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49話 方法

水浴びを終えたトレイシーはエリザベスの部屋へやって来た


「ああ、さっぱりしたよ

生き返った」

長椅子に座っているエリザベスとクリスの向かい側の長椅子の背もたれに留まっているトレイシーが羽を広げて綺麗になったのを見せてくれた


トレイシーの隣に座っているヴァレンタインは羽が顔に当たり迷惑そうだ


「羽が当たってるぞ、わざとだろ」

「この美しい羽を見せてあげてるだけだよ

邪魔するんじゃないよ」

「真っ黒でわからないよ」

「何だって!?」


「それで?トレイシー

怨念を葬り去る方法は?」

エリザベスが聞くと、トレイシーはヴァレンタインとのやり取りを止めてエリザベスを見た


「何通りかあるね」

「怨念の願いを聞き届けるとか言ったら羽をむしるぞ」

「………」

「なんだよ!そーなのかよ!?」

「本当にこの小僧は!」

トレイシーはヴァレンタインを突き、ヴァレンタインは羽をむしろうと暴れ出した


そんな2人に構う事無く、エリザベスは聞いた

「他の方法は?」


ベスって冷静

この2人の小競り合いに慣れているのね


クリスは必死に笑いを堪えていた


トレイシーとヴァレンタインが落ち着くと、トレイシーはふん!と鼻息を荒々しく出した

「ルーベンの話しだと、その怨念は相当昔のヤツらしいね

一番簡単なのはそいつが怨念になった経緯がわかればいいんだが、今となっちゃあそれもわからない

そうなると浄化するしかないね」

「浄化…」

「それもかなり威力のある浄化魔法だ」


エリザベスは考え込んでしまった


この中で浄化魔法を使えるのはクリスだけだ


「私がやるしかないのね?」

「ダメだ」


クリスが浄化を受けようとすると、ヴァレンタインがすっぱり反対した


「でも浄化魔法を使えるのは私だけよ?」

「クリスに危険な事はさせられない」

ヴァレンタインにそんな事を言われて、クリスは嬉しくなってしまった


「おい、ばーさん

他にも手はあるんだろ?」

「もちろんさ」


トレイシーは翼で起用に腕組みをしている


「お前さん達のバカみたいな魔力で消すんだ」

「方法は?」

エリザベスが真剣な顔付きで聞いた


「ベスの亜空間に閉じ込めて、その亜空間を粉々にするんだ

怨念の身体はそれで壊れるが『念』は残るだろう

だからその粉々にする作業も亜空間でするんだよ」

「要するに、亜空間に封印してしまうのね?」

「そうだよ

さすがベスだね、理解が早いよ」

「何だよ、俺だってわかったぞ」

「強がるんじゃないよ」

「何だと!」

ヴァレンタインとトレイシーはぎゃあぎゃあ言い争っているが、エリザベスは考え込んでいた


「ベス、出来るの?」

クリスが心配そうに聞いた


エリザベスはニッコリ笑うと

「出来るわよ」

と答えた


「でも…」

エリザベスが考え込んでいたので、クリスは心配だった

そんなクリスの心配に気付いたエリザベスは考え込んでいた理由を話してくれた


「ジュリアも亜空間を操るから

私の亜空間にどうやって閉じ込めようか考えてたの」

「私が浄化してもいいのよ?」


エリザベスはクリスの頭に手をぽんと置いた


「そうね、相手が亜空間を操るヤツだからクリスの魔力(ちから)も借りる事になるかもしれないわね」

「うん」

「浄化も確実にする為に、浄化魔法は太古の魔力を使いましょう」

「え゛」


クリスは固まってしまった


普通に浄化魔法は難しい

それを太古の魔力でするなんて…


エリザベスはにっこり微笑むとクリスに言い聞かせるように言った

「太古の魔法の練習をするわよ」


そんなつもりで言った訳じゃなかったのに〜


クリスは泣きたくなってしまうのだった


  ♪♫♬  ♬♫♪


後宮に戻ったジュリアはまずベルナルド皇太子と舞踏会に出席するので、新しいドレスを注文するためにデザイナーを呼び寄せていた

デザイナーは何着ものドレスを持参し、ジュリアは気に入ったドレスを数着決めると、それに合う首飾りやブレスレット・イヤリングなどもドレスに合わせそれぞれ作らせた


そしてベルナルド皇太子に媚びを売る為の貴族達が次々ジュリアの元を訪れ、いろいろな貢物を捧げた


外国の珍しい生地や食べ物、大きな鳥の羽で作った髪飾り、もちろん宝石も貢物の中には沢山あった

中には奴隷を捧げる者までいた


ジュリアは見目の良い奴隷を受け取ると奴隷に自分の種を飲ませた


これで奴隷を自在に操る事が出来る

更に種が体内で根を張れば種の魔力で魔法も使えるようになる


ジュリアが飼っている水色の髪の男もそうやって操っていた


ただ種が根を張っても、それに耐えきれずに死んでしまう場合もある

この水色の髪の男はジュリアの種に耐えきった人間なのだ


今も貰い受けた数人に種を飲ませている

この中で何人が生き残るか…


ヴァレンタインの所に行くのはこの奴隷達が上手く使えるようになるか試してからだ

ヴァレンタインやエリザベスはもちろん手強いが、ジュリアにとって脅威はクリスティーナだった


ジュリアの身体を斬り、その傷は今なお消えずに残っている

念には念を入れて準備をしているのだ


そして最近、ベルナルド皇太子から面白い話しを聞いた

ヒラヌルの婚約者が決まりそうだと話してくれたのだ


ヴァレンタインにあれだけ執着しているヒラヌルだ

国王の命令でヴァレンタイン以外の人間と婚約するとなれば、必ず何かするだろう

ジュリアが準備のため動けない間、一騒動起こしてくれそうだ


ジュリアは楽しくてたまらなかった

人間の負の感情がとても大好きだからだ


しばらく後宮を離れていたが、戻ってみるとヒラヌルの負の感情は以前より強くなっていた


ふふ、なんて愚かなのかしら

ジュリアはヒラヌルが堕ちて行く事が楽しくて仕方なかった


婚約の事を言い渡された時のヒラヌルが楽しみだ


ジュリアは貢物の中にあった大きな宝石を使って作られたイヤリングを耳に当てながら鏡を覗いた


鏡に写っているジュリアは禍々しい笑みを浮かべている

だが侍女達はそれに気が付いていないようだった

「お嬢様、とてもお似合いですよ」

「そうね、気に入ったわ」


そう、今の自分の立場はとても気に入っている

ドレスも宝石も、そして人間達を傅かせる権力も

そしてこの後宮ではどろどろとした人間の負の感情がとても多かった


最初はこの王族を根絶やしにしてやろうかと考えていたが、ベルナルド皇太子を利用すれば全てが自分の理想通りになる


このままこの王族に憑りついてやるわ


ジュリアは楽しそうに微笑むのだった









ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿ ◕。

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