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74話 水遊び

エリザベス達の屋敷の庭園には大きな湖がある

と言うより、湖があった所に庭園を造ったのだ


かなり大きな湖なので船着き場もあり、何艘もボートがある

今日は4人なので、大型のボートを利用する事にした


大型のボートには帆があり、船の中央部と後部に長椅子のような椅子が付いている

立派でふかふかなクッションが付いている椅子なので、とても乗り心地は良かった


エリザベスとハーバートが中央部の椅子にすわり、クリスとヴァレンタインが後部の椅子に座った


「この辺りは浅い所もあるからな

クリスが練習出来るような場所までは俺が動かすよ」

ヴァレンタインがそう言うとふわっと風が吹いた

するとすーっとボートが進み始めた

「わあっ、動いた!」

クリスは大喜びだ


ヴァレンタインは風を自在に操り、ボートを湖の中央へと向かわせた


「ねぇヴァル、魚がいるわよ!」

「結構、いるな」


水の透明度が良いので湖底まで見ることが出来る

水深はどんどん深くなり、魚は群れを成して泳いでいた


エリザベスは日除けの傘を差し、鍔の大きな帽子を被っている

日焼け対策はバッチリだ

「気持ち良いわね」

「ああ、本当に

こうやって船に乗ってみるのも楽しいね」

ハーバートも楽しそうだ


ボートはだいたい湖の中央付近まで来た


「よし、ここからはクリスが動かせ」

「いよいよね」

ヴァレンタインとエリザベスは意地の悪い笑顔をしている


いくら超絶イケメンと超絶美女の笑顔が見れても嬉しくない〜


クリスは心の中で叫んでいた

だがヴァレンタインに背中をぽんと叩かれて、腹を括った


ここはボートの上なので杖を召喚しては邪魔になると考えたクリスは、人差し指を立てて杖の代わりにした

指先に神経を集中してボートの背後から風が吹くように魔法を使うと、そよそよと風がなびいた


だがボートは全く動かない


「クリス、もう少し風を強くしないと動かないぞ」

「どれくらいの強さで動くのかわからないよ

あんまり強すぎるとボートが飛び出しちゃうし…

難しい〜」


そう言いながらもクリスは少しずつ風を強くした

するとようやくボートほ進み出した


ボートはゆっくりゆっくり前へ進む

「クリス、亀より遅いぞ」

「も〜邪魔しないでよヴァル」


集中が途切れると風も止み、ボートは止まってしまう

ヴァレンタインのように喋ったり魚を見たりしながら風を起こすという芸当はまだクリスには難しいのだ


「あら、鹿よ」

「えっ!どご?」

「ほら、あそこ!」

鹿を見つけたエリザベスが船着き場の対面側を指さした

鹿が水を飲んでいる

「本当だわ!」


クリスはもっと近くで鹿を見たくて風を起こすと、ボートはぐいんと急発進した

「あっ、ごめんなさい」

「まぁとりあえずは動いたな」

ヴァレンタインはやれやれといった感じだ


「これはまだまだ練習が必要だね」

ハーバートも苦笑いしている


「…はい」

クリスは風の魔法の練習が増えるだろうな、と考えるとため息が出てしまうのだった


  ♪♫♬  ♬♫♪


ハーバートがエリザベス達の屋敷に滞在して3日が過ぎた

今日は白豹の魔獣・レジナルドがやって来る日だ


ハーバートにとってこの3日間はとても充実した日々だった

エリザベスとの付き合いは長いが、こんなに長く一緒に過ごした事がなかった


エリザベスやヴァレンタインが楽器を弾ける事

ネコ科の2人は昼寝が大好きだという事


今まで知らなかった2人の一面が見れて、とても有意義だった


だがそんな日々も今日でおしまいだ

レジナルドが来るのだ


エリザベスはレジナルドに気を許している

レジナルドも同じネコ科のエリザベスやヴァレンタインとは仲が良い


要するにレジナルドはハーバートにとって恋敵なので邪魔なのだ


こちらに用事があると言ってたな

どれくらいここに滞在するのかな?

さっさと用事を済ませて帰ってくれればいいが…


ハーバートはそんな事を考えながら屋敷の廊下を歩いていた

ふと前を見るとドレスアップしたエリザベスがこちらに向って来ていた

髪を緩く結い上げ、細身のドレスを纏っているエリザベスはとても美しい


ハーバートは思わず見惚れてしまった


ハーバートの側まで来たエリザベスは

「ハーバート、レジナルドがまもなく到着するそうよ

今晩の夕食まで貴方のお相手が出来ないけど許してちょうだいね」

「ああ、仕方ないよ

君たちはお客様を迎えなくてはいけないからね

僕は図書室で本を読ませてもらうよ」

「そう、ごめんなさいね

それじゃあ夕食で会いましょう」


エリザベスはそう言うとエントランスへと向かった


ハーバートは本を読むつもりはなかったが、そう言った手前本でも読もうかと考えて図書室へと向かった


  ♪♫♬  ♬♫♪


エントランスには既にヴァレンタインとクリスが来ていた

遅れてエリザベスも到着すると

「レジはまだ来ていない?」

と聞いた


「まだ来てないよ」

「さっき結界の中へ入ったからまう間もなく来るはずよ」


ヴァレンタインとエリザベスがそんな会話をしていると馬車がこちらに向って来るのが見えた


「あ、来たじゃないか」

ヴァレンタインは上着を整えた


こんなに緊張しているヴァレンタインを初めて見たクリスは、レジナルドという白豹の魔獣はどんな人なんだろうといろいろ想像してしまった


恐い方なのかしら?

でもヴァルはレジナルド様のお話をする時は楽しそうよね?


そんな風に考えているうちに、馬車はクリス達の前まで来た

6頭の馬が引いている馬車は大型だ

こんな立派な馬車はルガード国でもクリスの生家・オルドリッジ侯爵家や王族くらいしか持っていないだろう


馬車が止まると、御者が降りてきて馬車のドアを開けた

中から出て来た人物は人間で言えば30代くらいの男性だ


シルバーの髪に水色の瞳

顔立ちはヴァレンタインに負けないくらい整っている


ヴァルが年を取ればこんな感じになるかも

とクリスは思わず考えてしまった


「レジナルド、久しぶり」

ヴァレンタインが近づいて挨拶をした


「おお、ヴァル

変わらないな」

「レジもな」

2人は握手をした


続いてレジナルドはヴァレンタインの後ろにいるエリザベスへと視線を向けた

「ベス、相変わらず美しいな」


エリザベスはニッコリ微笑むと

「お久しぶりね、レジナルド」

と言いながら右手を差し出した


レジナルドはエリザベスの右手を取ると、そっと口づけをした


そして次にクリスを見た

「ん?この子は?」


「俺のエサだ」

「ヴァルの伴侶よ」


ヴァレンタインとエリザベスの説明に「?」となるレジナルドだった





ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

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