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29話 不法侵入

「それは気の毒に、大変だったわね」

ぜんぜん気の毒そうな顔をしていないエリザベスは笑っている


「もうベス!本当に怖かったのよ!」

クリスはあの恐怖をエリザベスにも味わってもらいたかった


「あそこまで妄想癖のある奴は初めて見た」

ヴァレンタインもまだ立ち直っていない


「それで屋敷に帰りたいのね?」

「「うん!」」

このままこのオルドリッジ家に滞在していては、またヒラヌル王女から呼び出されるかもしれない


どんな女でもヒラヌルは王女だ

呼び出されれば登城しなければならない


「仕方ないわね、今晩リチャードに話しをして帰りましょう」

エリザベスの決定にクリスとヴァレンタインはほっとした


クリスとヴァレンタインはかなりダメージを受けたようだ


すごい攻撃力だったのね


エリザベスは2人の喜びようで、ヒラヌルの攻撃力がすさまじかったのだと悟るのだった


  ♪♫♬  ♬♫♪


「まあクリスちゃん、向こうのお家に帰っちゃうの?」

「はい、お母さま」


長椅子に座っているエレンは寂しそうだ

そんなエレンの隣でリチャードは顎に手を当てて考えた

「例の魔獣はどうするんだね?」


エレンとリチャードの向かい側に、同じく長椅子に座っているエリザベスが答えた

「監視を付けるわ

私達に逐一報告させるから」

「ふむ」


エリザベスの答えにリチャードは少し考えた


「まぁ仕方ないかな

今日、王后陛下から何があったかは国王陛下と共に伺った

ヒラヌル王女の熱が冷めるまで離れている方が良いだろうね」


エリザベスとヴァレンタインに挟まれて座っているクリスはほっとした

反対されてこのままオルドリッジ家に滞在したら、またヒラヌルの攻撃を受けてしまう


「君たちの結婚式を宮殿内の神殿で執り行うとも言われたよ」

「まぁ!宮殿で!?」

エレンは胸の前で両手を合わせて驚いている


「え?王妃様は本気だったんですか?」

「どういう事だい?」

「てっきりヒラヌル王女にヴァレンタインを諦めさせるための嘘なんだと…」


クリスはチラリとヴァレンタインを見た

クリスの視線に気づいたヴァレンタインは

「俺は構わないぞ」

「ヴァル、本当に結婚式を挙げてもいいの?」

「いいじゃないか」


婚約の時もそうだったが、ヴァレンタインはこの結婚にいやに乗り気だ

あまり物事を深く考えないヴァレンタインだ

なんだか心配になってしまう


そんなクリスの心配に気づいたのか、エリザベスはクリスの頭をポンと叩いた

「大丈夫よ

ヴァルは直球タイプだから」


直球タイプ?一途って事かしら?

きっと「一途」って言葉を出すとヴァルが反発するからこう言ったのね


クリスはくすりと笑ってしまった

「うん、ありがと」


リチャードは少し考えて

「僕との連絡はこまめに入れてくれ

僕からも使い魔を放つから、結界に入れるようにしておいて」

「わかったわ」


次いでリチャードはクリスの方を見た

「君たちの結婚はすぐという訳ではない

準備もあるし、宮殿側との調整もあるからね」


クリスはぼん!と赤くなると

「そ、それはそうですよね

私はまだ15歳ですし、急ぎません!ね、ヴァル」

「そうだな、どうせクリスとはずっと一緒にいるんだから俺は構わない」


うんうんとクリスは頷いた


「それじゃ、明日帰っちゃうのね?」

エレンがそう聞くとエリザベスが答えた

「ええ、そのつもりよ」

「たまには遊びに来てね」


最初エリザベスとヴァレンタインを怖がっていたエレンは随分と成長をしたものだ

今ではオルドリッジ家にいないと寂しくなってしまっている


「そうね、クリスもいるからまた一緒に戻って来るわよ」

エリザベスは微笑みながら答えた


  ♪♫♬  ♬♫♪


話しが終わり、各々が自分の部屋で休んでいた


ヴァレンタインはベットに横になっている

窓から入って来る風が気持ちよかったので、ウトウトしていた


だが突然ガバッと起き上がるとベットから飛び降り、窓の方へ態勢を向けた

テラスへ出入り出来る大きな窓の側に人が立っている

月明りに照らされていたのはジュリアだった


「こんばんわ」

「不法侵入だぞ」

「仕方ないわ

だって貴方がどこかへ行くって言ってたじゃない

だから今晩しかないと思って、わざわざ魔法使いの屋敷に侵入したのよ?」


魔獣にとって魔法使いは餌でもあり、天敵でもある

怨念でもあるジュリアにも同じなのだろう


「お前は結構魔獣も喰ったみたいだからな

魔法使いは苦手なんだ」

「そうね、恐くはないけど好きではないわ」

「で?何をして遊ぶんだ?」


ジュリアはふふっと笑うと片手を頬に当てて考えるような素振りをした

「そうねぇ、私としてはこのまま貴方を連れて帰りたいけど」

「却下」

「なら力づくね」

「面白い、出来るものならやってみろ」


ヴァレンタインの言葉にジュリアはすぐに臨戦態勢に入った

ぶわっと魔力が解放されたのがわかった


「おっと、ここじゃまずいな

屋敷を壊すと怒られる」

「あら、それはまずいわね

それじゃ場所を替えましょ」


ジュリアはそう言うと踵を返し窓から外へ飛び出し、ヴァレンタインも後を追った

ヴァレンタインの部屋は3階だが、ジュリアもヴァレンタインもお構いなしだ

そのまま地面に着地すると、再び飛び上がり広い場所を求めて移動した


ヴァレンタインがオルドリッジ家の裏側の庭園の方へ誘導すると、ジュリアも付いて来る

いつもクリスの魔法の練習をする広い場所まで来るとヴァレンタインは着地した


ジュリアもヴァレンタインから距離をとった所に着地する


「さあ、どうやって遊ぶんだ?」

ヴァレンタインがジュリアを睨みつけた

「ふふ、こうやるの」


ジュリアがそう言うと、ジュリアの背後から触手が何本も伸び、まるでムチのようにヴァレンタインに襲い掛かった


ヴァレンタインはそれを軽々と避けている

「お前のこの攻撃は一回、見たからな」


だがジュリアも余裕の笑みだ

「じゃあ、あの子にも参戦してもらいましょう」


そう言いながら、ジュリアは右手をヴァレンタインの方へ向けた

するとヴァレンタインの横に亜空間が開き、水色の髪の男が飛び出して来た

飛び出して来るなりヴァレンタインに斬りかかる


「おっと」

ヴァレンタインはひょいと避けた


「さあ、行くわよ」

ジュリアは楽しそうに笑いながらヴァレンタインに向かって飛び出した








ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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