こんなに態度で表していたのに私ったらなんで何も気付かなかったのかしら〜


クリスは心の中で頭を抱えた


だが目の前に気付いていない人物がいる

ハーバートだ


クリスもそうだったが、ハーバートもエリザベスとレジナルドは付き合いが長いからお互いの事をよく知っているだけだ、としか考えていないのだ


ハーバート様…

いつ真実に気付くかしら


クリスはハラハラしながらエリザベスに熱い視線を送るハーバートを心配した


概ね食事が終わると、ハーバートが口を開いた

「明日は朝食を取ったら出発するよ」

「ああ、わかったよ」

レジナルドはそう答えると席を立った

「ベス、部屋まで送るよ」

「ありがとう」

エリザベスは差し出されたレジナルドの手を取った


ハーバートは恐らく自分が部屋まで送りたかったのだろう

レジナルドに先を越されて唇を噛んでいる


クリスもヴァレンタインの手を取り、席を立った


「ご馳走さま、ハーバート

今日は移動もしたし、明日は早いからもう休ませてもらうわね」

エリザベスはニッコリと微笑んだ


「それがいいね

じゃあハーバート、休ませてもらうよ」 

レジナルドがそう言うと、ハーバートは必死で笑顔を作った

「そうだね

ゆっくり休んでね」


「それじゃあ、おやすみ」

レジナルドはそう言うとエリザベスと共に部屋から出て行ってしまった

クリスもヴァレンタインと共に部屋を後にしたが、背後でハーバートの大きなため息が聞こえてしまった


「ハーバート様、早く気が付かれればいいけど」

「全くだ」

クリスとヴァレンタインはハーバートに同情しつつも、そのまま部屋を後にした


クリス達が客間があるフロアまで来ると、先に退出していたレジナルドがエリザベスの部屋の前で何やら話しをしている


エリザベスがニッコリ笑うと、レジナルドはエリザベスの部屋のドアを開けて2人で部屋に入って行った


その光景を見たクリスとヴァレンタインは絶句状態になってしまった

しばらく呆然としてしまったが

「ま、まぁ2人は付き合っているからね」

とクリスが言うと

「ああ、そうだな」

とヴァレンタインも頷くのだった



ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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